いしわれごぜん

劇作家になりたいギリギリ若者。演劇に繋がりはないのでまずは小説で力をつけていこうと思っ…

いしわれごぜん

劇作家になりたいギリギリ若者。演劇に繋がりはないのでまずは小説で力をつけていこうと思ってます。恋愛やコメディーを作りがちですが、ここではたくさんのジャンルに挑戦してみます。

マガジン

  • いしわれごぜんのお品書き

    TikTok用のショート作品のストック場所です。 興味ある役者志望TikTokerはやってみてね(僕に一声かけてくださいね)

  • 音楽室の記憶

  • 食パンの行方

    全5話の短編小説です。 ジャンルはよくわかりませんがご一読いただければ幸いです。 上からお読みください。

  • いろいろ色(短編小説集)

    色をテーマにした短編小説、集めました。

  • 代用プリンセス

    全5話の連続短編小説です。 内容、若干アダルトです。DV、SEX、いじめetc... 上からお読みください。

最近の記事

03.とってもサプライズ(TikTok)

コーシの自宅にて、マイの誕生日を祝っている マイ  おいしい。 コーシ おいしい? ほんと? よかったあ! ケーキ作りなんて初めてで不安だったよぉ。でも大成功! (腕組んでしみじみと→)いやあ、たまには家でお祝いってのもいいよね。 マイ  うん。でもこれ、どっかで食べたような……。 コーシ あ、わかった? 実はこれ「卵のシフォンケーキ」をスポンジに使ってるんだよね。  下の画像を差し込む マイ  あ、あの菓子パンの!? コーシ そうそう! マイも好きでしょ?

    • 02.いずれエブリデイ(TikTok)

      友人のセリフ …テロップ  [ ] …効果音  コーシは友人と食事中 コーシ すんません! ゴチになります!  手を合わせて頭を下げるコーシ 友人 金欠で断ってたんだ コーシ そーなんだよ、最近記念日が重なってて。(自嘲気味に→)なのにライブ行って大出費。ははは。……あ、でもそれだけじゃないよ、他にも色々制作が忙しくて___ 友人 制作?  コーシは思い出したように コーシ そーだった! お前も出てんだよ。だから出てくれよ。 友人 何に!? コーシ まあ色

      • 01.スマートに会計したがる男(TikTok)

        レストランでデート中 食事が終わってそろそろ帰るところ テーブルの上には空いた皿と伝票と男の財布がある コーシ 美味しかったね。また来ようよこのレストラン。(時計を見て→)……じゃあそろそろ出よっか。トイレ大丈夫? マイ  さっき行ったよ? コーシ あれ、行ってたっけ? ……じゃ念のためにも1回行こ? マイ  ??? だいじょうぶ。 コーシはちょっと焦って コーシ んー、でも一旦行っとこうよ。 マイ  一旦!? コーシ だって次までもつ? マイ  なに? こ

        • 新たな試み始めました!

          ※写真はいしわれごぜんの80倍イケメンの 役者こーしくんです。 役者志望の友人が TikTokを始めたということで 劇作家を目指すいしわれごぜんは 彼にTikTok用脚本の提供をスタートしました。 今後その台本は このnoteに掲載していく予定なので 「私も役者目指しててこの本やりたいよー🙌」 って方はぜひぜひ引っ張ってっちゃってください。 その際はいしわれごぜんに一声いただけますと幸いです。 役者志望のこーしくん そしていしわれごぜんの活躍にご期待くださいw

        03.とってもサプライズ(TikTok)

        マガジン

        • いしわれごぜんのお品書き
          2本
        • 音楽室の記憶
          2本
        • 食パンの行方
          5本
        • いろいろ色(短編小説集)
          9本
        • 代用プリンセス
          5本
        • 椿の花が咲いていた。
          2本

        記事

          ご報告とお願い

          . . えー。ご報告 改名します! いしわれごぜん を今後のペンネームにしていきます。 理由といたしましては "前のペンネームを小説作家名にしたいから"です 小説では顔を出さず ジェンダーレスでいきたいので あちらを小説作家名 そして今後「いしわれごぜん」を 劇作家名としました。 次におねがいです。 フォローしてくださってる方で 私の以前の名前がちょっとでも記憶にある方 えー、それ。抹消してください。笑 「忘れられないの」って サカナクションみたいなこと言う方は

          ご報告とお願い

          勇気一つに嫌われて

           風呂からあがると上の娘、カナエが妻と下の娘、サナエに歌を披露していた。 「じょうず、すごいすごい」  妻の拍手に合わせてサナエもおぼつかない拍手を姉に贈る。  カナエが私に気づくと、パパがきたからもう1回ね。とまたテレビを背に歌い出した。彼女が歌っていたのは、私や妻の世代でも当時は歌わされた曲だ。哀愁のあるメロディーに懐かしさと、まだ音楽の教科書に載っていることへの驚きもあった。しかし曲名が思い出せない。 「今ちょうど授業で歌ってるんだって」  先に上がらせたサナエ

