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TikTok日本一を達成するまで

昨日「あさみみちゃんTikTokマスコットキャラアカウント日本一」のリリースを出しました。

RTやシェアしていただけたみなさん、本当にありがとうございます!

開設から10ヶ月だったけどあっという間なようなそうじゃないようなほんとに不思議な感覚。ここまでくるには色々あったなぁとふと思い出してみる。

〜以下回想〜

2020年11月 資金調達。サイマス立ち上げ。

2019年11月に共同創業者が辞めてから、イチから会社の在り方や事業の作り方を考え直し始めていた。

その頃先に始めていたキャラクター雑貨オンラインショップのトレトイは、立ち上げから9ヶ月ほど経ち、少しずつ売り上げも伸び、コアなユーザー層を集め始めていた。

そんななかもうひと勝負しようと資金調達に動いた。

「トレトイで集めて学んだデータを元にして僕はキャラクターをつくるんです」
「ヒットキャラを出せばとんでもないリターンが出せます」

こんな拙い解像度の再現性とリターンを投資家さんにまくしたててなんとか数千万の原資を得た俺はオリジナルキャラクターづくりを始めたのだった。

キャラクターづくりと言っても、美術図工の成績3で"並み以下"の画力しかなかったので、iPadとペンシル、簡単なイラスト教材を買って、2週間くらい仕事が終わってから練習をした。

この頃同時期に流行り目という目が真っ赤になって光が眩しすぎて開かなくなる病気に突如かかり苦労した。目が見えないとイラストは描けないので僕は頭の中でこんなキャラがいたらおもしろいだろうな、自分の毎日が楽しくなるだろうな、と妄想した。今思うと初期のサイマスキャラに「陰鬱なドロドロしたキャラ」と「底抜けに明るくカラッとしているキャラ」の両極端がいるのはそういった僕の精神状況を反映したものだったのかもしれない。(あさみみちゃんもそのときに生まれた)

そのときつくっていたキャラの一体。あさみみちゃんと同時期に生まれている。

流行り目が治り、さっそくキャラの企画書とラフ制作にとりかかった。同時にこの子たちをどうやって世に出そうかと考えていた。

そんなある日「推し活と言えば?で、みんなが一番お金と時間を使ってるのは、実はアイドルや俳優じゃなくてアニメキャラなんだよ」というメディア記事を見かける。今はキャラをアイドルのように推す時代なんだ〜と、ぽけっとしてたが、ふと閃いた。

「キャラをタレントみたいにファンと一緒に育てていく事務所的なものがあったらイマっぽいのではないか?」

思いついてからは早く、名前・時代に合ったコンセプト(Simple Side Mascots:素朴でそばにいるマスコットキャラたち)・オーディションという売り出し方など、ばーっと湯水のようにアイデアが出てきた。デザインやルールやスケジュールなども一気に決めた。

思えばサイマスの立ち上げはほぼぜんぶ一気にひとりでやった気がする(もちろんいろんな人に助けてもらってるけど)。
・事務所のコンセプトづくり
・キャラのラフ画/企画書作成
・キャラ清書の外注ディレクション
・オーディションの運営
・キャラSNS企画
・グッズデザイン/発注/制作
などなど

でも楽しくてやってる感じでまったく苦じゃなかった。マリオのスター状態のような感覚。

資金調達リリースの際にJJコンビのお二人と取締役の池野と撮った写真。
YouTubeでずっと見てた人たちだったからすごく嬉しかった。

2020年12月 サイマスリリース

ひと月ほどでいっきに立ち上げ、15日にリリースした。そこから2月末までの2ヶ月間オーディション(事務所に入所するキャラをグッズの売り上げ順で決めるもの)を開催。結果、あさみみちゃんが見事に合格し入所が決定した。そのときはインスタの小さいアカウントで宣伝をしており全然反響も少なかった。このままで大丈夫かな?と先行きが不安になったのを覚えている。

取締役の池野とリリース祝いしたとき。

2021年3月 あさみみちゃん育成スタート

あさみみちゃんを広めてファンをつくるために、インスタとツイッターを始めた。あさみみちゃんの目標は「日本一のマスコットキャラになること」。ここから伝説が始まるんだ!本気でそう思っていた。当時キャラを出すなら「SNS漫画」か「ショート動画」この2つだった。動画は大変そうだったのであさみみちゃんは4コマ漫画として産声をあげた。

