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コロナ禍を契機とした障害のある人との新しい仕事づくり

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新型コロナウィルスの影響により、障害福祉事業所など障害のある人のはたらく場も大きな影響をうけています。休業や営業自粛、イベントの中止、店舗への客足減少、得意先の減収など課題は多く… もっと読む
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アンケート調査の報告:コロナ禍を契機とした障害のある人との新しい仕事づくり

アンケートの背景と目的新型コロナウィルスの影響により、障害福祉事業所など障害のある人のはたらく場も大きな影響をうけています。販売先の休業や営業自粛、イベントの中止、店舗への客足減少、得意先の減収など課題は多くあります。「今後が不安」「次の展開を考えている」という声に対して、新しい活動や事業のヒントが求められています。 そこで、このような状況を打破するために、障害のある人とともに工夫やアイデアを考え仕事をつくりだしている個人や団体を社会に発信するため、この度アンケートを実施し

【書籍紹介】コロナ禍を契機とした障害のある人との新しい仕事づくり

新型コロナウィルス感染症(以下、コロナ)はさまざまな人たちの家庭、地域、産業などに、今もなお大きな変化をもたらしています。 障害のある人の就労を支援する障害福祉事業所にも影響はひろがり、生産活動は大幅な減収をたどっています。これにともない障害のある人たちの工賃(1カ月の賃金)も減っていたり、仕事がなくなり出勤することをストップしなければならなかったり、コロナの不安から外出が困難になったり、働きたくても働けない障害のある人も増えています。 一方で、外出や人に会うことも制限さ

お花を贈り合う文化はなくならない/ スマート農業と障害者就労をリンクさせた胡蝶蘭づくり:N P O法人Alon Alon

NPO法人Alon Alon(アロンアロン)では障害のある人たちが胡蝶蘭を育てる仕事をして、そのお花を企業に販売することで、“社会ではたらく”支援をおこなっています。(最新の就労率は驚きの100%!) ところがコロナ禍になり、一時的に取引先だった企業からの購入がピタリと止まりました。 そこで、企業ではなく一般の個人のみなさんにシフトして、共感でつながってもらう新たな取り組みに挑戦。今までライバル関係にあったお花屋さんともタッグを組んでお花を届ける事業も始めました。結果、収

一人ひとりと向きあう手探りの表現と仕事づくり | 社会福祉法人みぬま福祉会 工房集

新型コロナウィルス感染症(以下、コロナ)の影響がある中でも立ち止まらず、障害のある人とともに仕事を生みだしている取り組みがあります。そのような取り組みが今後の活動のヒントになると考え、「コロナ禍における障害のある人の仕事づくり」と題して情報交換会をオンラインで開催しました。本noteではオンラインで話された内容に加筆してお届けします。 今回ご紹介するのは埼玉県で活動する「社会福祉法人みぬま福祉会・工房集」。どんなに障害が重くても社会との関わりや働くことをつくりだしているみぬ

日頃のネットワークが生みだす仕事と活躍の場 | 社会福祉法人進和学園

新型コロナウィルス感染症(以下、コロナ)の影響がある中でも立ち止まらず、障害のある人とともに仕事を生みだしている取り組みがあります。そのような取り組みが今後の活動のヒントになると考え、「コロナ禍における障害のある人の仕事づくり」と題して情報交換会をオンラインで開催しました。本noteではオンラインで話された内容に加筆してお届けします。 今回ご紹介するのは神奈川県平塚市を中心に障害者の支援施設と子育て支援施設を運営する「進和学園(しんわがくえん)」。マスクの製作販売やラジオ放

SDGs(生命の尊厳)のためにできる共創 | マニュモビールズ

新型コロナウィルス感染症(以下、コロナ)の影響がある中でも立ち止まらず、障害のある人とともに仕事を生みだしている取り組みがあります。そのような取り組みが今後の活動のヒントになると考え、「コロナ禍における障害のある人の仕事づくり」と題して情報交換会をオンラインで開催しました。本noteではオンラインで話された内容に加筆してお届けします。 [話者] マニュモビールズ [Manu Mobiles] 今井 淳二郎さん/愛知県 ― モビールって何でしょうか? [マニュモビールズ

コロナ禍だからこその飲食業へのチャレンジ/ キッチンカー事業による新しい需要の開拓:株式会社 if me

2014年に愛知県でGood Job!展を開催したときに、フェルト素材をいかしたアクセサリーなどを展開する「ぽんめのこ」のデザイナーの秋田順子さんと一緒に来場していただいたのが、井藤瑞栄さんです。 井藤さんは障害のある人の施設で働いていて、ぽんめのこの素材となる刺繍パーツをつくっていました。私の印象は、名古屋のかっこいいお姉さんが2人!福祉もデザインも横断して、柔軟に仕事を作り出していました。 その後、井藤さんは新しくご自身で会社を立ち上げます。そして、2020年の春に緊

