ゴリオン

こどもが生まれて干支がひとまわりしました。 これをきっかけに今まで大切に残しておいた絵…

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こどもが生まれて干支がひとまわりしました。 これをきっかけに今まで大切に残しておいた絵本と、 児童文学について、記録として残しておきたいと思います。 親になって改めて気づいた絵本の素晴らしさを共有できれば嬉しいです。

最近の記事

しめはプリンできまりだね

絵本の記録-14 「しりとろいのだいすきなおうさま」 作:中村 翔子 絵:はた こうしろう 数字やひらがな、ものの名前を早いうちから覚えて欲しい。なんなら日常生活の中でごく自然に。できれば自分からぐいぐい覚えたがってくれないかな。そうだ、数字に興味があるなら計算ができるかもしれない、英語もいいかも。 そんな欲望渦巻く親心。どうせ毎日読む絵本なのだから、何か意味があるものにしたい。いかに我が子を天才への道につなげるか。 ただ子どもは、その時その瞬間に楽しいと感じる絵本を読んで

    • ただただ正直なねこたち

      絵本の記録-13 「11ぴきのねことへんなねこ」 作:馬場 のぼる 推奨年齢:4歳から 日本の絵本の定番中の定番、11ぴきのねこシリーズの1冊です。 絵本を選ぶ時、どこかにユーモアがあるお話を選んでいることが多いのですが、このお話もとっても面白い。 11ぴきのねこたちの前に現れた不思議な水玉模様の宇宙ねこ。11ぴきは水玉ねこが気になって仕方がない。 この水玉ねこ、釣りがとっても上手なことに気がついた彼らは、魚欲しさにいっしょうけんめいお手伝いをして仲良くなります。 そう、1

      • 大きなくまの大きな愛

        絵本の記録-12 「ハグくまさん」 作:ニコラス・オールドランド 訳:落合 恵子 こんなくまなら出会ってみたい。 そう思わせてくれる優しいくまのお話です。 どんな優しさかというと、もう全ての生き物に優しいのです。 自分の大きな愛情をただただ表現しているハグくまさん。 素直な愛情表現、日々の慌ただしさで省きがちではないでしょうか。 そんな時に絵本って代弁者の役割にもなってくれますね。 ハグくまさんの愛が大きすぎてクスっと笑ってしまうところもあって 「自分以外の何かを大切にする

        • 大好きのシャワー

          絵本の記録ー11 「どんなに きみがすきだか あててごらん」 作:サム・マクブラットニィ 絵:アニタ・ジェラーム 訳:小川 仁央 タイトルのとおり、2羽のうさぎがお互いにどんなに大切におもっているかを伝え合うというお話。 ストーリーとしてはシンプルな内容ですが、シンプルなことなのに現実では誰かに対して「とっても大切におもっているよ」ということを表現する機会はあまりありません。 わたしは子どもに何かを残せるなら<自分のことを大切におもっている人がいる>ということを意識の奥の方

        しめはプリンできまりだね

          日常と非日常の境界にある期間

          絵本の記録-10 「キャベツくん」 文・絵:長 新太 お腹が空いてたまらないブタヤマさん、道で出会ったキャベツくんを食べようとしますが。。 いろんな発想で危機を乗り越えるキャベツくん。 「ぶきゃ!」と毎回驚くブタヤマさんが面白すぎます。 そもそもなんでキャベツに手足がついていて服まできているのか、、、そんな疑問が頭にも浮かばない時期に読んで欲しい一冊です。 長新太さんは子どもの果てしない発想力を疑っていないのでしょう。 大人には「ええ?!」と感じるような内容でも、とって

          日常と非日常の境界にある期間

          かわいいおこりんぼう

          絵本の記録-9 「ロッタちゃんとじてんしゃ」 作:アストリッド リンドグレーン 絵:イロン ヴィークランド 対象年齢:4歳から スウェーデンの有名な作家、アストリッド リンドグレーンの絵本です。 彼女の作品はあれも、これも?というくらい著名なものばかりですが、 そろそろ冬も終盤ということで春らしいものを選びました。 内容は、誕生日のロッタちゃんのお話。欲しかった自転車がもらえなかったロッタちゃんは驚く方法で解決しようとします。 昔「ロッタちゃんはじめてのおつかい」という

          かわいいおこりんぼう

          おばけも必死

          絵本の記録-8 「めがねうさぎ」 作・絵:せなけいこ 対象年齢:3、4、5歳 前回に引き続き、せなけいこさんの絵本です。 いつもご機嫌なうさこをどうしても怖がらせたいおばけとの、ある一晩のお話。こんなにも一生懸命怖がらせることを考えているのかと思うと、おばけもなんだか可愛く思えてきます。 動物とおばけって、子ども心を惹きつける二代巨頭ですよね。 子どもが楽しまないわけがない。 切り絵で表現される世界はシンプルなのに、登場するキャラクターの表情が豊かで、単調に見えない

          おばけも必死

          ちびおにが可愛くて

          絵本の記録-7 「おには そと」 作・絵:せなけいこ 2月になりました。 節分にぴったりな絵本です。怖いイメージもある鬼ですが、この絵本の鬼たちはなんだか親しみを感じる鬼たちで、ちいさな子どもさんも楽しむことができるのでは。 せなけいこさんの絵本はどれも子どものような無邪気さが溢れています。 切り絵の技術や配色のセンスは言うまでもなく素晴らしいのですが、 子どもなど生き物をただ可愛いだけで描かないところが好きです。 この絵本にでてくる子どもも愛らしさと残酷さが合わさってい

          ちびおにが可愛くて

          ネイティブってこういうこと?

