●決算短信と決算説明資料の違いはなにか？
「有価証券報告書」や「決算短信」は所定の書式や記述内容が定められています。
その為「決算短信」は最も重要と言っても過言ではありません。

「決算説明資料」には所定の書式などは定められておらず、各企業毎にその記述内容は異なります。

決算短信でまず見るべきは「サマリー情報」です。
当期の売上、利益といった経営成績や純資産、自己資本比率などの財政状態、さらには配当金などが前期と比べてどのくらい変動したかが一目で分かります。

特に重要なのは、売上高や利益が前期と比較してどの程度増加したのか、あるいは減少したのかを見ることで、企業の成長性や健全性を確認できます。
配当金が株価形成に大きな影響を与えている企業の場合は、配当金の推移も重要なチェック項目となります。

そしてこれらよりも更に重要なのが「来期の業績予想」です！
多くの、個人投資家が重要視している数値です。

しかし、「業績予想を開示していないケース」もあります。

●決算短信と四半期短信では数値の見方が異なります。
決算短信には1年（1事業年度）毎に発表される通期の「決算短信」（以下単に「決算短信」）と、
3カ月（四半期）毎に発表される「四半期決算短信」があります。

決算短信で発表されている当期の業績は、「過去の数値」になります。
当期にどれだけの業績だったかもとても大事なことなのですが、株価は将来を見据えて動きますので、「来期の業績予想」をしっかり確認しましょう。

「四半期決算短信」では、四半期ごとの売上高や利益が、すでに発表されている当期の通期での業績予想に対してどのくらいの進捗（しんちょく）率になっているかに注目します。

例えば第2四半期決算短信であれば、
1年間の事業年度のうち6カ月が経過しています。
この6カ月の売上高や利益が、通期の業績予想値の50％を超えていれば、1年間トータルでみた業績は、予想を超えてくる可能性が高いと期待できます。
逆に、通期の業績予想に比べて50％を下回っていれば、1年間トータルでみた業績も、予想を下回るのではないかと懸念されます。

また、「来期の業績を予想するのが困難である」として、業績予想を開示していないケースもありますので、
その場合は、アナリストレポート等でアナリストの予想を調べたり、会社四季報の予想値を参考にすると良いでしょう。

ここからは、決算短信よりも解りやすい決算資料説明について説明していきます。

●「決算説明資料」は企業毎に独自の判断で自由に作成できるため、報告内容の情報量を多くしたりと、細かく丁寧な説明を行う事が出来る為、
新たな技術開発や新製品の開発に着手、新規事業での売上が好調で業績の大幅増が期待できる等といった「企業の業績の良さ」を詳しくアピールすることができます。
反対に、業績の低迷や不祥事の発生といった企業のマイナス面の情報提供も丁寧に行う必要もあります。
それらの事から、企業の株主への配慮なども読み取れる事があります。

上↑の三井松島と下↓の村田製作所の、資料トップページを見比べてみて下さい！

簡単に言うと、決算資料とは「決算書」を含む決算内容や企業の状況を解りやすく説明する資料です。
企業毎にその書式は異なり、比べるのもとても面白いです。

また決算説明資料は決算説明会等において企業側がその際の報告内容を纏めたプレゼンテーション資料として作成されるケースが多いです。
記述される情報の内容や分量などは決められていない為、企業毎に異なります。

・当該事業年度の業績結果や各事業の状況
・現在の戦略と計画・今後の戦略と計画
・一定期間の過去の業績と比較した説明
・事業計画の概要や重要ポイントの情報

他には、
「事業別セグメント」などの事業がどれだけの利益を上げているかがグラフなどで見易く書かれているので、その企業がどんな事業でどのくらい稼いでいるのかを、一目で確認する事が出来ます。

あなたがこれから投資をしようとしている企業の、稼ぎ頭が何なのか、またその推移はどうなのか？は企業を知るうえで重要なポイントですので、必ず確認し理解したうえで投資をしましょう。

「地域別セグメント」では、地域別の売上や利益が記載されている為、どの地域でどのくらいの売上や利益があったかを知ることができます。

地政学リスクの高い地域で事業展開をしている企業については、中国と台湾、ロシアとウクライナ等、特にその関係が懸念されている昨今では、
地政学動向にも目を向け、企業の地域における展開を把握する事も重要になってきます。

「事業別セグメント」を解りやすく説明してみますね。

身近な飲食店で考えてみましょう。
あなたが利用（投資）するお店は「定食屋」とします。
いちばんの稼ぎ頭はなんなのか？
一般的には「定食類」になるかと思います。
「定食屋」という先入観から、多くの人がそう答えるでしょう。
しかし、もしかしたらその定食屋さんの、
多くの売り上げを占めているのは、実は「ラーメン」だったり！

規模は大きく違えど、企業もそれと同じで、
どんなもので稼いでいるのか、またそれは伸びているのか？
しっかりと精査しなければわかりませんよね。
したがって、「事業別セグメント」を確認する事で、
企業の稼ぐ力とその推移を知る事が出来るのです。

半導体関連企業だからといって、半導体に関する物だけを売っている訳ではありません。
多種多様な製品を取り扱っている企業もあります。
例えば「野村マイクロサイエンス（クリックでサイトに飛びます）ってどんな会社？」
「属するセクターは？主力製品は？」と質問して、完璧に答えられた人は今まで一人もいませんでした。

電子精密分野では、半導体向けの「純水・純水装置」の他、「排水処理装置」なども手掛けています。
その他、「製薬用水製造装置」も製造しています。
事業フィールドとしては、医薬品産業、食品産業
環境エネルギー、他と他分野に属します。
（下記参照）

どうでしたか？このように、「へーっ、なるほど！知らなかった！」と思う事が、「決算説明資料」には解りやすく記載されていますよね。

企業のことをより深く知ることが、将来の利益へと繋がると言っても過言ではありません！
企業の最新の業績や財政状態、そして今後の見通しを知るために、決算短信や決算説明資料を上手に活用しましょう！

更に詳しく読み込みたい場合は②「上級編」で！

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