認知症の予防が日本を変える②

認知症の前段階→『軽度認知障害(MCI)』

数年前からマスコミが
「認知症800万人時代」が始まっていることを報道しています。
認知症というのは、ある日突然私たちに訪れて来る病気ではありません。
脳の変化が起き始めるのは、認知症が発症する25年も前からなのです。

さて、物忘れや、あれ?と、本人の周りが思うことがあるものの、日常生活には全く支障がない状態のことを

『軽度認知障害(MCI)』

といいます。一般的にはこの日常生活に支障があるかないかが境目とされています。
日本には、この軽度認知障害の方が400万人いるといわれており、このうち10%程が1年で認知症に進み、5年もすれば半数の50%が認知症になると考えられています。

この軽度認知障害の段階でも、既に脳にはかなりの量のアミロイドβが溜まっているとされます。発症の25年も前から溜まっていく脳内ゴミは、ある程度溜まると、一気に症状になって表れるイメージです。

この段階でも本人や周りの方が気付いて、適切な対策や認知機能を改善するような活動を行えば、認知症の発症、つまりは日常生活に支障をきたさないようにすることができると考えられています。

なぜなら、病理学的には、認知症においては多くの脳神経細胞が死滅していますが、軽度認知障害の場合ではほとんどの脳神経細胞が死滅せずに、弱っているという状態だからです。

ですので、この時点で神経細胞を死滅させることなく元気にすることができれば、認知症としては発症しない可能性があるのです。



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