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自分らしさの冒険譚

こんにちは、ごろんです。

先日、朝日新聞のウェブ媒体『かがみよかがみ』が企画するトークイベントをZoomで観覧してきました。

企画内容としては、お笑い芸人バービーさん&人類学者・磯野真穂さんをゲストに、人生に悩める若年層からのリアルな疑問に答えてもらう、というもの。その中の一節に、自己肯定感について語られる場面がありました。
ボディポジティブ(体型にかかわらず、ありのままの見た目を愛そう)という概念について、また自己肯定感を上げるという表現がよく使われるけど、果たしてそれが正義なのか?という疑問に対し、バービーさんが答えた内容がとても印象的だったのです。

—ゆらぎがあるのが人間の幅で、そこがその人の魅力になるんだよ。

確かに自分を褒める、自分を労う大事にするっていうのは、自分を守る上でとても大切な考え方なのだけど。ゆらぎがあるのが自然だし、人間らしいし、愛おしい。

そういえばと、思い当たる出来事がありました。私の職場には、憧れのカッコいい女性の先輩がいます。とにかく仕事にミスがなくて、スピードも早い。子育てもするパーフェクトウーマンなのですが、この間こんなことを言っていました。「私、地図が読めない女なんだよねぇ…」と。さも悩ましげに呟くその姿に、胸を鷲掴みにされました。もうキュンキュンです。いや、ギュンギュンです!ギャップというのでしょうか、こんなに非の打ち所がない人でも苦手なものがあるのかと、妙に感心したのを覚えています。地図が読めない、という先輩には悩ましい事実が、私から見たら逆に彼女の魅力再発見だったわけです。たしかに、振り幅があるほうが、人間っておもしろい。

それともうひとつ、ゲストの磯野さんが、どんな人と一緒にいたいか=自分らしさだと仰っていました。そもそも自分らしさというのは、自己の内面からある日突然出現するものではなく、自分があって、相手がある中に、心地よい自分が生まれるのだと。
いままでは「自己肯定感を上げる=ダメな自分も褒めまくれる特別な手技を身につけること」だと思っていたのですが、総合して、認識が誤っていたことに気付かされました。得意なことや苦手なことがあるアンバランスさや、ゆらぎを持つ自分を「まあ、いいか」と、自分を愛おしく思えるような、そんな心地よい自分と一緒にいてくれる相手を見つけていくのが、今後の冒険なのかもしれません。

自己肯定感って、自分のことを完璧可愛くしてくれる魔法の言葉ではなかったんですね。自分に暗示をかけるのは辞めにして、明日からの冒険に備えて今日はゆっくり、眠ることにします。

それでは、おやすみなさい。よい夢を。


息を吸って、吐きます。