育児でまなぶ
こんにちは。
ぼこちです、40歳の冬を迎えています。
育児戦記2023年、童話や昔話、仮面ライダー等大人になってから離れたものに触れる機会が再び訪れています。
子どもの寝かしつけに使っているプロジェクターが我が家にはあります、これがなかなかの優れもの。
イソップ寓話、日本昔話、作品数が多彩。
その中でここ最近息子のお気に入りは宮沢賢治著『注文の多い料理店』です。
4歳でなぜ?
渋いなとだけ最初は思って一緒に観ていました。
実のところ、自身では題名こそ知っていたけど内容を知らない事実。
お客からの注文ではなく、お店からの注文が多い、そんな話と認識していました。
観てみると、何というかミステリアスなお話です。
少しホラーな要素も含まれ、子どもにとって良いものかと考えてしまいました。
そう考えても止める発想はなく、現在も観続けている状況。
※3ヶ月以上、飽きずに毎日
記憶に残っているのはほぼ作品名のみ。
宮沢賢治著作で初めてじっくりと内容を知ることになる作品となりました。
どういうこと?と考えさせてくれる部分もあり、連日観ても飽きない不思議。
ネタバレ含みますが、終盤にこんなセリフがありました。
「洋食を食べれるのではなく、(私たちが)洋食として食べられる」
ダークファンタジーの先駆けでは?といえる表現だと思いました。
結局主人公の2人は無事で、食べられてしまわずに済みます。
宮沢賢治はこのお話をどうして作ったのか、著者本人によるあとがきや解説がなく、ネットに考察記事はあれど真相は謎。
物語序盤の飼い犬の存在をお金で換算していると捉えられるセリフ、人間を騙して食べてしまおうとする山猫、これらは命を軽んじてはいけないというメッセージでは?と考察されています。
そう考えると、子どもにも早いうちに知ってもらう価値はあるなと思えます。
ダークファンタジーの先駆けと前述しましたが、人間の摂理を別の視点から指摘した至極真っ当な表現ではないかとも思いました。
これは個人的に抱いた印象ですが、店側からの注文として扉一枚毎に書かれている文章、徐々に早く食べたい欲求を抑えられなくなってきている山猫の心情がよく出ているなと感じさせられました。
実際、手下のような猫が親分の書いた文面に文句を言う描写がありました。
文面を読んだ主人公2人は自分たちが優遇されていると感じ、山猫は上手く誘導し、最後我慢できずボロを出しバレる。
読み手書き手の心理は違えど、途中までは一致して注文通りに事が進む。
文章って、奥が深いなと改めて思いました。
題名からして、捉え方が幾通りもあり仕掛けが凄いです。
と、読書感想分的な思考になる初老。
しかし、言葉や文章の面白さを教えてくれたのは宮沢賢治だけではありませんでした。
4歳の息子が仰向けに寝ながらプロジェクターのリモコンを操作し、題名を呟きました。
「注文の料理おおい店」
ただのデカ盛り飲食店やクレームに早や変わり!
文章や言葉って面白い、育児の最中にも学べた機会を得られました。
大人になれば、大概知らないことはなくなっていると想像していました。
大人になった今、全然知らないことだらけ。
きっと生きているうちに満足することはないのかもしれませんね。
育児からでも学ぶことがあるのだから、無知無限大。
おわり
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