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対訳版・ルジューヌ『ギリシア語アクセント規則概説』

Michel Lejeune, $${\textit{Précis}}$$$${\textit{d’accentuation}}$$$${\textit{grecque,}}$$ 1945, 1967, Hachette を全訳しました。

もともとはこちらのブログで和訳を公開していました。

今回あらたに公開したPDF版の特徴は以下のとおりです:

  • 対訳形式
    原文のフランス語を参照、和訳と対照できるように対訳形式にしました。フランス語の勉強にも使えるかもしれません。

  • 改訳
    読み直して気づいた誤訳も含めて、全面的に改訳を試みました。読みやすさを優先し、直訳を避けたところもあります。

  • ラテン文字転写
    訳文中のギリシア語はラテン文字で転写しました。また、ラテン文字表記では、長音にはマクロンを付しました。ギリシア文字が読めない人、読み慣れていない人でも読むことができます。もちろん、フランス語原文を確認することでギリシア文字表記も確認できます。

とはいえ、まだまだわかりにくい箇所や、誤訳・誤植が含まれているかと思いますので、ご指摘やご意見はお気軽にお寄せください。マクロンの付け忘れ、ないし、付け間違い等も教えていただけると助かります。

補足

原著の註は、ページごとに番号が振り直されていますが、対訳ではセクションごとに振り直しています。

ラテン文字転写に際して:
曲アクセントは ^(accent circonflexe)で写します。なお、曲アクセントがつく場合は長母音であることが自明のため、マクロンは省略します。
重母音字にアクセント符号を置く場合は、ギリシア語表記と同様に二文字目の上に置きます。
κ, χ は(c, ch ではなく)k, kh で転写します。
ζ は z(d) と転写します。これは zd ないし z の意です。 
υ は(y ではなく)u で転写します。同様に、ου は(ū ではなく)ou で転写します。
下書きのイオータは、単に i で転写します。ただしアクセント記号を置く場合は前の長母音に置きます。
crāsis を示す corōnis ( ᾿ ) は転写しません。

原著では文字がつぶれてしまっているせいで、気息記号の別が判然としない場合がいくつかあります(画像参照)。どちらの可能性もある場合は、独断で決めました。

定訳のない用語は、主にラテン語形を用いることにしました。ラテン語での表現がわからない場合はフランス語のままにしています。

なお用語の既邦訳の確認については、下記の水崎監訳『古典ギリシア語文法』付録の「文法用語比較表」を参考にしました。

原著の明らかな誤植は特に断りなく修正しました。
Lejeuneの説明に疑義があるところもないではありませんが、ひとまずそのまま訳しています。この辺りは、いつかまとめて記事にしたいと思っています(がもっと詳しい人に書いてほしい気持ちもあります)。

対訳版の公開は期間限定とし、折を見て別の形で公開しようかと思います。

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