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債務上限問題2023【5/9更新】

債務上限問題とは

米国では連邦政府の国債発行等による債務残高の上限が法律で定められています。
その上限を超えて債務を増大させるには議会の承認を得なければならなりません。
詳細は最下部に過去記事のリンクを張り付けてありますので、そちらも参考にしてみてください。
ここでは6月にも特別会計措置を使い切る可能性がある現在の債務上限問題について、追記形式で解説していきたいと思います。

債務上限を巡る動き

下院が5兆ドル(約680兆円)近い歳出削減と引き換えに債務上限を引き上げるという内容の法案を可決
→The Limit, Save, Grow Act of 2023

バイデン米大統領に対して経済団体から、債務上限に関してマッカーシー下院議長と交渉するよう圧力
バイデン氏はこれまで何カ月にもわたり交渉を拒否してきました

イエレン財務長官は1日、連邦債務を上限未満に維持するための特別会計措置について、6月1日にも使い切る可能性があると明かしました

バイデン大統領と議会指導部が5月9日に行う協議にマッカーシー下院議長が参加することが決定

マコネル上院院内総務を含む共和党の上院議員43人は、無条件で連邦債務上限を引き上げる法案の採決を認めることに反対する考えを書簡で表明し、歳出削減や予算改革が法案に盛り込まねばならないと主張

欧州の格付け会社スコープ・レーティングスは5日、現在「AA」としている米国の現地通貨・外貨建て長期発行体および無担保優先債務格付けを格下げ方向で見直すと発表
債務上限問題が頻発し、長期的に米財政に関してリスクとなり得ることを主な理由としています

バイデン大統領は5日、米国債のデフォルトを回避するために合衆国憲法修正第14条を発動する用意はまだないと述べました

修正第14条は「合衆国の公的債務の効力が問われてはならない」と規定されており、バイデン大統領がこの条項を発動し、債務上限を引き上げることが可能と言われている
ただ、裁判所がこの条項を扱った例はほとんどなく、法的な論争が長期化する可能性が高いため、基本的には修正第14条を用いた行動は見送られる見通しとなっています

バイデン大統領は、9日予定されるマッカーシ下院議長や議会指導部との債務上限を巡る会合で妥協しない可能性を示唆

以下5/9更新


共和党マコネル院内総務は、自身が問題解決に向けて行動するつもりはないと発言
バイデン大統領とマッカーシー下院議長の責務であるとのこと
マコネル氏の議会調整能力は高く、問題解決には同氏の行動が必要との見方もありましたが、その意思は現状ではなさそうです

米シンクタンクの超党派政策センターは、2月時点で秋口としていた債務上限引き上げのXデーを6月上旬〜8月上旬に前倒ししています
確定申告シーズンで歳入が低迷していることに加え、カリフォルニア州等で深刻な被害をもたらした暴風雨による納税者への支払い延期措置などが主な理由であるとのことです

バイデン大統領とマッカーシー下院議長含む議会指導者との協議は東部時間午後4時から、ホワイトハウスの大統領執務室で行われる予定です
協議にはバイデン大統領とマッカーシー下院議長の他に、ジェフリーズ下院民主党党首、シューマー上院多数党院内総務、マコネル上院共和党党院内総務が参加します

以下5/10更新

バイデン大統領はマッカーシー下院議長ら議会指導者と会談を行いました
マッカーシー下院議長は、「特に進展は見られなかった」と発言しました
3ヶ月ぶりの会談で互いの主張を確認したまでという感じでしょうか
次回会談は12日に開催されるとのことです

※5/10 PM 7:50 更新

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