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Polonaise No.6 "Heroique" Op.53

一般的なポロネーズ

・男性的
・愛国的

「タン・タタタン・タン・タン・タン」
「外套の下に盾ときらめく刀を持っている」Franz Liszt said
「強大な反抗精神である。高尚な精神的価値のただなかにあるのだから、勇気や戦闘意欲を感じさせなくては。」
「祖国の政治状況に大変心を痛め、無力感を感じていたのです。ポーランドを開放するために何ができるのか。このポロネーズの中でこの愁いを晴らしているのです。」
「不当な運命には何をすることもできないが、このポロネーズのなかではあらゆる事を試みるという感じで。」
「この曲には、かなわぬ願いの全てが現れては解消されるのです。」

模範演奏

構成


1 (だーん たらららら) 序章壮大な何かが始まる
17 (ターン タターン)メインテーマ 優雅な感じ
33 メインテーマの繰り返し
49 (タッタターン、タッタターン)力強く向かっていく
57(ズんタタタッタタタ)したたかな感じ
65 メインテーマの繰り返し
81 (タタタタ、タタタタ) 勇ましいパート
120(タンタタ、タンタタ)おだやかなかんじ
128 (ティーららら、らららら) メロウなメロディでゆらゆら揺れるよう
155 メインテーマの繰り返し
171 最後の盛り上がり

詳細

・イントロ

1,5,9,11小節

半音ずつパターンが上がっていくのであるが、

単純にシフトしているわけではなく

不協和音を含みながら少しずつ違う形で登っていく
戦士たちの行進をイメージさせる2つの部分も違う。
どうしたら、こんな旋律が浮かぶのか、わけがわからない。
「城を攻める兵器が出番を待っているイメージです。
兵器を何らかの機械をイメージしてください。
情け容赦なく続けて、鉄鋼をイメージして」

指使いを譜面に合わさないと、絡まって弾けない。
左手は、4から始まって、1までいったら3に戻って7つのノートを上がっていくパターンですべて同じだが、
右手は、2音重ねて弾いているのと、白鍵と黒鍵の並びの関係で、4つのパターンはすべて違う指使い
特に、3パターン目は、ヒトサシ指をスライドさせる箇所がある。


イントロ終盤:13小節
オクターブで左手が駆け上がるとことは、なかなかスピードが出ない。

・メインテーマ

「1回目はあまり強く弾かず、2回目のためにセーブをしておいて
いつも歌ってください。フレーズを考えて、あなたは歌手なのですよ」


17小節
右手の装飾音は、5と4の指のため力が入りにくく訓練が必要

メインテーマが半音上がるのだが、
その前に、
右手3音、左手4音の仰々しい和音が入る 
19小節
最初1拍は、右と左と同じオクターブ違いだが
後の3拍は、左手が4音なので、一気にバンとは弾けない
下から順番に出ないと指が届かない。
右手の3音は、一番下は、2拍2拍で同じ音、上の2音がメロディとして
動く
左手は、2拍め、3泊目においてドが、3泊目と4泊目においてファがつながって2拍弾くので、ここを支点に運指を感じると、フレーズを覚えやすい。

21小節

左手が、オクターブで上下に飛び回る。
集中し鍵盤を目がけないと、ミスタッチになる。
17のパターンと音程違い。
だが、2回目の最低音は、ファまで下がらないで次につなぐ。
その時の右手は3音、2音とつながるが、3音の真ん中を支点に2音は半音
上がる。

22に右手に装飾音が入って、その時は、和音ではない。
これは18と同じ。

23小節

「開放的に、少しディミヌエンドで少しクレッシェンドです。いつも情熱的で。ひくいところに来たらあまり強すぎない。」
タンタタ、タンタタと降りてくるのであるが、
ンのところが、指でいうと順番より左いずれるので、意識しないとミスタッチする。
最後のタンタタは鍵盤で言うと左にずれる。
音では、気持ちよく降りていくのだが、指は意識して降りていかないと綺麗にならない。ここらが音楽の不思議で科学的医学的に突き詰めると何かあるのかもしれない。

左手はベースのオクターブが上がったり下がったり
コードは3つ弾いたり、2つだったり最後は1つ

25

「軍隊風に」
8部音符に運指の指示が5つづつ、トリルtr
13232

25小節L

左手もベース音に和音を挟んでいる

26小節
右手だけで和音とメロディを弾いてたりする

27小節

2回目はオクターブ上のTr
聞き逃しそうなとこだが、譜面にすると随分と違う
Trの後のオクターブは、黒鍵と白鍵との位置関係で、4-5,5-4と運指が異なる。

28小節

右手3和音とオクターブで交互に上がるのであるが、上の運指は、和音で5を使ってオクターブは4で登っていく、5-4のパターンが結構多い
最後、タン、タータ、タンは、真ん中が常に同じ音なので、2の指を軸に上下オクターブで動かす、と意識して何度も指に覚えさせる。

