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やよい軒の戦略はグループ工場の機能活用と海外展開|第一回 外食分析

こんにちは、CAROT株式会社の嶋田です。
元2つ星フレンチの料理人で、全国の中小零細企業コンサルティング200社を経験した後。現在飲食店向けのコンサルティングをしています。

今日から飲食店経営を私なりの視点で分析したnoteを配信していきたいと思います。飲食店経営をされている方には今後の経営戦略に。コンサルなどをされている方には情報収集としてお役立ちできると考えております。

第一回は「やよい軒」についてお話をしてみたいと思います。

この内容が気になる方、今後も引き続き情報を得たい方は
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では、いきますね!

※注意※
私個人の考察を含みます。ご理解のほど宜しくお願いいたします。

1.株式会社プレナスについて

運営会社は株式会社プレナス。「やよい軒」「ほっともっと」「MKレストラン」の直営店事業と併せてフランチャイズ業も展開
店舗数は2,861店舗(直営店1,000店舗、加盟店1,861店舗)

2021年2月期決算によると、売上高1405億900万円(前年同期比6.1%減)、営業利益9億200万円(159.0%増)、経常利益20億3700万円(179.4%増)、親会社に帰属する当期損失25億4500万円(前期は29億3400万円の損失)となった。

流通ニュース「プレナス/2月期、ほっともっと既存店好調で営業利益2.5倍」

プレナスフーズ

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食品の工場をグループ(株式会社プレナスフーズ)を保有しており、
プレナスのコア=源となる食の加工を担っている点が企業の特徴。鶏肉・牛肉・豚肉を中心とした食品類の加工・販売及び、玄米の精米を行っています。

エムエムエフ

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旧:宮島醤油フレーバー株式会社
子会社エムエスエフの主な事業は調味料・加工食品のOEM。
また、プレナスのグループ店舗で使用する調味料等の開発も実施。

食品加工の機能を自社で持っている事から小売及び卸売販売での利益確保も可能。また、商品開発の体制も出来ている事からフランャイズ展開にも積極的になっていると推察できます。
今後につきましては、新型コロナウイルスによる事業環境の変化に応じて成長の基軸をテイクアウト事業にシフトするなどの経営の方針転換などはありますが、

「メーカー機能を持った小売チェーン」

という成長戦略と軸は変更がないと考えます。

2.やよい軒について

まず、やよい軒の歴史についてです。ウィキペディア(Wikipedia)参照。

1886年5月 - プレナスの創業者である塩井末幸の祖父・塩井民次郎が、東京・日本橋茅場町に西洋料理店「彌生軒」を開店。明治後期まで営業していた。
1989年12月 - めしや丼の1号店「南バイパス店」を福岡市博多区に開店。以後、関東・関西・九州地方で展開。
2004年9月 - やよい軒の1号店「四谷4丁目店」を東京都新宿区四谷に開店[注 1]。
2006年7月 - めしや丼をやよい軒に名称変更。店舗は順次改装、名称変更。その後、中部・中国地方に店舗を拡大。

店舗数

日本においては、以下の38都道府県で、380店舗が営業している(2019年12月現在)。
北海道地区:北海道10
東北地区:宮城県4
関東地区:茨城県7、群馬県3、栃木県8、埼玉県17、千葉県18、東京都63、神奈川県18
北陸地区:新潟県3、富山県4、石川県7、福井県3
中部地区:山梨県3、長野県2、岐阜県3、静岡県10、愛知県9
関西地区:三重県2、滋賀県6、京都府11、大阪府52、兵庫県10、奈良県5、和歌山県3
中国地区:岡山県5、広島県13、山口県5
四国地区:徳島県1、香川県2、愛媛県2
九州・沖縄地区:福岡県35、佐賀県5、長崎県4、熊本県7、大分県4、宮崎県3、鹿児島県7、沖縄県6
日本国外では、台湾で21店舗、フィリピンで1店舗、タイで129店舗、シンガポールで7店舗、オーストラリアで2店舗、アメリカで3店舗の合計149店舗が営業している(2017年11月末現在)。

実際のメニュー(一部分)

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なんと生姜焼き定食が税込みで640円で食べられます。1000円を超えるメニューは少なく全体的に両親的な価格。
私は新宿や池袋店を利用した事がありますが、個人的な印象としては1人ご飯のニーズが強い印象。
仕事帰りや夜の出勤前に手軽にお手頃価格で定食が食べられるお店。お腹いっぱい食べたい方もおかわり自由!なのでたくさん食べる方にとっても嬉しいです。

私自身が仕事で夕飯が遅くなって家で作るのが難しい時などは利用させていただいております。

後ほど、実際に食べたメニューの感想などもお話をします。

3.やよい軒の特徴・強み

1.健康志向のメニューだが良心的
一汁三菜をベースにした和洋折衷の料理を提供。低価格(客単価750円程度)で手軽に健康的な食事がとれる。そして味も美味しい!

