見出し画像

しめはプリンできまりだね

絵本の記録-14
「しりとろいのだいすきなおうさま」
作:中村 翔子 絵:はた こうしろう

数字やひらがな、ものの名前を早いうちから覚えて欲しい。なんなら日常生活の中でごく自然に。できれば自分からぐいぐい覚えたがってくれないかな。そうだ、数字に興味があるなら計算ができるかもしれない、英語もいいかも。
そんな欲望渦巻く親心。どうせ毎日読む絵本なのだから、何か意味があるものにしたい。いかに我が子を天才への道につなげるか。
ただ子どもは、その時その瞬間に楽しいと感じる絵本を読んで欲しがるので親のあざとい野望はさほど時を経ずにシュルシュルと消えたのでした。

本題にもどって、この絵本。
なんでもしりとりにしてしまう王様のお話です。なんと部屋に置くものですらしりとり順に並んでいます。食事を食べる順番もしりとりで最後はプリンと決まっています。「お!これはしりとりを覚えるのに良い絵本だな」なんて思っていたのですが、サンドイッチの次にちくわを出したり、ワカメを単品で出したりするコックの慌てっぷりがおかしかったり、やわらかい線で描かれた人々の表情が豊かだったり、しっかりオチもあって絵本として完成されていました。何でも知育につなげて考えないで、素直に楽しもうと思わせてくれる一冊でした。
しりとりができるようになったら読んであげて欲しい絵本です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?