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我が家の芝生も充分青い

雨天の窓越しに咲く赤信号
山頂から見下ろす街の灯
雲の切れ間で踊る星
曙に駆け上がる旭日きょくじつ

陽光を浴びる海原
振舞いはさながら白昼の星夜
鮮やかな渋滞の車列
街中を大河のように輝き流れる

奇麗なものほど遠くにある
「そんなことない」と人は言うけど
隣の芝生は青く見える
煌めきに眩んだ私の目には

比較は世の常、人の常
不毛だとは分かっているさ
優劣に苦しむ人の性
無益だと知ってはいるさ

嗚呼、バカらしい
比べたところでどうなるものか
隣の芝生は隣のものだ
我が家には我が家の芝生がある

嗚呼、忌々しい
欲したところでどうなるものか
輝く誰かになれるはずもなく
私は私になるしかないのだ

だから一度、目蓋を閉じよう
眩んだ瞳を叩き直して
羨んでいる暇はない
我が家の庭の手入れが先だ

いつか言えるだろうか
隣の芝生が青く映えるこんな日に
言えるといいな
我が家の芝生も充分青い、と

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