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#24 サイレント・ランニング(1972)

遠い未来、絶滅寸前の植物を培養するため宇宙に停泊中のフォージ号に帰還命令が出された。
だが乗組員のローウェルは愛する植物の爆破に耐えきれず、同僚を殺して宇宙船にとどまる。
ひとりと3体のロボットだけの静かな日々が続く....


病気も貧困も失業もない世界。
しかし、気温が人間に適した24℃と定まっているため植物が育たない。
極端な話だが、どちらを取れとなった場合、人類が選択するのは快適な方。
それは船員3人が自然に無関心な態度から読み取れる。
ローウェルの主張は何も間違っていないが、独善的で行動に共感するといえば難しい、でも悲しい。

人間は地球を必要とするが、地球は人間を必要としていない。

地球の自然にとってのノアの方舟的な物語はなんだか手塚治虫のSFに通ずると思った。

瓶に詰めて海に流す手紙のように漂流するドーム。地球最後の植物を世話するレトロフューチャーなロボットがまた愛おしい。

完成度は高いとはいえない。
しかし、強烈な引っかかりを残すSF。
自然と機械が共存する人間のいない楽園は、宮崎駿のラピュタにも影響与えたのではと言われるのも頷ける。

なぜ多くのクリエイターに影響を与えた本作が死ぬまでに観たい映画1001本に選出されていないのか?俺なら入れる(暴論


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