なかなか伸びなくて辛かったが(あさみみちゃんもそうだっただろう)、徐々にファンが出来始めていて、コメントやDMの「応援してるよ!」「あさみみちゃんのおかげで元気出た」といった声が僕を支えていた。これがなかったら信じて続けられなかったかもしれない。

同時期にオフィスを本郷から原宿に移転した。写真は本郷オフィスの最後の晩餐。
原宿NEWオフィスでの一枚。夜遅くまで自分達で設置した。
ちなみにこのとき株主とインターンが移転を手伝ってくれた。ハイエースを運転してくれる株主はなかなかいない。本当にいつもお世話になっています。(5秒だけマスクを外しています)

2021年6月 TikTokを始める。

漫画があまり伸びないとわかった僕は二つ目の軸を模索していた。ショート動画。当時だとTikTok一択だった。始める前に国内外のキャラアカウントを徹底的にリサーチした。音源/構成/テンポ/トンマナ/重要指標など、ぜんぶだ。
リサーチをして勝ち筋が見えた僕は、チームに「今日からTikTokを始める。目標は初月で1万フォロワーだ」と伝えた。あさみみちゃんは大変だっただろうが、みんなで頑張って、なんと5,6本目の動画で一気に1万人を突破し、6月末には5万人までになっていた。なんだこれはとワクワクがおさまらなかった。もしかしたらすごいことが起こってるのかもしれないと、チームで興奮していたのを強く覚えている。

たまたま残ってたメンバーで撮った写真。この時期人も一気に増え15名ほどになっていた。

2021年8月 伸びが止まる。焦り。

その後7月に入っても勢いは衰えず、あさみみちゃんのフォロワーは25万人を超えていた。

でも、右肩上がりで調子に乗っていた矢先、まったく動画がバズらなくなりフォロワーの伸びもピタッと止まった。

数日待ってもまったく状況は変わらずこれはシャドウバンというものなんだと気がついた。

シャドウバンとは運営から警告はこないが、ある日を境におすすめというTikTokほぼ唯一のタイムラインにまったく動画が乗らなくなることである。つまりファン以外はほぼ動画に触れることはなく、それどころがファンですらほぼおすすめしか見てないので、ほとんどの人に動画が見られないことになる。

焦った僕は片っ端からググって調査をしたり、TikTokを運営している知り合いに解決策を聞いたりした。そしてそれをひとつずつ試してみた。結果は効果ナシ。まじでおわったと思った。

しかし僕は運があるのかもしれない。最後の賭けだと思い、該当してるっぽい動画を削除したら自然とまた動画がバズるようになった。心底ホッとした。

補足:こういうTikTokの伸ばし方的な話はSV木下さんとのラジオでしているので気になった人はぜひ聞いてみてほしい。

ちなみに、シャドウバン期間、時間が空いたチームの僕らは、困りザウルスという第2体目のキャラを立ち上げることになる。これが初月で20万人伸び、僕らのやり方には再現性があることが分かった。

グッズの制作も同時期に始めている。
キャラクターがプロデュースしているブランドいう全くあたらしいかたちのものだ。

2021年12月 毎日投稿と失敗

シャドウバンが解除されてから一気に盛り返して、毎月10〜20万フォロワーのペースで伸びていた。12月には100万人目指して毎日投稿を開始。クリスマスも年末も毎日チームで動画をいっしょにつくってオフィスに缶詰状態だった。そのころの動画を今見返すとふわふわとした不思議な感覚になる。大変だったけど楽しかったな〜。(あさみみちゃんお疲れ様)

ただ、結果としては全然100万人には届かず、すごく悔しかったのを覚えている。狙った目標数字を達成できなかったのはあさみみちゃんでは初のことで呆然としたしつらかった。

大晦日にオフィスで食べたかわいいやつ。

2022年1月 起死回生

涙を飲んだ年末を乗り越えて、1月に爆発する。フォロワーが一気に20万人以上伸びた。ついに100万人突破だ!同時にマスコットキャラアカウントで日本5位になった。この頃から「もしかしたら1位を狙えるんじゃないか?」と考え始める。その差は60万人。大変な数字ではあるが、不思議と万能感があった。そして次の月には120万人を突破し4位となる。

2022年3月 あさみみトラックかます!