Inclusion & Innovation | 新しい仕事を生みだす環境と習慣 | 株式会社With You(新潟県)

こんにちは、一般財団法人たんぽぽの家の小林です。 新型コロナウィルス感染症(以下、コロナ)は家庭・地域・産業など様々な人たちに影響をおよぼしています。「仕事」に焦点をあてると、コロナに関連して倒産した法人および個人事業主は、2021年3月30日16時の時点で全国1223件にのぼり、多くの人の収入や働き方にも影響をおよぼしています。 外出も制限され、人に会うことも制限され、活動も制限され、非常に動きづらい状況の中で、それでも思考停止せずに立ち止まらず、障害のある人とともに変

オープンに伝えるオンラインメディアの活用 | NPO法人スウィング

新型コロナウィルス感染症(以下、コロナ)の影響がある中でも立ち止まらず、障害のある人とともに仕事を生みだしている取り組みがあります。そのような取り組みが今後の活動のヒントになると考え、「コロナ禍における障害のある人の仕事づくり」と題して情報交換会をオンラインで開催しました。本noteはオンラインで話された内容に加筆してお届けします。 京都のNPO法人「スウィング」は、コロナ禍においてもイベントの配信、感染対策を十分に行いながら展覧会の開催、外部のクリエイターやアーティストと

学校でも会社でも教わらなかった物ごとの考えかた:奈良のあたつく組合

「家賃が高くて狭いとこで満員電車に揺られて暮らすなんて。若い時はいいけど、35歳くらいになったらめんどうくさくなりますよね 笑」 「福祉事務所がパンを作って売っても利益でないのは当たりまえだよね。効率が悪くて、機械化も遅れていて。おいしいかおいしくないか、っていったら民間企業のパンの方がはるかにおいしいですからね 笑」 と、ニコニコと穏やかにユーモラスに話すのは奈良にある 、あたつく組合(あたらしい・はたらくを・つくる福祉型事業協同組合)代表理事の山内民興さん。自分が住ん

「遠くにいるから一緒にできなかったこと」ができるようになって。ーミナトマチファクトリーの新たな試み

自宅でのリモート勤務が広がるなど、働くスタイルやコミュニケーションのありかたがここ1年で急激に変わってきている中、どんなことを考えていますか? 前回に引き続き、障害のある人たちの就労支援をしているMINATOMACHI FACTORY(ミナトマチファクトリー)の石丸さんにお話をお伺いしました。 自分のペースで、在宅で仕事をする方が得意な人が多い 「僕たちの事業所は精神障害の方が多いんですけれど。こうした方は在宅の時間で働いたりする今の時期に求められている働き方が向いている

アートが修復する人と人の関係:NPO法人チア・アート(前編)

マスクで顔をおおっていると表情って読みとりづらい。でも、相手を見つめるまなざしが優しかったりすることは、マスクをしていてもちゃんと伝わってる。  “患者さんや家族は自身が直面する一場面しか医療の現場を見ることができませんが、職員の多様な側面や表情を見ることで少しでも安心感につながれば”  2020年11月、コミュニケーションが制限される今だからこそ、病院職員の豊かな人間性を見てほしいと、緊張感が高まる病院内で企画されたスペシャルな写真展覧会がありました。 企画をしたのは、

アートが修復する人と人の関係:NPO法人チア・アートへのQ&A(後編)

あえてこの時期にウィルス感染対策などで緊張感が高まる病院内を会場に、写真を通して人と人をつなぎなおすプロジェクト「病院のまなざし」展を行ったNPO法人チア・アート。先月行われた意見交換会では代表の岩田さんがさまざまな質問に答えてくれました。 Q.コロナの感染拡大になって最も過酷な現場の1つが病院。特に急性期の病院かと。コロナ禍でいつも以上に病院の職員は忙しいと思うんですよね。ふだん以上に忙しく緊迫した状況の中で、「アートプロジェクトをしたいんだけど……」とアイデアを話したり

最後にこの人生でよかったと思える人生にするために、毎日、自分を好きでいられる小さな選択をし続ける。:ダカラコソクリエイト

生きづらさと闘っているひとたちに。谷島さんに話を聞いたオンラインイベントの45分間。聞いている時も、お話が終わったあとも、心のドアをノックされ続けたような余韻がずっと残っていて。それは谷島さんが「生きる」ということに最大限まで日々真剣にむかい合って、実践しているからだと思う。 「本業は大阪ガスと書いてあるように普通のサラリーマンです。ただ、2012 年の夏、僕は今43歳なんですが、8年前の34歳の時、ちょうど子供が生まれる1週間前に食道にGISTという希少がんが発覚しました