          絵本の記録-6 「うどんのうーやん」 作:岡田よしたか この絵本に出会ったとき「なんだこの気持ちよさは!」と受けた衝撃が忘れられません。 わたしは普段は関西弁を使っています。いままで絵本を読みながら感じる「ちょっと言いにくい」とか「舌がまわらない」「感情を言葉にうまく乗せられてないな」みたいなこと。その答えがここにありました。 話慣れたイントネーションで読む絵本の楽しいことといったら。こんなにも感情を言葉に乗せることができるのか。 逆に標準語圏の人はいつもこんなにのびの

          ネイティブってこういうこと?

          ほっほかのふわふわ

          絵本の記録-5 「きょうおおやつは」 作:わたなべ ちなつ 対象年齢:5・6才から こちら正式には「かがみのえほん きょうのおやつは」です。その名の通り、かがみの性質をうまく利用したしかけ絵本です。 ホットケーキが出来るのを楽しみにしているのはどうやら猫だけではないようですよ。 ほらテーブルの向こうにかぶりつきで見つめているのは誰でしょう。 しかけのアイデアもさることながら、わたしが大好きな理由は絵のうまさにあります。構図も決まっているし、デッサンのお手本のようです。

          ほっほかのふわふわ

          くいしんぼうのお子さんへ

          絵本の記録-4 「ホットケーキ できあがり!」 作:エリック・カール 訳:アーサー・ビナード 対象年齢 4歳から 前回に引き続きエリックカールの絵本です。我が子が3歳ごろホットケーキにハマっていまして、それきっかけで購入したものです。 うちの子、5歳くらいまではそれはそれはくいしんぼうで、朝一番の言葉は「今日の朝ご飯はなに?」でした。嫌いな言葉は「ごちそうさま」。 子育て経験が我が子しかないわたしにとって、食事というのは「ちゃんとしたものを食べさせないといけない」という漠

          くいしんぼうのお子さんへ

          ヘタレなてんとう虫の冒険

          絵本の記録-3 「ごきげんななめのてんとうむし」 作:エリック・カール 訳:もり ひさし 対象年齢:4歳から 子どもさんによっては、長いお話だと途中で飽きてしまうことも多いです。 そういう点では動きのある絵本は、少々長くても最後まで楽しんでくれることもあります。 あまりにも有名なエリックカールの絵本。美しい色彩の切り絵で構成されている画面は、眺めるこちらの気持ちを明るくしてくれます。 たくさんある彼の絵本は、みなさんそれぞれにお気に入りがあるのでしょうね。 今回選んだ

          ヘタレなてんとう虫の冒険

          思い描くのは自由だ

          絵本の記録-2 「オレ、カエルやめるや」 文 デヴ・ベティ 絵 マイク・ボルト 訳 小林賢太郎 表紙のインパクトを受けて思わず手にとった絵本です。パラパラと短時間で立ち読みができてしまう言葉数です。読後感が爽快で即買したものです。 日本での初版が2017年ですが、わたしのように虜になった人が多かったのでしょう、既にシリーズ本が何冊か出ています。 カエルとそのお父さんの会話で構成されています。このカエルくん、すぐにカエルをやめたがります。やめたい理由がまた面白い。そしてこ

          思い描くのは自由だ

          こねこという世界最強の愛らしさ(私見)

          絵本の記録-1 第1回目として登場するのはこちら、「こねこのぴっち」です。 他にも大好きな絵本はあるのですが一回目ということで、いろんなテーマ抜きに完全に自分の好みど真ん中!という観点からこの絵本を選びました。 とにかくハンス フィッシャーの絵が大好きなのです。生き物や植物、建物や小物全て、のびのびとした自由な線で描かれ、色の種類も多いわけではないのに色彩豊かに感じられてバランスが素晴らしい。そして何よりぴっちの目!ぴっちは他のきょうだいが戯れあっている時も、思考してい

          こねこという世界最強の愛らしさ(私見)

          絵本はすばらしい

          はじめまして わたしは1人の子を持つ親です。 今年子どもは6年生になります。信じられないくらいあっという間でした。部屋には読みきかせをしてきた絵本や児童書が陳列されたまま。 きっともう開かない絵本もあるかもしれないと思うと、寂しいものです。 さて、このnoteでわたしがしたいのは今までこどもと一緒に楽しんできた 絵本と児童書を記録することです。 わたしにとっての子育ては「読みきかせ」といっても過言ではないかもしれません。 はじめは寝かせるという目的で読み始めた絵本ですが、

          絵本はすばらしい