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ドーナツの美しさ

ドーナツの形はとても特徴的だ、円形の中に穴が空いている。
他にそんな食べ物があるか考えてみてもちょっと、出てこない。

ドーナツの穴の起源はいまいちわかっていないが、元々はオランダで、円形の揚げ菓子の真ん中にナッツを乗せたお菓子があり、19世紀ごろにアメリカに伝わった時に、ナッツの代わりに穴になっていたらしい。

始まりからして、謎であるこの穴に対して、人は様々な憶測を立てた、全体をさっくり上げるためと合理的に考える人もいれば、ドーナツの穴は何を表しているのか何の意味があるのかと哲学的に考える人もいた、他にもドーナツの穴を証明しようとする科学者もいた。

ドーナツの穴は人の関心を吸い込むのである。

だがこれは穴の特徴だと言える、人は見えないものに想像力を掻き立てられる、もし山で洞窟を見つけたら、必ず何か動物がすんでいるのか、どこかに繋がっているかなど考えるはずだ。想像力が豊かならそこが別世界に繋がっているのではないかと想像するかもしれない。

ドーナツの穴も同じで真ん中に空間があることでそこに想像する余地が生まれたのだ。
穴こそがドーナツの美しさで魅力なのである。

アメリカではドーナツはお菓子の枠を超え、モーニングで食べられるほどらしい。
確かにコーヒーとドーナツの組み合わせは絶品だ。
日本でもドーナツの人気は凄まじい、ミスタードーナツを差し入れに持って行けば、喜んでもらえること間違いない。

けれど、もしドーナツに穴が空いていなかったら今ほどの人気はなかっただろう。
ドーナツの穴は一つの革命である、エジソンが電球を発明して夜を変えたように、ピカソが美術の価値観を変えたように、ジョブズが私たちの生活を変えたように、なもなきドーナツの発明者はお菓子の常識を変えた。

その功績はとてつもなく大きい、私たちは常識を変えた奇跡を今も食べている。

ドーナツは美しくそして美味しい。

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