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オートバイ修理技術と経済

 日本バイク業界で、いや世界バイク業界で、この男を語らずしてバイクを語ることなどはできない。東アジアの極東日本にあり、戦後の何もない時代からメイドインジャパンの機械を世界に売った男、本田宗一郎。業績の幅の広さ、深さは、作品(商品)の数とともに、計り知れぬものがある。昭和という時代を担った経営者である彼は、果てしないインスピレーションを世界に与えている。その一つを紹介。

「アイデア」について。

戦後「傘」の需要は非常に高かったが、あらゆる業者が生産に乗り出し、たちまち供給過剰になって、メーカーは倒産においこまれた。

 しかし、そこで「折り畳み式」の傘が考案されると、需要のなくなったはずの傘は再び売れ始めた。食品のように、一定の需要があって供給がリードされるものもあるが、これとて革新的な食品の発見があれば、どのような関係になるかわからない。要は需要を作り出すのは「アイデア」だということであり、それは市場開拓の本質なのである。

煮詰まっているように見える市場にも、アイデアの供給があれば開拓していけるのである。要はアイデアだということであり、そしてアイデアとは、ある側面で記憶ベースのインスピレーションでもある。アイデアが出ないという人はどんなジャンル、仕事にかかわらずいる。そういう人はそのジャンルや、調査できうる対象に置いてもう一度、深掘りしてみることを強く推奨する。粘り強く、根気強くしっかりと調査し、懸命に辿る努力をまずしてみてほしい。オートバイを修理する時も同様だが、修理の際、壁には何度もぶちあたるものである。修理は簡単ではない場合が多いのだ。そんな時に過去の事例や、ネットの情報を駆使して出口を探していく。そこで正解を導き出すのがメカニックの仕事なのである。経済における、「アイデア」とは修理におけるそれと同じである。単なる修理技術におさまらず、経営者として経済に対して鋭い視線を送っていた本田宗一郎ならではの話だ。

#ビジネス #アイデア#オートバイ修理技術#市場開拓#本田宗一郎

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