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精油の遮光ビンについて思うこと

精油やキャリアオイルが入っているガラスビン。どのくらいの人が再利用しているのでしょうか?
アロマを始めたころ、自分で作ったローションやブレンド精油などを保存する容器として再利用していましたが、今ではほとんどしなくなりました。精油やキャリアオイルなどのアロマ製品のビンは再利用しにくいと以前から思っています。

遮光ビンが再利用しにくい理由

再利用しにくい理由<その1> 汚れを落としにくい

精油やキャリアオイルの遮光ビンは、口が小さく洗いにくいです。特に、使い切れずに劣化した精油やオイルは洗っても落ちません。洗剤水や重曹水、セスキ炭酸ソーダ水につけ置きしても落とせません。

汚れが一度に落としきれないため、何度も洗浄する必要があり、手間がかかります。水もたくさん使うことになります。1本や2本なら、なんとかなります。でも、5〜10本になると、洗う気すら起こらなくなります。

再利用しにくい理由<その2> メーカーごとに異なるビンの口径

もうひとつは、メーカーやブランドによって、ビンの口径が違っていることです。

ガラスビンは、中身をきれいに落とし切れれば再利用できますが、栓やキャップ、ドロッパーの汚れを完全に取り去ることは、ほぼ無理です。汚れや匂いが付いてしまった栓、キャップ、ドロッパーは捨てざるを得なくなり、ビンだけが残ります。

ほかのビンの栓などで代用したくても、ビンの口径がメーカーごとに違っているためできません。ビンの口のサイズや形状が統一されていれば、栓やキャップを付け替えて再利用できるのに、と常にモヤモヤとします。

再利用できないと、不用なビンがたまっていく

「空の遮光ビンをインテリアで使いましょう」みたいな紹介がAEAJ(公益社団法人 日本アロマ環境協会)の会報誌に載っていたのを見たことがありますが、数本で済む話じゃないほどビンが余っている私のような人はどうしたらいいのか? それに、ビンをインテリアに使うセンスも正直ちょっと…です。

こうして再利用できないと、ビンはたまる一方です。年に1〜2本しか洗う必要がない人はさほど困ることもないでしょうが、「本数が多くなると洗浄は後回しになる → どんどん汚れが落ちにくくなる → 再利用しにくい」というループにはまります。結局、中身を落としきれないビンは不燃ゴミとして出すことになります。

昨年、自宅の引っ越しをしたときに、できるだけきれいに洗浄してからリサイクルゴミとして出そうとしたのですが、引っ越しの忙しさもあって断念。罪悪感を感じながら、大量のビンを不燃ゴミとして出しました。

アロマ業界に求めたいこと

常々思っているのが、空になったビンを気軽に持ち込める場所があればいいのに、ということです。

AEAJの施設「AEAJグリーンテラス」では、精油の遮光ビンを回収していますが、ここでもアルコールで洗浄した上で出すことが求められています。
また、AEAJグリーンテラスがあるは東京都。回収はここでしか行っていません。全国のユーザーが、全員そこに持って行けるわけがありません。同じ東京都内に住んでいても、わざわざそこまで持って行く気になりません。

アロマ業界には、ただ場所を作るのではなく、ユーザーにとって本当に使いやすいシステムを構築してもらいたいです。利便性の高いシステムであればこそ、真の目的としているビンのリサイクルと環境保護に寄与すると思うのです。

そもそも、本当にガラスビンでいいのか?

ワインショップの「エノテカ」のWebサイトに、ワインボトルに関する興味深い記事が載っていました。

ワインボトルといえばガラスビンが当たり前と思っていましたが、ボトルの生産と輸送によって排出される二酸化炭素量はワイン業界全体で排出される二酸化炭素量の3分の2にもなるのだそうです。これは、衝撃でした。

ブドウと同じく、精油やキャリアオイルも大切な自然の恵み。これからも自然の恵みをお裾分けしてもらうため、未来の世代に自然を残すためにも、私たちの価値観を変える必要があります。

ワイン業界では、ガラスに変わる環境負荷の少ない材質でボトルを作る取り組みもされています。よく見る紙パックのワインもそのひとつです。ガラスのほうがデザインが美しく、高級感を出しやすいということは否めませんが、これからはSDGsを無視するセンスは陳腐で、共感を得にくくになっていくでしょう。

精油・オイルとワインを同じように扱うことはできませんが、ガラスビンに充填されている精油やオイルも、これからは環境への影響を考えてパッケージする時代がくるのでしょうか。

アロマ業界には、ガラスビンの回収・再利用の利便性のみならず、環境保全につながる製品づくりに取り組んでもらいたいです。



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