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♯03 仕事を辞められなかった本当の理由

「仕事、辞めたい。」

新卒の頃、毎日のように思っていた。一週間のうち一番心がホッとするのは、金曜日の夜。やっと今週も終わったって、胸を撫で下ろした。日曜日、TVでサザエさんが流れる時間帯はもう既に憂鬱だ。月曜日の朝がくるのが心底嫌だった。朝なんか来なければいいのに、と真夜中のベッドの中で本気で祈っていた。

そんな新卒時代を過ごしていた私だったが、結局のところ1年半で退職をした。「1年半」と聞くと、"短い"と思うだろうか。「石の上にも3年」という言葉を信じている人が世の中に沢山いることなんて分かっている。

だが、当時身近にいてくれた家族や友達からは、「逆によく1年半続いたね」と言われる。自分でもそう思う。

本当はもっと違うことに興味があったのに、無難な大企業に就職。本当は自分に自信がなくて、肩書きにしがみついていたことも本心では薄々気付いていた。そんな自分が嫌で仕方なくて、だけど、一歩前に踏み出す勇気なんかこれっぽっちもなくて。心の声を無視して毎日を過ごしていたら、自分自身のことがよくわからなくなった。業務内容もとってもシビアで、自分には全く合わない内容。

1年半、毎日辞めたいと思っていたのに
1年半、毎日辞められなかった。

そしてここからが今日の本題。

じゃあ、なんでそんなに会社を辞めたい気持ちがあったのに、1年半もの間ずっと辞められなかったのか?ということ。これには、明確な理由があった。

もし今、毎日の仕事が嫌で仕方なかったり、本当は叶えたい夢があるのに一歩踏み出せなかったり、これじゃいけないってわかってるのにその場で踏みとどまっている。そんな昔のわたしのような"あなた"へ、このnoteが届いてくれたらとても嬉しいです💌


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「辞めちゃいけない理由なんかないのに、なんで辞められないんだろう。」自分のことながら、当時とても不思議に感じていたことをよく覚えている。

家族や周りに辞めることを反対されたかというと、それも違う。むしろ、毎日憂鬱そうに会社へ行ったり、いつも愚痴しか出てこない私をみて「辞めた方がいい」とアドバイスもしてくれていた。

会社の上司はというと「この仕事は人によって合う合わないがある」というのは周知の事実だったので、無理な人もいるよねと理解はしてくれていたと思う。それに、別に上司にどう思われようと、構わないというところまで自分の中では思えるようになっていた。

じゃあ、なんで?
上司に言いづらいから?
それはそうだが、それが「辞められない」大きな理由にはなっていない。

お金?
そんなことない。お金への執着もそんなにない。

世間からの目?
確かにそれはあるが、とはいえ何言われても仕方ないとも多少思えている。それに辞めてこの先自分らしい人生を歩んでいく方がかっこいいよねって。

じゃあ、なんで。
なんで、わたし辞められないんだろう。

この仕事を続けても私が望む未来は訪れないってわかってるじゃん。

全くもって、答えが出ない日々だった。誰か教えてよ。決定打がないとそんなに大きな決断、怖くて出来ないよ。自分の気持ちなのにわからない。心にモヤモヤがどんどん募っていく。


そんなある日、友達にいまの現状についてLINEで相談した。友達も「仕事を辞めたらどう思うの?」って沢山質問してくれた。度重なるラリーの中で、自分の気持ちを吐き出していった。そんな中、友達からこんなことを言われた。

「体育会系って、never give up精神で生きてるから、途中で諦めてごめんなさいとか、なんか負けた気になって出来ないよね。」

この言葉を聞いて、自分の中で何かがガラガラと崩れ落ちていくのが分かった。

これだ。

このnoteでも書いているように、わたしは学生時代の大半をがっつりバスケに打ち込んできた。

自分が立てた目標に向かって毎日努力するのは当たり前。最後までやり切るのが普通。諦めないことが素晴らしい。そんな前提、スタンス、姿勢が社会人になってからも存分に発揮されていたのだ。息をするかのように当たり前すぎて、自分では全く気が付かなかった。

