蓮のはな?睡蓮の花?
小さいとき、親に無理矢理つれられて、蓮の花を見に行ったことがある。
大輪の蓮が池いっぱいに咲き乱れ、親は喜んでいたけれど、子どもの私にはいまいちだった。まず、花が大きすぎて不気味だった。しかも当時の体感だと、自分の背丈ほどある植物だったから、気持ち悪ささえ感じた。
そんな、どちらかというと悪い思い出の中で、唯一「おもしろいな」と思った出来事が、お花の見分け方である。
「睡蓮という花があるのだけど、これを蓮と勘違いする人も多い。見分け方を覚えれば間違えないよ。」そんな風に言うおじさんがいた。
小さい私から見たら、蓮も睡蓮も「かえるの葉っぱ」くらいにしか思えなかったけど、その見分け方がなぜだか画期的に思えたのを、覚えている。
・・・
あれから何年経ったのだろうか。私は最近、再び「かえるの葉っぱ」に出会った。しかも大学構内で。
北海道大学には、大野池という池がある。かもが子どもを連れてよく泳いでいるような、和やかな雰囲気の池なのだが、そこに花が咲いていたのだ。
そこに浮く花は、小さくて、ピントしていて、かわいらしかった。子どもの頃見た、気持ちの悪いかえるの葉っぱのイメージには、似ても似つかない。
だけど残念なことに、私はもう、それが蓮が睡蓮かわからなくなっていた。かえるの葉っぱに逆戻りだ。
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