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SES営業は業界のネガティブ/ポジティブ両面の理解が大切【SES営業が抑えるべきポイント①】

SESとは「システム・エンジニアリング・サービス」の略語で、クライアントに対して適したIT人財を提供するサービスを指します。しかしSES営業にやり方がわからない方や、今以上に営業成績を上げたいけれど迷走している方も多いのではないでしょうか。
結論、基礎的なITの知見と、クライアントやパートナー企業の開拓力があれば売上は上げられます。ただし業界についてのしっかりとした知識がないと、どこかで足元をすくわれてしまうでしょう。この記事では、SES営業をする際に抑えるべきポイントや、更に売上を上げるために必要なことを紹介します。

SES業界のネガティブイメージの払拭

まず第一にやらなければならないことが、SES業界についてのネガティブイメージの払しょくです。ネットで調べたり、IT業界にいる知り合いに聞いたりして、SES業界はグレーなどのネガティブイメージを持つ方は多いでしょう。
しかし、グレーと言われている理由や世の中的な需要を理解しないまま、営業活動をすると、ネガティブイメージに引っ張られて手が止まってしまいます。そうならないためにも、事前に把握することがおすすめです。

SES業界がグレーといわれる理由

指揮命令権について

SESは一般的には準委任契約のことを指します。準委任契約をする場合、指揮命令権は所属会社にあります(派遣契約の場合は、指揮命令権は参画先の企業)。しかし、クライアント案件に要員が参画した後は、指揮命令権の確認が取りにくいことがグレーと言われる1つの理由です。

商流について

SES業界では多重下請けが多く存在します。例えばエンド企業→元請企業→2次請け→3次請け→4次請け…など、商流が深くなると以下の2つのデメリットが出てきます。極力商流の浅い立ち位置で提案ができるように、顧客・パートナー会社の開拓営業が必要です。

① 指揮命令権がより見えなくなる
商流が深くなると、前記した指揮命令権がみえにくくなることはイメージできることでしょう。

② 自社からの提案額とクライアントへの提案額の乖離が大きくなる
ここでのクライアントは、エンド企業または元請企業を指します。例えば、自社から正社員を50万円で提案していて4次請けの立ち位置にいる場合、元請企業への出値は80万円になるなど大きく乖離する場合があります。理由は、間にある2次請け・3次請けの企業もマージンを得ているからです。
乖離が大きいと、たとえ契約できたとしても、参画した後に金額感とスキル感が見合わずに早期離任となる場合があります。
稼働フォローもしっかりできる営業力や社内体制があるのであれば、元請直の2次請けの立場が理想です。エンド直を狙う場合は請負契約を求められることが多いので、自社の体力に合わせて検討しましょう。

…と長々とデメリットを書いてしまい、げんなりとしている方も多いと思い恐縮です。ここからはやっとメリットを記載します。ポジティブとネガティブの両面を理解したうえで、自分なりに折り合いをつけて、営業活動の足かせにならないようにしましょう。

SESが必要とされる理由

SESが必要とされる大きな理由は、世の中的にIT人財が少ないため需要過多であることと、プロジェクトごとに見合った人材をスポットが参画できることが挙げられます。

世の中の需要について

日本では2030年では79万人のIT人材が不足する見込み、と経済産業省が公表しています。よってIT人材は需要過多で供給小。どの開発会社でもIT人材を必要としています。

的確な要員供給

発注する立場としても、開発プロジェクトごとにスポットでいれることができるIT人材は貴重です。なぜなら開発会社が正社員の雇用を増やした場合、何らかの理由で雇った正社員のスキルや人数が必要なくなってしまったときに人件費がかかってしまうことや解雇を防げるからです。
何らかの理由、というのは例えば、直近だとパンデミックによる受注量の下振れや、会社の方針で扱うIT領域が変わったなど、多岐にわたります。とくに動きの速いIT業界では、システムやスキルの需要供給の変動が活発です。
この点からみてもSESの需要はあります。

余談ですが、SESって日本特有だったりします。外国では雇用の障壁が低く、合わせて自社開発が主流だからです。

まとめ

ここまで、SES営業がまず抑えるポイントとして、SES業界のネガティブイメージの理解・払拭と、SESが必要とされる理由をお伝えしました。

今回書いてみて、ぜんっぜん抑えるポイントが書ききれないことに気づきまました。。他にも、案件(プロジェクト概要)やIT人材スキルの理解の仕方や、上流人材の契約の決め方、エンジニアがスキルアップできる現場特徴など、書きたかったのですが…
「抑えるべきポイント②~」として、今後書いていこうと思います。

ただ、今回内容をまとめると、残念ながらというかどの業界もそうですが、ネガティブな部分は0にはできません。ネガティブを最小限にとどめる努力をし、ポジティブな面を見て拡張することをお勧めします。一番やってはいけないことは、ネガティブな点に蓋をして良い部分だけを見てしまい、無理やり自己肯定して「バカ(言葉悪くすいません)」になってしまうことです。SES営業で売上を大きく上げるためには、今回記事の内容把握は必須といえるでしょう。

…ということで、つづく。

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