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いつも社長の側にいる"広報"ならではの悩みとコンプレックス

わたしはいま、フリーランスでPRの仕事をしている。平日はフルで、クライアントのために走り回る日々だ。

なのだけれど、実はこっそり。
平日の夜に。週末に。

「絵本屋さんを開く」という夢に向かって
少しずつ動き出している。

もちろん、絵本屋さんで食べていこうなんて
微塵も思っていない。
今の仕事は楽しいからこのままやりつつ、
でも、ちょっぴり自分が叶えたかった
夢に向かって歩みを進めている最中だ。



先日、ある人とその話をしていたときに
「どうしてそれをやりたいの?」と訊かれた。

絵本屋に関しては、コンセプトもしっかりあるし昔のわたしみたいに悩んでいる人達に届けたい。と、今日は割愛するが、明確な指針はある。

なんだけれど。気付いてしまった。

わたしが、絵本屋をやりたい本当の理由。

これは、いまの広報・PRという仕事をやっている上で感じるコンプレックス・羨ましさが関係していたのだと。



いまわたしがPRを担当しているサービスは
ありがたいことに好きで共感できるものだ。

自分の"推し"を、世の中に発信することは
正直とても楽しいし、やりがいがある。
自分の性に合っているのもあり
辞めたいなんて思ったことも一度もない。
結果も出るし、喜んでくれるクライアントを見るのはとても嬉しい。

会社の代表や社長は、
みんなそれぞれストーリーがあって
芯があって、使命に向かって
仕事をしている人がほとんどで。


いつも彼らの側にいて、取材の対応をして。
いつも彼らの考えや野望を聞いて
それを外部に発信するのが、わたしの仕事だ。

熱量の高いストーリーは、
メディア受け、世間ウケが良い。
わたしが外に向かって発信するときは
彼らの熱量を止めないように
最大限の配慮をする。

なんなら、彼らと同じレベルで話せるように
いつもいつも、彼らの考えやストーリーを
全身全霊で受け止めて、感じるようにしている。

ちゃんと、代弁ができるように。


好きなサービスを、好きな人達のことを
外の世界に発信するのは楽しい。
これは紛れもない事実だ。

このサービスが世の中に広まれば
ハッピーになる人が増えるだろうなと
心から信じている。



その一方、ふとした瞬間
こんなことが頭によぎるのだ。

自分の言葉で喋ってはいるんだけれど
"誰かの"ストーリーなんだよね、これって。


もしこの人がいなかったら、
もしこのサービスがなかったら、
PRをやるわたしも存在してないんだよなぁと。


毎日毎日、誰かのストーリーを
自分の言葉で届けてきた。
そこは紛れもなく情熱を注ぐことができる
ポイントではあるんだけれど、
どうしても、使命に向かって生きている人が
近くにいればいるほど、考えてしまう。

わたしには何があるんだろう?
私が私の言葉で、何か自分のことで
語れることはあるのだろうか?


自分自身のストーリーは、
何があるんだろうって。




自分で旗を立てて
使命に向かって生きている人は
なんだかキラキラ見えて、かっこいいなぁ。


わたしは、誰かが泥まみれになって
沢山転びながらも、やっとの想いで
完成させたものを、お預かりして
外の世界に発信していくだけなんだよね。

なんかわたし、いっつも
綺麗な部分だけ触ってるよなーって。


PRは本当に楽しいし、天職レベルで
自分に合っているんだけれど、
やればやるほど、向き合えば向き合うほど
結果が出れば出るほど、
代表や社長に近づけば近づくほど、
心の片隅で、こんな気持ちになってしまうのだ。




わたしもいつか、ちっちゃなことでいいから
マネタイズとか正直どうでもいいから
自分で何かしら旗を立ててやってみたいな。

わたしが語れることで
誰かのためになることが
もしあるんだとしたらやってみたい。

いつか、"誰か"じゃなくて
"自分"のストーリーを話してみたい。



そういう想いが、芽生えるようになってきた。


だって、何か旗を立てて
やってる人楽しそうなんだもん。
「産みの苦しみが・・」とか言ってる顔も
ニヤついてるし、辛くて大変なことも
それすらももう楽しんでる気がして。

もちろん良いことばかりじゃないだろうけれど、
やる過程できっと訪れる
人との出逢いも、楽しさも
産みの苦しみも、ハプニングも
大変なことも、泥まみれになることも
お客さんからの「ありがとう」も。

全部全部、体験してみたい。

どんな風に世界を見ているんだろう。
どんな気持ちになるんだろう。

わたしも、その景色を見てみたい。
感じてみたいって思った。


わたしが絵本屋を開く一番の理由は、これだ。


その前提がありつつ
もし自分が語れるストーリー、
誰かの役に立てるものってなったら
20代のうちに一度自分を見失って、
もがいて自分と仲直りするまでの経験が
とっても大きいから、そんな昔の自分のように
悩んでる人向けの絵本屋をやろうと思ったのだ。





誰かのために!!!!!
昔のわたしみたいな人を救いたい!!!

そういった「誰かを幸せにする」ことを一番の理由として夢に向かって動いていたらカッコいいんだけれど、なんだか蓋を開けてみたらそんなことなかった。




シンプルに、やってみたい。挑戦してみたい。
いつも近くにいる代表や社長やあの人みたいに。


一度でいいから、
"誰か"のストーリーじゃなくて
"自分"のストーリーで
世の中に価値を提供してみたい。


やった先の景色を、見てみたい。



この気持ちは止められないのだ。



すごく、自分中心の考えだなぁ〜
なんて思っちゃうんだけれど、でも

自分が幸せになった先に、
きっと誰かのことも幸せに出来ているのだろうな
と信じている自分もいる。

だからまずは、わたしのこと
幸せにしてあげなきゃね、って。


だから、やってみたかったことをやってみる。
転んでもいいし、1ヶ月で辞めてもいいから。



これが、私が絵本屋を開こうと思う理由。


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