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世界のクロサワを見たらマンガの勉強になった話

世界のクロサワ映画を見たらマンガの勉強になった話

このあいだ「隠し砦の三悪人」をみた。
世界のクロサワと評される黒澤明監督の映画作品だ。その中で印象に残った部分がある。
前半に登場する、霧の中から人物が現れるシーン
とても臨場感がすごい。その理由を考えてみた。
ワンカットのシーン。
下の図



①霧から人物が現れるとき、向きがバラバラでこちらに向かってくる
②手前の人物が大きく移動する。遠くの人物はゆっくり移動する。手前から奥へ配置される
③移動しながら遠ざかる
④人物が揃いながら向こう側へ遠ざかる


観客の視点と人物が一体化して、まるでそこにいるような気分になる
ここまで自然に役者さんも配置を変えて、カメラも移動していく。
なるほどと思った。
もう少しわかりやすく棒に例えてみる


①横向きの棒がこちらに向かってくる
②棒の先が画面手前を横切る
③手前が大きく動く
④再び横向きになりつつ遠ざかっていく


視点が手前と奥に移動するので映像に奥行きも出るのだ。背景が特になくても、対象物の移動とカメラワークだけで迫力を作り出せる
こう考えておや、もしや?と気づいたことがある
戦艦などがやってくるシーンだ
スターウォーズの戦艦が通り過ぎるシーン
この手法使ってないか?と
実際に映画を調べてはいないが
同じ手法で戦艦に置き換えて考えてみた
下の図


なんとまあ、スターウォーズじゃないか
臨場感がある戦艦の登場シーンとなった
ジョージルーカスが黒澤明のファンだと聞いてはいたが、ここにもオマージュが隠れていたなんて驚きだった。
さてこの「隠し砦」見てみて、映画のストーリーは正直なところ王道的なので、まあまあなのだ。
しかし名作と言われる所以は、その映像の美しさだと思った
どういうことかというと画面レイアウトの美しさ。シルエットにするとわかりやすくなる
下の図


・3人が話し合う場面
・天井裏から覗いてる場面
・そして前述の人物が並んで進む場面


どれもうまく視線誘導されている。
ヒトって線の交点や面の重なり部分につい目がいく生き物なので、本能的に無意識に視線が流れていくわけだ
そこでさらにおや、これは?と思った
シルエットで考えるのであれば、マンガに使えるのでは?と
マンガは大体がモノクロなので、シルエット的に捉えた方がバランス良い画面作りができるのではないかと。
これからマンガでも活かせそうだと思った。
脚本、ストーリー作りのため「隠し砦」を見たわけだが、思いのほか画面作りにすごく勉強になった。というお話でした
さあてモリモリ創作意欲が湧いてきたぞお
次のマンガ描こっと🌱

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