29小節

オクターブを挟みながら3 or 4和音が登って降りてなのだが心悲しさが絶妙に間の音が選ばれている

29小節L

交互に2つのコードが下がって上がって下がる

30小節

「テンポは守って。」
3オクターブ一気に駆け上がるのであるが、
ラの♭はナチュラルに変わっている。運指はドやファで親指に戻すようにする
この一音だけナチュラルなのはどんな効果になるのか。変イ長調なので 主音だけがナチュラルになって順番に上がっていることになる。

30小節L

左手もオクターブしたで同じ
321 321 4321を繰り返す。

31小節

頭は運指を考えて3がキー。最後の方は、和音の数が増えていくので
抑えるところを間違えないように。
黒鍵が多いのと最後は5音の和音であるが、下の2つを親指で弾かないと上まで届かない。

31小節L
左手はベースで比較的単純にオクターブで上がって下がって、主題に戻る

33小節
メインテーマに戻る。
オクターブ上で弾く。且つ 3音の和音で弾く
ここで指使いを間違うとうまくつながらない。
1回目のテーマではなかった、装飾音とトリル。
「1回目の時よりももっと崇高さが欲しいですね。だからといって強くたたいてはいけません。これは叫びです。」
「祖国を解放するために何ができるのか」
「だから変ロ短調のところは、特にそうです。」
「鍵盤に込める力よりも感動が大切なのです。」

「ショパンがトリルの主要音を示す小音符をつけてるときはショパンが望んでいたことを意味していたようです。拍と同時ですね。時々は変化をつけていいですよ。ショパンのトリルは原則として高い音符から始めるがいつでもそうとは限らない。ここではトリルは主要音から拍と同時に弾き始めるが時々は変化をつけるのです。」


「ディミヌエンドができる。」
「軍隊調にして」

47小節

「大きい楽節の終わりの部分では、アクセントは2小節めにつく」
「左手の自然な動きに任せなくては」「黒鍵はこうあるから、少し鍵盤の奥の方に入り込まなくては」「その方が易しいですね。」

・繋ぎ1

49小節

2回目のメインテーマが終わって、曲調が変わる部分で
タッタタンタン・タッタタンとしたの音が上がっていいって
高音の和音につながる、
和音も上2音と下1音のパターンで続くと思いきや、下2音がちょいと出てくるので油断できない。この変化が流れを美しく、単調にならないコツなのかもしれない。
「ここは『破城槌』をイメージして、敵に占領された都市の門を破城槌でポーランドの兵士が突破しようとしているのです。」「最初の突進です。あまり強過ぎないように」
「2回目の試みを強くするために、最初は少し弱めに始めて、もう少し断固として戦闘的に」

49小節L

右手より、オクターブで動きながら徐々に上がっていく。
タッタ・タン・タッタ・タンと上がっていく
タン・タの部分は、タンの下の音と、タは、そのオクターブしたのオクターブで弾くパターンである。

タ・タンは、下音の上がり度合いより上の音の上がり度合いが多く
不協で落ち着く先のないママ上がっていき、最後の和音は安定の和音で終わる。
「ここは人々が都市を奪回しようとしているのです」
「パッセージは弱く始めなくては」
「まだ、完全に獲得した訳ではありません。」

52小節

単音で上がっていく。32分音符は、結構早い。


52小節L
タン・タラタラ・タラタラ・タタ・タン・タン・タン
リズムをとるのがまず難しい。

56小節

ボロネーズのリズムへの繋ぎの最後


・ボロネーズのリズム


57小節L

ここが、まさに「タン・タタタン・タン・タン・タン」Polonaiseのリズムです。
リズムを刻むのだが、次にどこを弾くのか、指の形と位置が頭の中に入っていないと綺麗に刻めない。同じリズムの繰り返しは、ループする形でメトロノームに合わせて延々とやると、そのうちだんだん気持ち良くなってくる。


57小節
メロディーは、簡単なので、ポロネーズのリズムに載せる。
トリルが難しい。3-2と同じ音で滑らせているのだろうか。
「右手はやや強く。左手はあまり強くしないで。」
「ここは休息のひとときです。もう少し誇り高く苦悩に満ちて」

「再び<アタック>で弾き始めます。」

64小節

テーマに戻る前の繋ぎ部分トリルの後リズムから外れる

・タタタタ

81小節

ここで調が変わる。
左手のオクターブが単調だが結構早い。
83,84は、オクターブを右手と左手で弾く

85小節

指ずかいを考えないとスムーズにつながらない。

87小節

89小節

オクターブの練習


リズムをいろいろ変え、その次には2組づつ弾いてきます。
2組弾けますね。次は3つめ、そして2組弾いて、3つめを弾き、さらに3組づつ弾いて
こうして少し休みます。
こうして2組づつ、3組づつと練習し、今度は2小節と、数を増やします。
そして30分練習して、だんだん早く、だんだん遅く、止まらないで。
筋肉がこのオクターブに慣れるようにします。
疲れたら速度を緩めます。
速度を早めて、あらゆることをやると、後で引くときに楽に弾ける。」

