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PR視点の下準備~スタートアップ経営者たちがMustで行うべき最初のパブリックリレーションズとは?~

prologue.スタートアップ/ベンチャーのPRが成功するか否かは、”前提条件”の整理から

実はここ最近、オンラインでPR戦略の考え方の勉強会を試験的に行っています。その中で、すべてのPRパーソンにMUSTでお伝えしていることは、
「前提条件を必ず理解すること」
です。

そもそも、PRは、あくまでも"手段"であって"目的"ではありません
「なんのために行うのか?」
それらを理解してこそ、やっとKGIに結びつく戦略設計ができると僕は考えています。

でもその前に、「目的の羅針盤を作れるのは誰か?」という問いに対して、
それはPRパーソンではないということを断言しておきます。それはあくまでも、経営者であり、経営層だと僕は考えているからです。会社が、どんな方向性に進んでいくのか。そして、どんな戦略を展開していくのか。その最終決定を行い、舵取りを行っていくのが、経営者たちの仕事だと思います。

このnoteでは、PRパーソンたちがより力を発揮するために、スタートアップ/ベンチャーの経営者や経営層が行うべきPRの仕事に関して、手法ではなく、まずは準備としてすべきことを書くことにしました。
※企業規模が大きくなるとまた役割も変わってくるので、あえてスタートアップ/ベンチャーに絞っています

多くの会社でPRは経営戦略に資すると言われながらも「PRは無料の広告」だったり、「PRはバズ」「PRはパブリシティ獲得」という認識はまだまだ根強いのが現状です。そして、そのためにPRヘのリソースを割かれないことで、八方塞がりになっているPRパーソンもいるのではないでしょうか。

このnoteが、経営者たちとPRパーソンのgoodstoryにつながると嬉しいです。

episode01.経営層が行うべきPR戦略設計の0Stepは、戦略の解像度を高めること

まず、PR戦略を設計するにあたり、お伝えしておきたい大切なことがあります。よくある悩みで、「PRのKPIがわからない」という質問があるのですが、それは正直「KGI次第」です。それは、「何のためにPRをするのか」。そして、「PRのゴールをどう定義するべきか」の2点が曖昧であることから、生じていることが多い印象です。

これらの課題の解決策は、シンプルに「戦略の解像度を高めること」以外他なりません。解像度を高めるべきは主に下記の4つの戦略です。

○経営戦略
○事業戦略
○マーケティング戦略
○組織戦略(採用、人事戦略含む)

そもそもですが、PRは、あくまでも「目的達成の手段」でしかありません。
「どんな目的を達成するのか?」を、しっかりと社内に理解してもらうことが必要となります。
なぜなら、PR戦略は、すべてそれらを達成するための手段であり、マーケティング戦略を補完するべきコミュニケーションの手法だからです。

だからこそ、経営層がすべきPR戦略設計の0Step目。それは、上記の伝えるべき戦略の解像度を高めること。そして、解像度を高めるというのは、誰が聞いてもどこを目指すのか?が明確に理解できて、頭の中で描いていることにほぼズレがない状態を作り出すことです。

往々にして、経営戦略や事業戦略は、全社的に概要を伝えることはあっても、具体的な内容まで社内ブリーフィングしないケースが多いのではないでしょうか?ただ、ここで、1アクション、PRパーソンにブリーフィングしておくことで、そのあとのアクションの精度が変わってくるのです。

そして、PRパーソンたちの活動の評価は、彼らの活動単体で行うのではなく、それぞれの戦略に紐づく部署間の数値や成果にどれだけ資したか?を基準に考えてみましょう。そうすると、ただのパブリシティ活動だったり、ただのSNS運用だったり、そのような曖昧な指標の活動がグッと減ってくるはずです。そして、PRパーソンたちもより具体的な目標に向けて、主体的な動きを取れるようになるはずです。

