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感情を空中分解させちゃって

SNS上で素直に「いま大変だ、いま苦しんでいる」と公にいうことも、時に大事みたいだ。ツライと言ってるところなど誰も見たくはないだろうから、いい部分やよくできた結果だけを見せようとしてた。しかし実際の制作過程ではドロドロとした時間や、床をのたうち回るような気分の時もあるわけで。昨日はそんなもがき苦しむ真っ只中に「カラっと」「サラっと」重たい感情を言葉に乗せて外に投げてみた。「わたしいまいろいろな案件同時に抱えてて0から生み出す作業が心底ツライっす」と。実際にそういう表現をしたわけではないのだけど、そんな気持ちを乗せてつぶやいた。不思議なもので、ぽいっと放ったらそのエネルギーが空中分解されて、自分の背負ってたものが軽くなって「さ、やりますか!」となれた。図らずも今まででいちばん「いいね」とか「リツート」された投稿になった。なぜなんだろう。おもしろい。

グラフィックをつくったり、完成にむけて打ち合わせしたり、話し合ったりしてミッションをゴールまで無事に運ぶというのがわたしの仕事。最後完成した喜びと終わった喜びで、道中のことなどすっかり忘れて頭は「次」のことでいっぱいになってる。しかしそれまでの道中たるや。本当はいろいろあるわけです。濃密な過程が。だいぶ経験もついてきたから危ない橋は回避したり、先読みも効くけれど、それでも登り始めた山はそう簡単に頂上までは運ばせてくれない。予想しないあれこれが訪れ、スイスイ進むときもあればしんどくて苦しいポイントもあったりする。それが結果いいものを生んだり、わたしを育んでくれているのだけど。

先日一度つくったカバーデザイン。道をまちがえてすごい変なものを作っていた。長年ご一緒してる編集者さんはわたしのそんな悪い面もいい面も知っていてそれでいてわたしに依頼をしてくれてる。(そういう意味では恥ずかしい部分をたくさん見せてるな…)それでもわたしにお願いしますと言ってくれる人たちにものすごい感謝の気持ちがあるし、喜んでもらいたいから頑張れる。

そんなことがあり、昨日は一度こけてすべてリセットで凹んで自信もなくしたのに、自虐で「いまカバー制作中」ってツイートしちゃった。自らハードルをあげてしまった。今までのわたしならありえない。でもなんだか心が軽いのは、そんな自分をまるっと受け入れたことで、その思いが空に飛んでいったからだ。何事もそんなもんなのかもしれない。

どんなやりかたでもいいので、なにかもやっと重たい感情がわいたら、みなさんも空に投げてみてほしい。そして足取り軽やかに前に向かって進んでいきましょう。

おわり

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