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よりよいオンラインセミナーってなんだろう

この一年間、緊急事態宣言中もその後も研究室で開催するセミナー(ゼミというところもあると思います)はオンラインが主体になり、パソコンを見つめながら出席することが増えました。
今回は一年間オンラインのセミナーを経験してみた経験から、従来の出席形式のセミナーから感じた違いを残しておきます。

1. セミナーを行う前の準備

これに関しては特に大きな変更はありませんでした。
従来は発表前にスライドを印刷したレジュメを配っていたのが、オンライン化でファイルの状態で共有する方式になりました。

前期の間は、私の家にコピー機がなかったので、基本的にPCを二画面にして資料用の画面と発表者が共有している画面を同時に見れるようにしていました。
資料を別途持っていたのは、ページを行ったり来たりしながら自分の理解の助けにしたかったからです。
(正直に言うと、頭に入ってくる情報量がだいぶ落ちる感じがしました。)

PC越しだと理解量に問題があると思ったので、10月ごろにApple pencilが使用できるiPadを使うようになりました。発表を聞きながらGood Noteを使ってPDFの資料に書き込みをするようになったので、理解がよりしやすくなったように思います。
(私には手で書くという作業が内容理解のために必要だということがわかりました)


さらに変わったことといえば、パワーポイントでスライドを作る際に、4:3のスライドサイズより16:9のスライドサイズを選ぶ人が増えたことです。
PC上の画面サイズは16:9であるものが大半だと思うので、16:9のスライドサイズを選ぶと画面いっぱいにスライドが表示されることになります。4:3の場合に比べても、スライドに入れられる情報量が若干増えた感じがします。
# 研究室に入った頃は、プロジェクターが理由で4:3を使用したほうがよいと先生に言われることが多かったですが、今後は変わっていくのかなぁと思うところです。


2 セミナー中の質問数について

参加者が年度始めに進学等により入れ替わるので、もちろん一概に言うことはできませんが、私たちの研究室のセミナーでは質問が減った & 質問する人が特定の人に偏るようになりました。私だけでなく後輩も同じことを指摘していたので、これは事実だと思います。

私としてはこの状況を憂いていて、セミナーを行う意義がだんだんなくなってしまうのではないかと危惧しています。

なぜかと言いますと。私たちの研究室は特に、先輩後輩問わず分野・内容の異なることを行なっている場合が多いので、基本的に年度のはじめほど自分の専門とは異なる内容を意味がわからないままで聞くことになります。
そこで質問が出ないとどうなるでしょうか。参加者の中ではわからない事実を無視したまま物事が進んでいくことになります。そして知識が深まらないことになります。

... これってセミナーを聞いている本人にとって良いことなんでしょうか。

発表者の観点から考えても、質問が初歩的なところから高度なところまで出ることは、自身の知識の深め直しや説明方法を相手の理解度に従って変える練習になるでしょう。

研究室全体で見た時、いろいろな知識が個人の持ち物となって点として存在するより、点の中身の大雑把なことぐらいは知っていたほうがいいんじゃないかと個人的には思います。点と点がつながることで新しいことが生まれたりもしますよね。
先生やポスドクの人はそういった視点がすでに備わっているんでしょうけど、学生は時間をかけて知識を増やしていくのが正攻法だと思うので、いろんな情報を得られるセミナーは効果的な時間のはずです。

話を質問数に戻しますと、従来型のセミナーより質問が出にくくなった理由として、(特に新入りの人たちに当てはまりそうな理由として)疑問に思ったことを他の人に共有することができなくなったから、だと思っています。
(従来の我々のセミナーではそういう場面が見られたから、という理由です。単純すぎるのでもっと考察は必要ですね。)

私の発表者の意識として、質問が出やすい雰囲気&発表を心がけたいものですが、相手の顔が見えない状況ではちょっとしたしぐさから理解の程度を見積もるのも難しいと思っています。
質問があんまり出なかった時に、結局理解されているのか、それとも説明を丁寧にしすぎたのかそこの境界も見積もるのが難しいです。

以上が私の感想です。

そろそろ来年度に向けてセミナー等をどうやりくりするかを先生方含めて話し合う機会があると思うので、それまでになんとか今年度の状況を打開する策を思いつきたい所存です。

思いついたら書き記します。

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