地獄とは、人々が苦しんでいるところのことではない。人が苦しんでいるのを誰も見ようともしないところのことだ。
パンチラインとして引用したのは、『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義』(大和書房)の文中で紹介されたイスラーム中世の神秘主義の思想家、マンスール・アル=ハッラージュの言葉。パンチラインというよりは、書籍全体が面前に突きつけられる握り拳(まさにパンチ)のようなもので、自分がどのような情報のなかで無関心に生きていたのかがよくわかって、恥ずかしいような途方に暮れるような気持ちになる。
日本政府は、国連総会でイスラエルの戦争犯罪を裁くという調査を棄権しているという。そして、イスラエルとの包括的なパートナシップを結ぶ声明を出している(共同声明には「双方は,自由,民主主義,人権,法の支配といった普遍的価値の重要性 を確認し,また,アジア太平洋地域及び中東地域における平和と安定に向け, 対話と協力を強化していくことを確認した」という現状とはかけ離れた文言がある)。こういう政府のあり方に対して声を上げるのも、日本で暮らす私たちにできることのひとつだと岡真理さんは言う。そして、こう続ける。
多くの人に、この本が届くことを願う。そして、1日も早くイスラエルの攻撃が止むことを望む。これまでの歴史が省みられて、パレスチナの人々に対するアパルトヘイトが撤廃されることを願う。その先については、どうすることがベストなのかははっきりと言葉にできない。しかし、世界中の叡智と愛を持ち寄って、この問題が解決されることを心の底から願う。
Free Palestine!!!