「一つ大切なことですが、パリのサロンでショパンが、
このポロネーズを弾く場に居合わせた人々は、彼らが体験した事によれば
ショパンはこのオクターブを弾いた時、突然、幻覚、幻影を見たのでした。
恐ろしい軍隊の群れがどんどん近づいてくるので、
ショパンは兵士たちの叫びや、武器の物音に恐れをなして、
演奏をやめて、ピアノのもとを離れてしまいました。」

「たくさんの「ミ」「レ#」「ド#」「シ」があるから、このホ長調にきを取られて「ミ♭」の事を忘れがちです。これらの楽句を練習する時は、いつもここから始めて、4回弾かなくては。これらのセクションの全体を4回です。1回に対しホ長調は4回なのです。「ミ♭」の部分よりホ長調の部分の方が4倍もあるからです。」

96小節

「これを弾くには4指で、つまり、親指ー2指ー4指

そして5指、5指。

またこうゆうふうにもできる。

親指ー3指ー5指。

第二の可能性は

親指ー2指ー4指。

2指ー4指。

次が5指。

5指、3指と一緒で、

3−5、そして次は2−4です。

自分の好きな方を選んで、これを容易にするために。」




96小節L

調が変わっているわけではないようだが、半音下がる。

120小節

ここから調が戻るのだが、右手はメロディーとリズムを一気に弾くため
メロディの指ずかいを忠実に行わないと、滑らかにつながらない。


「ここはもっと歌って熱を込めて。人間的でなくては。戦争の大音響の後は、休息。人々は日常を取り戻します。ですから同時にもっと熱気を。」

「一つのフレーズのように、弦楽器をイメージして」

「ピアノを叩かないで左手をもっと弱く。」

「終わりの方は、真ん中の部分を少し歌わせて。「ミ♭」「ド」「レ」和音の真ん中の指です。」

125小節


128小節

メロウなメロディでゆらゆら揺れるように、酔拳のジャッキーチェンを思い出した。行き先が読めなくて、指ずかいをしくじると流れが続かない。

128小節L

左手の伴奏も決して決まったパターンのループではない。
なんと繊細な変化なんだ。

「ここには音色の変化があります。リストが言っていた事ですが、彼自身、何回もショパンが演奏するのをきいたことがありました。これらの低音部はただスフォルツァンドをつけて弾くべきではなく、これらに多少引き伸ばすようなアクセントをつけるべきで、ちょうど遠くに大砲の音がかすかに聞こえるように、ここはひとときの休息なのです。兵士の一部は野営地に戻り負傷者を運んできました。そして休息のひとときにも、別の兵士たちが、戦闘を続けていて、遠くに大砲の音が聞こえています。右手はよく歌い、よく揺れ動かなくてはいけません。」

「ここでは音をきり離して。ショパンはスタッカートの印を強調している。

134小節


指使いは5−4です。ショパンは、5−4−5−4ー3を望んでいました。

『どうして我々は耐え忍ばねばならぬのだ』ここは問いかでです。」

「そうです、音を分けて、

苦悩に満ちて

138小節L

ここは、とても綺麗な弾き方ができます。ちょっと対旋律をつけるのです。」

「あ!苦悩に満ちて」

「とても綺麗ですね。このテノールがこの苦しむ旋律部を支えています。」

141小節

「スタッカートです。」

「何か大切なことが準備されています。」

「あまり強過ぎない。」


147小節

歌わせることができます。

「ラ♭」、「ソ」、「ファ」そして次に「ファ」、「ミ♭」


151小節

左右オクターブのユニゾン
流れが、一定ではなく揺らぐ、揺らぐゆえに指ずかいの注意が必要
音を覚えるのであるが、決まったパターンで降りていくわけではない。

「何かが準備されています。何が起こるのか。」

「再び「アタック」で弾き始めます。」


169小節

171小節

ここは、3連を感じ取るのが難しい。
音は聞き取れても、アウトプットできるかをまず、歌ってみること。
メトロノームに合わせて歌ってみないとレ・ファ・ラ・ドの繰り返しと3連の区切りがあっていないので、なかなかに掴みにくい。



174小節
「手の動き
左手は内側へ向き、そして戻ります。
右手はその逆で外側へ向かいます。
内側と外側です。
二重の弁です。」


177小節

179小節

ショパンには珍しい男らしい終わり方


太字「」は、Cyprien Katsaris先生の言葉




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