最後までやりきれなかった自分を認めたくない。負けた気がする。途中で諦めちゃダメだ。そんなのカッコ悪い。

自分に対して本当はそう思っていたのだと、ようやく自覚することができた。頭の中の霧が晴れていくようだった。そしてすぐさま、こうも思った。

バスケは自分が心の底からやりたくてやっていたこと。never give up精神で夢に向かって歩むのが楽しかったけど、いまの仕事は違う。私が心からやりたいことじゃない。なのに、never give up精神だけ今も当てはめちゃってたんだ。自分でも気がつかないうちに。

はぁ、、、。そういうことか。途中で辞めるのって負けた気がするから、それが嫌だったんだ。そんな自分を受け入れたくなかったんだ。

1年半もの間「辞められなかった理由」がようやくわかった。


今なら、わかる。

途中で諦めちゃいけない?
投げ出しちゃいけない?
最後までやりきらなきゃいけない?

全くもって、そんなことはない。その心持ちは素晴らしいけれど、それを発揮する場所を間違えるな。本当に。発揮させなきゃいけない場所は、きっとここじゃない。本当にやりたいことへの努力はこんなに辛くないはず。今までだってそうだったじゃん。

もし、途中で諦めることを「負ける」というのなら、全然負けていいと心底思った。「辛いことから逃げた」と思われてもいい。だって、逃げたもん。

頑張る場所を、間違えたくなかった。本当に。

人生、時には逃げることだって必要だ。逃げた先に、自分らしい幸せな未来があるのなら、周りに「逃げた」「弱虫」と言われようが、どうってことない。負けていいじゃん。弱虫だって、忍耐がないって思われてもいい。この場所で最後までやり切る必要は、ない。バスケと今の仕事は、違うんだ。

それまでの人生。スポーツに勉強に、夢に。いつも何か目標に向かって最後まで努力していた自分にとって「何かを途中で諦める」「最後までやり切らない」選択を取るのは本当に怖かった。

だけど、never give up精神を発揮させる場所はちゃんと自分で選ぶんだって思えたら、今まで悩んでいたことが嘘かのように、すんなりと「辞める決断」が出来た。もう、自分を縛り付ける鎖は、なくなっていた。

この気づきから1週間以内には、上司に「辞めます」と伝えていた。もう、負けていいやって思えたから。


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このエピソードをもとに伝えたかったのは、会社を辞めたいのに辞められないのは、何かしら、自分の中でぎゅっと固く握りしめている「思い込み」のせいかもしれないよってこと。

わたしの場合は"never give up精神"だったけれど、これはもちろん人によって違う。「大企業にいなきゃ自分は価値がない」っていう勘違いかもしれないし、「辞めたら親に失望される」っていう思い込みかも。

一度、自分と向き合ってみる時間を作ってもいいかもしれない。1人が難しかったら、近くにいてくれる家族や友人など信頼できる人にまずはバーーっと話してみて。カウンセラーの人にお願いしてみてもいいかも。

必ず理由があるから。自分の中に。きっと。

それに気づいて、今後もその思い込みを「自分の人生に採用しよう!」と決めて、会社に居続ける選択も全然ありだと思う。それか、やり方(仕事へのスタンス)などを変えてみるとか。辞めるのが全てでは全くないし。

逆にわたしのように、もうその思い込みは卒業しようと決めて、会社を辞める選択をするのもありだと思う。

要は、自分が納得した選択をすること。
そうすれば、その後は大丈夫。
きっとまた前を向いて歩いていけるから。




never give up精神。
いやーーーー、手強かったなぁ。。笑

「途中でやめる」「途中で諦める」なんて、別に人生何度あってもいいんだよね。いろんなことを試していくうちに「これだけは諦めきれん!!!」という夢が見つかったら、never give up精神をまた発揮させようと思う。


その時は、絶対負けないぞ。諦めない。
途中で辞めてなんかあげないんだから。

絶対に最後までやりきってやるんだ。
わたしとの、約束。







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