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耳を澄ませばガタンゴトン

大学時代、大学の最寄り駅から二駅前と一駅前の間に川が流れていました。そこを電車が通るときに、いつも特徴的なリズムのガタンゴトンという音が聞こえていました。私の中では、映画『ターミネーター』のテーマソングの始めのリズムに感じていました。当時、ターミネーターにはまっていた友人に「ここ通る時の電車の音よく聞いて!ターミネーターやから」と言ったら、じっくり聞いてくれ、「ほんまや」と賛同してくれました。ちょっとうれしかったです。


電車のガタンゴトンや、工事現場の工具の音、運動場の笛の音、車のウィンカーの音、人が階段を下りてくるときの靴の音、自転車のチリンチリンなど、意識せずに聞いている音のリズムがたまに、自分の知ってる曲のある部分のリズムと似てる時があって、それに気づいた時にひっそりと楽しんでいます。


宮内優里さんや小瀬村晶さんの作られているような音楽を聴いて過ごしたい瞬間があるのですが、その時にもこのガタンゴトンのエピソードを思い出します。日常の何気ない、ストレスにはならない音が、なんだかかわいらしく音楽の中に織り交ぜられていて、リラックスするので私は好きです。


最近は青葉市子さんが手がけられた映画『こちらあみ子』のサウンドトラックが、同じような理由でお気に入りです。映画は見ていないので、いつか見てみたいです。映画『おおかみこどもの雨と雪』のサウンドトラックも好きです。


自分のお気に入りの「日常の音」を組み合わせて、リラックスできる音楽を作ってみたいなあ、とも思いました。私は、打楽器だけの民族音楽の良さが長い間よくわかりませんでしたが、民族内で耳なじみのある音で作られた音楽を楽しめるというのは、私が感じた「日常の音」の組み合わせを聞くのが楽しい、という事と似ているのかなあと思いました。楽しめる音楽の幅が増えた気がして嬉しいです。日常でもっと耳を澄ませてみようと思いました。

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