近頃、トラウマという言葉を聞くことが増えてきました。

しかし、なんとなく使用しているトラウマという言葉がどんな意味を持つのか。

それを把握して言葉を発している方はどれだけいるでしょう。

ここではトラウマという言葉の意味や、トラウマの原因、治療方法について簡単に解説します。

トラウマとは

トラウマとは元々ギリシャで「外傷」を示す言葉ですが、現在では主に「心的外傷」を示す言葉として用いられています。

酷いトラウマは「PTSD（心的外傷ストレス障害）」の原因となり、日常生活に支障をきたしてしまうことも。

こうして聞くと感じる意味の重たさとは裏腹に、トラウマという表現は「ショッキングな出来事」を強調する言葉として、日常会話の中でも良く使用されています。

PTSD(心的ストレス障害)とは

PTSD(心的ストレス障害)は、精神的苦痛を受けるたびに何度もトラウマなシーンが脳裏にフラッシュバックする症状です。

そのとき当事者は過度な不安、緊張、恐怖などの悪感情を抱きます。

PTSDを抱える人は、現実で自身のトラウマシーンと同じ状況に面した際には強く拒否反応を起こし、酷いときには脳が自己防衛のために記憶障害を患うケースも。

いわゆる心の病で受ける苦痛は、精神的なものと思われがちですが、情緒が不安定になると人は麻痺、頭痛、動悸、めまい、不眠など身体的な症状も現れます。

トラウマの原因

トラウマは過度な精神的苦痛を受けることで生まれます。

事故や災害、いじめやハラスメントなどなど、その精神的苦痛の原因は人によってさまざまです。

他者から見れば軽い出来事も、当人が深い精神的苦痛と感じる問題であれば、それがトラウマとなってしまうことは充分に考えられます。

トラウマの治療法

トラウマは、程度にもよりますが時間が立つと共に自然治癒していく場合もあります。

しかし酷いものや慢性化してしまったトラウマを治すには、適切な支援が必要です。

症状を抑える方法としては"抗うつ剤"や"抗不安剤"、"気分安定剤"などが使われますが、トラウマを根本的に治療するには精神療法が一般的です。

トラウマとなった場面をあえて何度も思い起こして、怖いものではないと感じられるようにする訓練もあります。

とはいえ、これは無理に行うとトラウマな記憶が強く印象に残り続けて悪化する場合もあるので注意が必要です。

トラウマは当人の感情を丁寧に汲み取り、ケアしていかなければいけません。

トラウマの原因は千差万別

トラウマの程度や原因、物事の価値観は人によってさまざまです。

誰も、どんなことが相手に深い苦痛を与えるのか、それを完璧に理解するのは難しいでしょう。

「つらい」と相手が声に出していても、問題次第ではあなたも私も「そんなことくらいで…」と思ってしまうかもしれません。

それどころか、世の中には「つらい」が言えずに苦しんでいる方も大勢います。

人のトラウマを和らげてあげたいと思うなら、主観でもなく、客観でもなく、苦しんでいる当事者の想いも汲み取らなければいけません。

自分と周り、どちらの声にも耳を傾けて

実は周りの人ではなくトラウマを持つ本人がその症状を軽く見てしまっている場合もたくさんあります。

世間の価値観や周りの人の言葉によって「こんなことで苦しむ自分はいけない」と考えてしまう人もいます。

抱えるトラウマの種類や強さにもよると思いますが、今少しでもつらい感情が芽生えているなら、無理に蓋をせず１回は自分の気持ちを素直に思い起こしてみてはいかがでしょう。

一人で解消できないのであれば、周りの人にも相談してみてはいかがでしょう。

周りを見渡せば、あなたの力になりたい人がどこかにいるかもしれません。

もちろん、今この世にトラウマを抱える人がどんな立場でどんな環境にいるのか、私には分かりません。

それでも傷ついたときに救い救われ、多くの人がお互いを助け合える社会になれば素敵だなって、ただ思っています。

●ゴンザレス美について
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