「誰に向けて、何のためのサービスとして、どのような存在して利用されていくか?」
この視点で、「どんなマーケットにおいて、パブリックリレーションを行うのか?」が見えるくらい解像度を高めてましょう。
理想の状態は、聞いた相手が簡潔な文章で書けるか?もしくは絵で描けるか?というくらいまで、しっかりと自分たちが描いた戦略が具体的になっているのか?をもう一度チェックしましょう。
どんなイケてる戦略でも、一人でも同じ風景が頭に浮かんでしまっては意味がありません。曖昧な表現はないか?市場開拓のターゲットは明確に設定されているか?をもう一度チェックしてみてください。


episode02.”言葉が綺麗なだけ”のミッションとビジョンの弊害

PRは、ファクト(本当に起きた出来事 or これから起こす出来事)をベースにしたストーリーをパブリックに伝え、参画してもらうための説得手法です。そのストーリーを設計する上で、「なぜやるのか?」「どんなハッピーエンドが待っているのか?」は、必要不可欠な構成要素です。その骨子の基盤となるのが、「ミッション」と「ビジョン」
これらが曖昧になっている企業は実は多かったりします。
ここでいう曖昧とは、言葉はカッコ良いけど、結局想像ができない、何を指しているのか曖昧で理解できないミッションとビジョンの言葉をさします。
なぜなら、それらが曖昧であればあるほど、ストーリー設計の一貫性と粒度が薄まっていくからです。さらに言えば、プロダクトや組織のあり方まで、ブレてしまう危険性もあります。

見直すために必要なことは、「誰のための何のための会社/サービスか?」を明確にすることです。つまり、ある程度の最大公約数まで絞ること。

ただ、このようにお伝えしていると、よく聞かれるのが「事業ピポットの可能性もありますし、そもそも事業自体をなくすかもしれないのに狭める必要があるのか?」という質問です。
ミッションは、「動機」なので、表現は多少変わることはあっても、内容自体は変わることはないはずです。ビジョンは、事業の方向性や対象に合わせて、変える必要があります。

ただし、事業を進めていく初期段階上で、「自分たちが何者であるか?」を決めきらずに、PRを展開していくことは、費用対効果が低く、のちに挽回しようとしても、タイムロスがある分、さらにコストがかかるということを覚えておいて欲しいです。

だからこそ、誰が聞いても、しっかりと想像できるような「ミッション」「ビジョン」を設定しましょう。なんとなくカッコいい言葉を並べて曖昧な表現ほど、社内を苦しめ、さらに社外に伝わっていないのかも?という視点を持って、再点検してみても良いかもしれません。


episode03.社内への”パブリックリレーションズ”こそ、経営者が最初にするべきPR

結論を先にお伝えすると、経営者たちが最初にすべきパブリックリレーションズは、「社内の人たちに理解され、120%参画してもらうためのコミュニケーション」です。

成功しているPR事例を研究していて共通点が1つだけあります。それは、「ミッション、ビジョン」そして「経営戦略、事業戦略、マーケティング戦略」が明確であることです。目的がブレないからこそ、PRの精度が上がっているのです。

そもそもの話をしてしまい申し訳ないのですが、PRは、マーケティングの延長線上で誕生している手法です。大体の人たちは、マーケティングとPRを切り離して考えてしまいがちです。ただ、それでは、大きな成果を求めること、そしてPRがKGIにヒットすることは、到底難しいことだと思います。

だからこそ、各種戦略をしっかりと社内にインプットしてください。
ここで大切なのは、一方通行にならないということです。
「誰に向けて、何のためのサービスとして、どのような存在して利用されていくか?」
この視点で、伝える解像度を高めて、社内メンバーに共有していきましょう。そして、しっかりと参画させてください。
理想の状態は、聞いた相手が簡潔な文章で書けるか?もしくは絵で描けるか?というくらいまで、理解されているのと完璧です!

epilogue.とはいえ、言語化するの難しいですよね...

ここまで、長々と書いてきたのですが、しっかりとPRパーソンに戦略を理解してもらい、最適なPR戦略を考えてもらいましょうということです。特に大事なのは、事業戦略とマーケティング戦略の質だったりします。行き先が不明な旅に対して、最適な移動手段はプランニングできません。

とはいえ、言語化するのは、言葉選びのセンスや伝え方が問われるので、少しずつでも、トライしてみてください。ここにこだわることで、自分自身の表現するセンスが高まるため、PRパーソンとの会話がグッと楽になってくるはずです。

また、ちょっと宣伝になってしまうのですが、コロナに入ってから、オンラインで5名限定の勉強会をコッソリ開いています。スタートアップ経営者の方には直近の第三回に4名ほど、ご参加いただいたのですが、概ね好評でした。ご希望があれば、夜20時くらいから、またコッソリ開催しようと思いますので、お気軽にご連絡くださいませ。

第三回のアンケート結果
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