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ブロックチェーンを取り巻く「XX元年」

ブロックチェーンに関して、これまで(いまも)多くの「XX元年」が唱えられてきました。

仮想通貨元年
ビットコイン元年
ブロックチェーン元年
DeFi(分散型金融)元年
Staking元年
デジタル通貨元年

いずれもその時の環境をよく表していると思いますし、マーケットを盛り上げるのに一役買っています。2020年はどんな年になるのでしょうか。

ところで、ブロックチェーンの社会実装については、既に多くの分野で進んでいます。個人的には、サプライチェーンでのユースケース(IBMのFood Trustなど)は、元来親和性が高い領域と言われていましたし、実際期待された効果をもたらしているように思います。

また、2019年に注目の集まったデジタル証券もしくはセキュリティトークンについては、ブロックチェーンのユースケースとしては高い適性がある一方で、証券化という既存の金融サービスを電子化・高度化するものでした。

Facebookのリブラを始めとし、中央銀行や大手テック企業が発行するデジタル通貨にも注目が集まりました。

こうした多企業(時には国を跨ぐ)が関与し相応の調整を要するプロジェクトはIBMやFacebookのような大手企業やメガバンクのような大手金融が主導することが多く、また、全く新しい価値を提供するというよりも、現行のシステムのペインポイントを大なり小なり改善するタイプのものであることが少なくありません。(勿論それ自体に大きな意義はありますし、大手が主導するからこそ成しえるものなのですが)

いずれにおいても、当局や大手企業がリードしており、そこではスタートアップのプレゼンスは未だ限定的です。本当にイノベーティブなアイデアや仕組みはしがらみの少ないスタートアップから産まれることが多く、特に日本においてはまだまだブロックチェーン関連のスタートアップは不足していると言えましょう。

纏まった金額の資金調達のニュースが報じられているスタートアップも少なくありませんが、一般のユーザーにまで訴求し、広く成長を実現できているところは限られます。技術そのものの成熟度だったり、リテラシー・大衆認知度など、様々な要素はありつつも、ニッチな世界を脱しきれず。その点で、昨年のリブラやセキュリティトークンへの注目は多くの好ましい影響を与えたと思っています。

国家・大手伝統的企業レベルでの注目が集まることで、関連技術への研究は一層進むでしょうし、従来のブロックチェーンアーリーアダプター層以外からの認知・理解も広がっています。米GartnerはブロックチェーンはHype Cycleにおける「幻滅期」にあると言っていますが、2020年からいよいよ「幻滅期」を越えて、「回復期」に移行するかもしれません。

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(Gartner)

「XX元年」とシンプルに言うことは難しいものの、2020年もしくはそれに続く1、2年は、よりスタートアップ側から新しい価値の提示が増え、またそれが一定の社会認知を得ていく端緒となるのではないでしょうか。そうなれば、ベンチャーキャピタル投資の機運も高まってくるでしょうし、起業家・スタートアップにとって、特に大事な年になるはずです。

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