2.中食ノウハウの応用
ある記事によると「強みは持ち帰り弁当の基盤を生かした経営にある」という。ほっともっとは全国に約2700店を展開しており、やよい軒は「中食で培ったノウハウを、外食に応用している。食材の共通化や配送費などのコストを抑えているから、成長できるのだろう」
参考記事:東洋経済オンライン

3.省人化に成功

入り口に券売機がありすぐに注文が可能です。画面や操作方法もわかりやすく、オーダーミスなどのヒューマンエラーが起こりにくいです。
店員さんは席についたお客さんの注文の再確認、お水をお出しする事が基本のサービスのため接客による工数も他の飲食店と比較して少ないです。

4.プレナスの商品開発力及び製造技術
私はやよい軒に強みはここにあると考えます。プレナスの商品開発部ではグループ工場での新商品の開発や既存商品の改良、顧客動向調査(マーケティング)、設備機器や生産方法など作業効率に関わる分野の情報を収集して調査研究を行っているようです。ここの企業努力とこれまでの積み重ねが強みであると考えます。

※注意※
私個人の考察を含みます。ご理解のほど宜しくお願いいたします。

4.やよい軒の戦略

1.テークアウトサービス「おうち定食」

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※プレナスHPより引用
2021年8月5日、テークアウトサービス「おうち定食」が発売3カ月で100万食を突破したと発表。すでに売上の15%を締めており、男女比率は6:4程度。年齢層は40、50代が多く、夜の売り上げが好調。

2.積極的な海外展開
やよい軒は、アジア諸国を中心とした海外諸国でも人気を高めています。
海外の拠点数は、2021年5月時点で242店舗です。
特にタイではやよい軒の人気が高く、192もの店舗数があります。
近年は新型コロナウイルスの影響もあり積極的な展開はできていなかったようですが、海外の日本食需要は現在も拡大している事から考えると海外展開は積極的に行っていくと考えられます。

3.食品工場の機能を最大活用
プレナス 2021年2月期決算説明会によると

「メーカー機能をもった小売チェーン」として食品総合工場などの主要機能を土台として各機能の連携を強化し、活動の効果や収益の最大化に向けて取り組んでいく。内製化商品を活用したキャンペーン展開や業態別にターゲットを明確した販売戦略等によって店頭売上の
拡大に取り組むとともに、FC化を推進する。国内の出店は合計22店舗を予定。
情報元:https://www.plenus.co.jp/files/explain/00000098_pdffile.pdf

例えば「おうち定食」が出来ている背景にはここの機能活用が大きいと考えている。今後は更に改良を重ねて外食と中食の両方のニーズを捉える展開をしていくと考えられます。それを実現できる機能(食品工場)の強化と活用が大きなポイントになっていくと予測。

※注意※
私個人の考察を含みます。ご理解のほど宜しくお願いいたします。

5.実際に行ってみた

新宿のやよい軒にお伺いしました。こちらは店内です。
清潔感もありスッキリした店内が好印象です。

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かきフライミックス定食(890円)

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カキフライ、エビフライ、アジフライと十分なボリュームです。
ソースとタルタルソース2種類ついてきてお好みで楽しめます。

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このくらいの価格帯だと衣ばっかりで身が小さいのでは?と疑ってましたが素晴らしいです!!しっかりと身も入っておりサクサクで美味しいです。
OEMや自社工場の生産(冷凍)ではあると思いますが、冷凍っぽさを感じさせない美味しさです。
また、最終加工(店内調理)の部分も素晴らしく、これまで含めて一度も油が臭いと感じませんでした。
どうしても、アルバイトの方などの店舗運営になってしまうと最終加工のクオリティコントロールが難しく、酸化した油の臭いがする事があるのですがそういった事は過去も含めて一度もありませんでした。また、他のメニューを食べても火入れの状態、味付け、などしっかりと標準化されており、いつ行っても美味しいやよい軒が楽しめます。

個人的にも大好きな定食屋さんです。

6.考察 まとめ

国内でのフランチャイズ展開、テイクアウト市場の獲得といった点の表に見える動きとは別に、店舗の省人化、自社商品の開発(グループ製造強化)に力を入れていると考えられます。
また、短期的には新型コロナウイルスの影響で海外展開のスピードも遅くなってはいますが、回復と同時に再度海外に焦点を当てて世界展開を加速していくと予測しています。
世界では「YAYOI」として各国で展開しているようです。個人的にも日本の外食企業が世界で活躍する事を誇りに思っていますので日本文化発信企業として応援したいと思っています。

最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございました。

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CAROT株式会社
代表取締役 嶋田 光宏

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