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ちいさな嘘

静まり返った 水辺
見上げた夜空には 羽ばたく幽玄の星々
手繰り寄せた 小舟に写るは 琥珀の月影
降り注ぐ風に揺れ 葉は揺籃のよう

ねぇ 震えているの?
不可思議な夢の中で 積もるもの
あなたは一体どれだけの気持ちを
抱えたままで居るの?

吹き過ぎる風 煽られし花びらに
あの夜空は きっと

静まり返った水辺に 独り
見上げた夜空には そう
絶え間なく 星間の息吹きは 廻り きっと
まるで包まれているような心地に
堕ちて行くから

ねぇ 震えているの?
あなたは一体 どれだけの言葉を
かけてくれたの?
そう 悩ましげな瞳の奥
分かり易い その小さな嘘が 可愛くて

ねぇ どうして?
このままのあなたでいて欲しいから
もっと近くで その声を聴かせて?

静まり返った水辺に 独り
煌めく星々の鼓動を聴いている

ねぇ 震えているの?
瞬く間に 消えて行く
あの星のように そう
ただ生きることに耐えられなくて
あなたに寄り添うの

あの雨の降る夜に 添えた手が
なんだか切なくて
温かい感触の その優しさに上手く
甘えられなくて 淋しかったから

まるで夢みたいに 流れる時間が
穏やかな眠りを誘うのは そう
あなたの胸の中で いつまでも
たくさんの想いに包まれて居るから

ねぇ どうして?
それでも 叶わぬ運命に 導かれて
ずっと眠っているから ねぇ
あの星空が 輝いている限り 永遠に

#詩 #現代詩 #みやすけの詩 #汽水空間

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