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銀河間トラベラー「アプ星人」との170時間 彼らは催眠術で騙しているにすぎないのか!?


分速百万キロメートルを超えるマシーン
主人公、飛行船に乗る。
イヴァンカに誘われて、私たちと一緒に船に向かう外国人たちは、先ほどのように、草の上を浮遊していませんでした。
ですが、一つおかしな点に気付きました。
外国人たちはキスペや私がするように歩いてはいましたが、よく見ると、草は彼らの足下でひしゃげていないのでした。
飛行機は地面から六〇センチメートルほど宙に浮いているのがわかりました。
これは草の細胞にダメージを与えないための奇妙な停泊位置なのだろうと考え、何も聞きませんでした。

船の形
翼の形状のせいで飛行機のように見えるだけで、実際には、奇っ怪なフォルムをしていました。つまり、機体は短いのですが、旅客機並みの胴体幅があるのでした。
イヴァンカ:「翼は折りたたみ可能で、スピードは分速百万キロメートルを超えるわ」

飛行機からの1メートルの距離に来た時、主翼と尾翼の間に配置されたドアが、壁面の後ろにスライドするようにして開きました。

船に乗り込む際、機体が私たちの重みでゆれるはずでした。
そこで、私はペドロが乗船する様子を観察することにしました。
内部からせり出してきたステップに、彼は足を乗せます。・・・しかし〈小型旅客機〉は微動だにしませんでした。
彼に続いて、私とキスペそしてイヴァンカが一匹の犬と一緒に乗船しました。
中に入ると、角の部分が全くない楕円形の部屋がありました。
結構な広さで、様々なソファと家具が備えてあります。
また、壁には多種多様のスクリーンが埋め込まれています。

「こちらは私たちの友人のアリフ」
とイヴァンカは紹介しました。
アリフが近くのソファを指差すと、私に座るように促します。
その時でした。私は、唐突に訳の分からない心地よさを覚えました。
おどろく私を、アリフは見つめます。
「重力除去状態になっただけさ、アミーゴ。今、君の体重は八十グラムだよ」
にこにこして彼は言いました。

☆ここからは、イヴァンカの発言のみを抜粋します。☆
「兄弟、まあ落ち着いてちょうだい、私たちについて分からないことがあれば、脳細胞のひらめきにまかせて、じっくり質問すればいいのよ。けどね、ひとつ断言させてね・・・。
私たちはどんな生命体であっても傷つけないの
「私がアプ星の市民になってから四十年経つわ。アプ星では、人々は前向きなの。だから、欺瞞やエゴイズム、野心、憎悪といったものは存在しない。本当よ。じっくり考えれば納得できるわ。」
「そうよ、アミーゴ。私は地球人」
「ドブロブニク。アドリア海に面したユーゴスラビア沿岸の街よ(現在はクロアチア領)」



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