2月後半から3月にかけては、ファンに向けて「100万人突破 & 生誕祭企画」をたくさんやった(あさみみちゃんは3月3日誕生日)

記念グッズ販売・初のLIVE配信・ポスティング・毎日投稿・ツイッターキャンペーンなどなど。

中でもあさみみトラック(バニラみたいな宣伝トラック)は時間もお金もかけて、すごい盛り上がった。原宿駅前を横切るでかいあさみみちゃんを見た時は、マジで感動したのを覚えている。

ちなみに、トラック走行期間にオリジナル宣伝チラシをポスティングしたんだけれども、それは俺がHELLOCYCLINGでチャリを借りてきて、1枚ずつひたすらポストにいれていった。たぶん1000枚くらいやったと思う。必死だったな。

トラックの視察に行ったときの写真。おれ。
トラックを原宿駅前にメンバーで見に行ったとき。

2022年4月 ついに日本一に!

ファンの熱量が最高に高まった状態で、新年度を迎える。会社としても新しい期。なんとここにきて過去最高のフォロワーの伸びをする。ひと月で50万人以上伸びた。あっという間に日本一に。インスタも一気に伸びて10万フォロワーを突破した。正直、数日実感がもてなかったが、徐々にその現象に気づく。開設10ヶ月でここまできたんだ!ついに俺たちはやったぞ!

〜回想終わり〜

これから

アダビト直近のスローガンは「ヒットとブーム」をつくること。
ヒットを連発してサイマスブームをつくっていく。そこを目指している。

具体的には、
①あさみみちゃんを日本一の人気キャラにする。そのためのグッズ/イベント全国展開・コラボやタイアップ・地上波アニメ放送などライセンシング(メディアミックス)を進める。
②キャラを生み出し続ける。そのために直近クリエイターさん採用を進める。1年で30体以上はやりたい。僕ができるところまで直接プロデュースする。

良いキャラ、良いアニメ、良いグッズ。やってこう。

インターン生卒業のときの一枚。お互いがんばろね。

最後に

日本一になっても自然と達成感はない。

達成当日のお祝い会では、すぐに次の課題をみんなに話していた。
なんか、喜ぶべきことを喜べないのは嫌だから、池野さん(取締役CTO)に「こんなんで大丈夫かな?」と相談したことがある。そしたら「それが後藤さんの良さだからいいんじゃない」と言われた。こういう性格だから仕方ないのかもしれないと思えた。

もともと、スタートアップはお金も実績も経歴も何もない人が、一発当てられる場所でもあった。しかし最近はなんとなくそうじゃない気がする。強い人が強いチームをつくり持続成長可能な事業をやっている(もちろん一概には言えないが分かりやすくそう述べてみる)。

でもエンタメはいいぞ。センスと熱量があればそれら全てをひっくり返せる。圧倒的に打ち込めばボロアパートから一気にスターダムにのしあがれる。そのチャンスがある。ステージは俺がつくるから。クリエイターさんの明日の楽しみを会社でつくりファンのみんなもそうする。それができる源泉がアダビトにはある。

僕はまだまだ猛烈に飢えているし、もっともっと日本中世界中で大人気のキャラクターを生み出していきたい。

まだまだヒットとブームへの道は遠い。


PS:冒頭でやめたと書いた共同創業者の相原が会社にもどってきました。今は人事広報としてやってくれてます!

一番右が相原。おかえりちゃん。

株式会社アダビトについて
当社は、ミッション「明日の楽しみをつくる」を使命としたキャラクター企業です。
ビジョンである「これからの自分にワクワクできる世の中をつくる」を達成するため、キャラクター雑貨ショップ「tretoy(トレトイ)」とキャラクタータレント事務所「Simple Side Mascots(シンプルサイドマスコッツ)」を運営しています。

採用情報
現在、組織拡大・事業拡大に伴い、各ポジション(業務委託、学生インターンを含む)積極採用中です。興味のある方はぜひWantedly会社ページをご覧ください。
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会社のメンバーに焼き肉おごります