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『福祉』と『NFT』はかけ算できる?


はじめに

はじめまして。デザインオフィス『CHACO』を営んでいる白水と申します。この度、『Good Job! Digital Factory』プロジェクトの一環でNFTを発行する運びになり、PFP制作と全体のアートディレクションという大役を任されることになりました。運営メンバーのアイコンがお披露目になった機会を活かして、このプロジェクトをデザイナー目線でお伝えできればと思います。

『福祉』とのファーストコンタクト

夏の暑い盛りにプロジェクトへお誘いいただき、早速、奈良県香芝市の『Good Job! Center KASHIBA』に行ってみました。『福祉』と聞くと、真面目で、真剣で、おふざけNGで、常に真摯な姿勢を崩してはいけないのではないか、といった緊張感を勝手に感じていて、振り返ると、それが、ぼくと『福祉』との距離の遠さを表していたと思いますが、実際の現場は、明るくて、朗らかで、オープンで、ゴチゴチに緊張していたぼくとは対照的に、施設のみなさんはとても自然体でした。あっという間にリラックスできました。

施設に併設されているカフェ。
開放的かつ隠れ場所もある岩礁のようなオフィス。

施設を利用している障害のある人たちは、はりこをつくったり、絵を描いたり、刺繍をしたり、脚本を書いたりと、それぞれがクリエイティブに集中していました。スタッフの方々はそんな環境づくりに注力されています。いろんな案件に振り回されて、気もそぞろで作業をしているぼくよりもよっぽどいい環境だなと羨ましく思えるくらいです。今回のプロジェクトの主役はアーティストのみなさんです。

カフェでごちそうしていただいた特製ホットドッグ。
かわええはりこ。2個買った。

『NFT』への再挑戦

今回、プロジェクトのキーマンであるtartの高瀬さんから、お声がけいただいた際に、「白水さんは、NFTとの距離がありそうだから逆にいいかなと思った」みたいなことを言われました。たしかに、ぼくの至近距離でNFTの事例がいくつか動いていて、何度かレクチャーも受けたこともあったので、NFTについて全くの無知ということではなかったのですが、そんな環境にあっても、ぼくはNFTホルダーにはなれずにいました。メタマスクをインストールして満足したし、そこで頓挫しました。さらには、どこか懐疑的な目でNFTを見ています。NFTに距離のあるぼくのような人が、NFTの魅力を体感して、それを伝えられるようになれば、このプロジェクトはうまくいっている状況だと思うので、まずは、自分に正直にNFTと付き合ってみようと思います。

『福祉』×『NFT』

すでに魅力的な活動をしている福祉施設が、わざわざNFTを発行する意味ってある?NFT界隈の熱狂もすっかり落ち着いてしまってる中でぼくらのメッセージは届くの?NFT取得には、ある程度のデジタルリテラシーが必要だけどみんな理解できる?という疑問について、日々チーム内で議論をしていて、それぞれに納得できそうな答えが出てきています。ここの議論については、別の機会にしっかりとまとめたいと思いますが、場所をこえて、分かちあいや支えあいの文化をつくれることへの期待感はチームのみんなが共有する確かなものです。また、福祉のなかでデジタル技術をつかうのではなく、デジタルのなかで福祉を実現してみたいという運営メンバーの思いは、とても個性的なアプローチだと思っています。

SNS用のアイコンができたよ

現在、プロジェクトは日々議論を交わしながら、地道に着実に前に進んでいますが、そのプロセスもオープンにしようと思っています。公式アカウント、運営メンバーがSNSで発信するにあたって、まずはアイコンをつくりました。

公式アカウントのアイコン。

「Good Job!」と、親指を立てているこの子が公式のキャラクターです。いろんなNFT(PFP)が並んでいるOpenSeaを眺めると、すごく手の込んだ、かっこいい、かわいい、面白いビジュアルがたくさんあって、「さて、どうしたもんか」と、落ち込みそうにもなりましたが、ぼくにできることは限られているし、背伸びして自分ができないことをやろうとしてもうまくいかないと思ったので、自分が視察のときに出会った人たちの気配を何よりも大事にして描きました。意識したのは以下のようなことです。

  • 現場がとにかく明るくて開放的

  • スタッフの方々がとても健やかで朗らか

  • 形式張ってない、敷居がいい意味で低い

  • なんか、ひょうひょうとしてる

  • チャレンジに対して「Good Job!」と評価する文化がある

リーダーだから赤にしてみたけど、青が好きだったモリシーさん
冷静な目で状況をみているコバさん
ニコニコしながら本質的な問いを立てがちなキミンアゴさん
真摯にプロジェクトを推進するあべさん
全体を見ながらポロといいことをいってくれるとむさん
座長的ポジションで進行管理を頑張るミズさん

全貌はもうすぐ

今回のNFT(のPFP)は、このアイコンが基本スタイルではありますが、まったく完成ではありません。まだ、これらのアイコンには魂がはいっていない、いわば骨格のような物です。ここに魂を込められるのはアーティストのみなさんしかいません。主役はあくまで日々制作に没頭するアーティストのみなさんです。このアイコンとアーティストのみなさんの魂の融合とはどういうことなのか。現在、必死に制作を進めていますので、続報を楽しみにしていただけるとうれしいです。

最後に

今回の取り組みは、『福祉』×『NFT』という妙な組み合わせです。幸いにも、運営メンバーのみなさんは、懐疑的な時にはいったん立ち止まって、議論ができる方々です。NFTを発行するだけで満足することもないし、その先の設計も現在進行中です。今後、大事なプロジェクトの中身についてもしっかりと発信をして、仲間を募りたいと思います。

以上、CHACOの白水が現場からお届けしました!
また、隙を見て記事を書きたいと思います!

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