それを「ロック」と呼ぶような気がする。原田マハ【異邦人】を読んで

一枚の「作品」に魅了されたことをきっかけに、情熱の全てをその「作品」に捧げていく主人公:菜穂と、その旦那であるもう一人の主人公:一輝の焦燥や恐怖を描いていく本作品。

解説にもあった通り、確かにこの作品は「3.11小説」とも取れるのかもしれない。「3.11」を発端として東京から京都に住まいを移した際にその「作品」にあったのだから、あの出来事によって人生が変わった一つの例なのかもしれない。ただ、まぁ

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ありがとうございます。
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私の現代詩2.0宣言「私は今も中身の無いこどもな異邦人です」

読書人口はひと昔前とは違いかなり少ないと実感する。知人たちの様子からすれば10%いかないとみる。多くの人は日々の営みに疲れ文字を目で追い思考する忍耐が辛くて仕方がないのではなかろうか。

文字を打って創出するのがメインのSNSさえも、その思考の労力に疲れてしまうものではと察する。ところが、詩を趣味にされてる人々のコミュニティに身を置くと、実感する読書人口10%が70%になる。倍率が微妙かと思われる

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作家が「自分だけの言葉」を見つけるということ

僕は「つかこうへい」という劇作家・演出家に育ててもらいました。つかさんの芝居が好きで、入った劇団。その稽古場では、つかさんがその場で、怒濤のごとく新しい台詞をつけていきます。それをその場でパソコンに打ち込んでいったり、手書きで直しを入れたものを打ち直したり、必要な資料があれば調べたり…。その中で、つかこうへいの芝居作りを真横で見て育ちました。

 つかこうへいの言語は特殊です。極めて平易な言葉で書

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参考になればうれしいです!
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「熱海殺人事件」と「異邦人」

間もなく始まる、僕の新作戯曲「異ノ邦ノ人へ」(イノクニノヒトヘ)の稽古が続いています! 世間に理解されない男と、その男に「正しさ」を説く神父の物語です。カミュの「異邦人」から着想を得た新作ではありますが、そのままの舞台化というわけではありません。

「異邦人」をベースに芝居を作ってみようと思い立ったのは、「熱海殺人事件」の初演版を上演したときでした。「熱海」の中には、犯人の大山を「大山ムルソー」(

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ありがとうございます!

毎日ミュージックビデオ day27 ~郷愁, Nostalgiaを感じる5曲

夜更かししてしまった次の朝の身体のしんどさ・頭のぼーっとする感じをちゃんと覚えておく

そうすれば次夜更かししようかな..?!ってなった時に、「やっぱやめて朝することにしよう!」って思えるはずだ。おい!忘れんな!体にきざみこめ!この眠い感じを!自分!!笑 反省しなきゃずっと同じこと繰り返すだろっ✋

今日は郷愁 / Nostalgia を感じる5曲。再生リストに入れてたやつ。全ておすすめ。映像ない

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Thanks♪

恋するように旅して〜ウズベキスタン編⑤サマルカンドにてビビハニム・モスク、シヨブバザール

レギスタン広場から歩いて、ビビハニム・モスクへ。

中央アジア最大級を謳うけれど、レギスタン広場のスケールを見た後だと、デザインは比較的質素に見える不思議。

ちなみにビビハニムはティムールのお妃のお名前。

とにかくこのモスク、ティムールがかなり急いで作らせた代物。
その上で、やれ気に入らないから責任者処刑するだの、
やれ出来上がった後に崩壊しただの、いろんないわくがある模様。

内装も細やかな

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カミュ『異邦人』にみる、社会に求められる振る舞いを拒否するということ

■カミュ『異邦人』にみる、社会に求められる振る舞いを拒否するということ

先日、ルキノ・ヴィスコンティ監督『異邦人』を視聴したことをきっかけにアルベール・カミュ原作の方を読み返していた。過去に読んだ時の感想と言えば、「太陽が眩しくて、ってなんかかっけえ……」と思うに留まったが、今読んでみると現代の社会状況と重なるところもあって、思うことがあったので書いてみたい。

まずは『異邦人』の大まかなあらす

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僕もスキです。
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【百科詩典】しじょう【市場】

市の発生が、共同体というセーフティーネットから落ちこぼれた人々や、共同体の法を犯したり、共同体のルールを超越する霊能者や、芸能者、異邦人たちが作り上げた辺境の逃亡の町であったというのは、網野善彦の胸のすく仮説だった。
そこは、共同体の掟や法権力が及ばないが故に、無縁の者たちが生きていける空間であった。
そして、この無縁の市で、人と人をつないでいるものは、唯一お金という無色透明な交換物であった。

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共鳴するものがあったのでしたら、有難い限りです。
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随筆6 雨の道程④(終) それでも生きよ

生きるか否か、それは究極の選択であり、同時に最もありふれた選択である。

 カミュを読みながら電気ブランをあおっているときに、僕の頭にあったのはそんなことだった。この問いから、僕は、人間は逃れることができない。そもそも生まれるということ自体が不条理性を孕むこの世の中で、尚もそれ以上の不条理に立ち向かい生きねばならぬというのはある種残酷なことである。生まれが自由でないということ、いずれ死してすべてが

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随筆5 雨の道程③ 生きる意味と不条理

ひと眠りして目が覚めると、バスは既に首都高に入り、ナトリウムランプのオレンジの光に照らされていた。ムルソーが感じた、あのアルジェの街にバスが入ったときの感動とは斯様なものであったのかもしれない。町と町の間の光の空白地帯から光の只中へと入るというのはある種の感動を伴うものだ。それは人の温もりとも、網膜を突き刺す光のシャワーともとれるものであるが、人間の領分ではない暗闇から脱け出すことへの安堵、人心地

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