虹の架かる日 NANA-IRO ELECTRIC TOUR2019

このブログにはNANA-IRO ERECTRIC TOUR2019のネタバレが含まれます。ご注意ください。そしてELLEGARDENが中心の記事となります。

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そのバンドを知ったのは中学生のころたまたま見ていたCDTV(カウントダウンTV)のエンディングだった。

後にその曲がELLEGARDEN(エルレガーデン)の「ジターバグ」だということを知るのだけど、そのときは名前をチェックできず「かっこいい曲があった」という記憶だけが頭の片隅に残った。

そんなことも忘れて学生生活を送っていたある日、今度はCDTVのランキングで流れてきた「space  sonic」に衝撃を受ける。「なんだ!?この音楽は!?めちゃくちゃかっこいい!!」

そこで初めて「ELLEGARDEN」という名前が頭に刻まれることになった。


ある日何気なくタワーレコードに寄った時ふと目に入ったエルレのライブDVDを引き寄せられるように買った。なぜか最初に買ったのはCDではなかった。だけどそれは運命だったのかもしれない。

そのDVDを何回見ただろう。自分のライブ前、元気が無くなった時、心が迷子になった時、そのライブ映像を見ると元気と涙がわき上がってきた。英語の発音良すぎて洋楽だと思っていたから最初日本語しゃべっててびっくりした。細美武士というボーカリストが大好きになった。もはや恋と呼んでいいほどに人間に惚れた。

それから31歳を超えた今でも「音楽何聴くんですか?」と聞かれたら最初に答える3つの音楽の中に入り続けている。


一時期ずっと「THE 青春パンク」というオムニバスアルバムをリピートしていたことがある。

そのアルバムに参加していたザ・マスミサイルが主催ライブに出てくれてあのころ聴いていた「教科書」を歌ってくれたり、ボーカルのよっくん本人のコーラスで「今まで何度も」を歌えたときは言葉にならない感動があった。

それぐらい思い入れのあるアルバムに入っていた「Mouse Molding」がエルレの曲だったとわかった時もびっくりしてしまった。

CDを買ったり借りたりするようになり、CDTVのあの曲が「ジターバグ」だったことも知った。

感動がいくつも重なってやっと人は何かを好きだと自覚する。思い返せばエルレでさえそうだったのだから自分のことを一発で好きになってもらおうなんて虫のいい話だよな。


しかし1度も生でライブを見れないうちに活動を休止してしまう。

その間にメンバーの新バンド、the HIATUSやMONOEYES、Nothing's Curved In Stoneのライブには何度か足を運んだ。それぞれのバンドもエルレとは別物で好きになっていった。

だけどやっぱり「エルレが見てみたい」という気持ちは消え切らなかった。

「今は友達にしか見れない」と振られて「今は」にずっと期待を持ち続けてしまう重い男のように「再開をあきらめない」と毎年言う細美さんの言葉にもう無理だろうなと思いきれなかったのだ。

そうやって10年期待し続けたある日、エルレが復活するという噂を聞いた。どうせまた誰かのデマだろうと思っていたら、正真正銘の復活だった。バンドが復活して涙が出たのは初めてだった。

復活ライブは行けなかった。チケットが取れなかった。

だけど今日、ようやく願い事が叶った。

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エルレのことばかり書いてきたけれどこのライブはASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアンカンフージェネレーション)、STRAIGHTENER(ストレイテナー)との3マンライブだ。

このイベントは特別で、15年前にこの3組でやったイベントの再来だった。

ストレイテナーのホリエさんはMCで、エルレの復活ライブの時速攻で泣いたけど2曲目でモニターにメンバーが映った時に「おっさんじゃん!」と泣きながら笑っていたエピソードを話していた。

アジカンのゴッチさんもエルレのライブに救われていたファンだから復活して本当に嬉しいと話していた。エルレのステージでゲストとして歌った時もぴょんぴょん飛び跳ねてアジカンのライブより楽しそうだった(笑)

細美さんは最近ライブをする時「楽しい」に寄っていた気がするけど、今日はなんだかいい意味でピリッとした熱のこもったライブだった。酒飲んでるけど今日は酒なんかなくても全然やれると言っていた。

もう復活なんてないんだろうと思われていたエルレが復活したから、自分たちも辞めずに進み続けていたから「またやれた」このツアーはバンドにとってもお客さんにとっても、あの会場にいたほとんどの人にとって特別だったんじゃないかと思う。


思ったよりも冷静に見れていたけれど、涙がこみ上げそうになった場面がいくつかあった。

まずSEが流れてELLEGARDENのロゴが書かれた骸骨が目の前に現れた時。ああ、本当にエルレのライブが始まるんだと胸がいっぱいになった。

次は「Space Sonic」のイントロがなった瞬間だった。エルレはどの曲をセットリストにしてもベストアルバムになるぐらい好きな曲ばかりなのだけど思い入れというのはやはりあるようで、あの日CDTVで衝撃を受けた思い出が僕の中に残っていたのかもしれない。

アジカンのゴッチさんとコラボしたのは「虹」という曲だった。

「虹」は細美さん、ゴッチさん、ホリエさんとの思い出を書いた曲だということだけ知っていたんだけど、NANA-IRO、虹?もしかしてこのツアーのために作られた曲なのではと思いながら聴いていると涙が溢れそうになった。

積み重ねた思い出とか音を立てて崩れたって
僕らはまた今日を記憶に変えていける
間違いとかすれ違いが僕らを切り離したって
僕らはまた今日を記憶に変えていける

このイベントでこんな歌詞はダメだ。3バンドだけでなく僕自身もいろいろ乗り越えて生き続けてきたから今日ここに来れたんだと思った。

調べてみるとまさしく2004年のNANAIRO-ELECTRIC TOURの後、3人でホテルを抜け出して、そこから戻る最中に一緒に虹を見たことを元に作られた曲らしい。

「嘘みたいな話だけどさっき虹が出てました」と細美さん。

映画みたいな奇跡っていうのが人生ではたまに起こる。なんなんだろう。不思議だけどただの偶然じゃないって信じていたいと思った。


そして最後。アンコールの曲が「スターフィッシュ」だった。

初めて買った、何回も見たDVDの1曲目がこの曲なのだ。イントロを聴いた瞬間に感情が溢れ出しそうになった。というか出てた。「マジか」と声に出していた。

エルレだったらどの曲を聴いても同じぐらい感動したりテンションが上がると思ってた。でも知らないうちに思い入れというのは心の中に積み重なっているみたいだ。

楽しみにしていた日に雨が降ってしまうようなことはこれからも何度もあるだろう。その度に落ち込んだりもうダメだと投げ出したくなるだろう。

それでも雨が上がって虹のかかる日はくる。

奇跡みたいなことだって起きたりもする。

思い出に、青春に浸る時間ももちろんあったけれど、またこれからをひとつずつやっていこうという気持ちにさせてくれたイベントだった。

ASIAN KUNG-FU GENERATION
STRAIGHTENER
ELLEGARDEN

NANA-IRO ELECTRIC TOUR2019

やってくれてありがとうございました。


読んでくれてありがとうございます:-D

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