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ドサクサ日記 4/3-9 2023

3日。
ASHのライブを観に大阪へ。とても楽しい夜だった。会いたい人には、会いたいときに会っておかないと、一生会えないこともある。それはコロナ禍という体験だけでなく、年が明けてからのいろいろな出来事を経て、改めて痛感したことでもある。アイルランドから遠路遥々やって来た友人の演奏を聞き逃したままではいけない。俺はそう思ったのだった。通訳なしでも、愛と意欲で英語は伝わるんだぜ。

4日。
友人たちの音源の録音。時々、ご飯をご馳走になるが、基本的には無償で録音作業を手伝っている。こういう仕事の仕方が業界のなかでダンピング的な効果を持ってしまわないか不安なところではあるけれど、あまり予算のない現場が増えているのだから仕方ない。報酬は経験でもある。こういう場合にはこういうマイクがよく合うだとか、こういうふうにアドバイスすると場が和むだとか、学びが報酬。

5日。
Mattson2のギタリスト、ジャレッドのソロアルバムがリリースになった。随分前にカタコトの日本語の歌が入った格好いいデモが送られてきて、「これを歌ってくれないか」ということだったので、自分のスタジオで歌の録音をして送ったのだった。どうなったのかも気にならないくらいに時間が経ってしまっていたのだけど、気がついたらリリースされていた。素敵な曲なので多くの人に聞いてほしい。


6日。
見晴らしの良い大きなビルに登って、うっかり街のどこかから白煙が上がっているのを見ると、火事かしらとハラハラとしてしまう。心配などと言うと美しく感じるが、何のことはない野次馬根性に少しの良心が乗っかっただけである。俗であることに違いはない。ネットで検索しても何の情報もない。しかし、遠くではモクモクと白煙が登っている。時折、ダークグレーにも見える。あれはなんだったのか。

7日。
なんとなく思い立って、世界中のDTMerがブリブリと文句を言っているWavesのサブスクに登録した。2000年代の後半に何らかのバンドルを買ってから、アップデートの度に高額な料金を支払ってここまできた。永続ライセンスを持っている身からすると腑に落ちないところがあるけれど、時代の流れとして仕方のないことかもしれないと思う。ただ、もうちょっと早く告知して、とは思った。

8日。
北関東3県で会場が持ち回りになるというフェス、キタサンローリングに出演。久々にスカパラの皆さんと一緒に演奏ができて楽しかった。実は前回、山中湖での共演のときに最後のサビの長さを間違えてしまった。そんなに大きな失敗ではなかったけれど、それ以来、スカパラに呼んでもらっていないことが気になっていた。個人的には高校野球部以来の体験になるが、本番に弱いと見做されて「干された」のだなと思った。リハでその旨をスカパラの皆さんに伝えると、大爆笑しながら「そんなことない」という返事だったので安心した。しかしながら、パーカッションの大森さんは「クリープハイプ」と大きな文字で書かれたTシャツを着ていた。ゴッチではなくて尾崎世界観への愛の為せるわざだと思う。本番は育成契約のつもりで頑張って歌った。スカパラの豊かなアンサンブルに混ざれて楽しかった。

9日。
地方議会の選挙に出かけた。国政選挙よりもさらに選択肢が狭まっており、かつ、それぞれの候補についてもあまり詳しく知らない。そういう場合でも誰かを選ばないといけないことは、実はとても大事な思考訓練だと思う。本当はこうした地獄の数択みたいな状況の外側で、人や政策を育むためのコミュニティの一員にならなければならない。クイズの出し手とその解答者みたいな関係ではいけないと思う。