          勇気一つに嫌われて

          キョウセイ

          「どお? なにかわかる?」 「いえ、すいません」  このスッキリとして面白味のない白い箱のような部屋が、私たちの部屋なんだと彼女が教えてくれた。彼女は、そう。とだけ答えてから努めて明るい顔をした。 「焦んなくてもいいよ。これからゆっくり思い出していけばいいんだし」 「……はい」  僕が無くした記憶は、ちょうど親元を離れて仕事を始めたあたりからの6年間ほどだと思う。記憶の中の最後は、実家の天井を眺めながら眠っていたから。 「とりあえず、事務所さんからも活動休止の許可はも

          石橋効果(短編小説)

          [木/石橋/南京錠] 前々から嫌だと言っていて今日も全く乗り気になっていない私を、こうまでして無理やり連れ出すのにはなにかしらの理由があるはずだと、この状況で誰しもが思うだろう。 大学のキャンパスから40分ほど車を走らせたところにある廃病院。多分私の通う大学の学生のほとんが一度は来たことがあるほどの有名な心霊スポットだ。 ただ私は小さい頃からオバケの類が大の苦手で、学園祭の教室に入って出てくるだけのチープなお化け屋敷にも入ったことがない。 しかし夏休み中の大学生たちにと

          石橋効果(短編小説)

          夢(短編小説)

          ときどき、見る夢の話です。 チームメイトたちは、さほど効果に期待もしていないストレッチをしたり、ピタピタのラップを剥がして小さくて冷たそうなおにぎりを齧ったり、せっせとエナメルバックから着替えを取り出したりしています。 その間、僕は誰にも話しかけませんし、話しかけられもしません。汗をぎりぎりかかない程度に、鳥肌もぎりぎり立たない程度に焦っているのです。 久々のスターティングメンバーで、最初は心を踊らせていたと思います。ここで活躍してやるって、意気揚々と。ただ、その威勢は

          夢(短編小説)

          違和感(短編小説)

          [悲しい顔/三日月/時計(4時)] うっすらと目を開けると、鼻のすぐ先で陽輔が目を細めていた。 「起きた?」 「起きた」 この景色はよく見る。 私が目覚めると、彼はじっと私の顔を眺めている。それの何がそんなに面白いのだろうか、彼は見ていて飽きないんだ。と言った。どのくらいそうしていたのか訊いても決まって、わからない。とまたいつものように微笑む。 でも今日は何かが違う、変な違和感があった。 部屋が薄暗いんだ。 「何時?」 私が尋ねても彼は小首を傾げて表情を変えない。 ベ

          違和感(短編小説)

          ドラマみたいだけどドラマみたいにいってない。(短編小説)

          [カギ・カミナリ・ハチ] 死んだと思った、ほんとに。いや、たぶん実際に死んだんだと思う。 だって寒さをほとんど感じないし、ほとんど何も聞こえない。 今私は気温も音も、そういう概念がないところにいるんだろうか。 これが天国ってやつなんだろうか。でも、それにしては何だか味気ない気がする。 ということは地獄? それにしては生ぬるい気がする。 だって今目の前に広がっているのは、重たい色の雨雲とその色に近いアスファルトと、行儀よく両端に並ぶ住宅だけ。 そしてこれはだいぶ見覚えのある

          ドラマみたいだけどドラマみたいにいってない。(短編小説)

          小説の題材に…

          ちょっと面白そうなこと始めてみます。 たまたまドンキで見つけたこれ。 「ストーリーキューブス」というボードゲームなんですが 中にはサイコロが9つ その目にはさまざまなイラストが描かれています。 でた目に描かれたイラストを取り入れて物語を作っていくというゲームなのですが これ小説の題材によくない?笑 と思いまして購入。 これを使って短編小説を執筆、力をつけていきたいと思います! 今は主に私の書いた作品を見てくださるプロ作家の師匠がいらっしゃるので 主に新人賞を狙うた

          小説の題材に…

          はしり書き(たぶん詩のようなもの)

          私は傘をすぐに無くす。 雨の駐車場、あたりのアスファルトは重たい色になっている。 目の前の自動車のテールランプが光り、なんの躊躇いもなくゆっくりと発進していく。 するとそれまで自動車がいた部分だけ、明るいグレーがくっきりと浮かび上がっている。 しかしひとつ、またひとつと雨が容赦なく守られていたそこに降りかかる。アスファルトが雨で濡れていく。気づけば明るかったグレーは見る影もなく、あたり一面のアスファルトに虚しいほどに溶け込んだ。 これはあなたなのだと錯覚した。あなたは今まで、

          はしり書き(たぶん詩のようなもの)

          ナンデ会議(短編小説)

          「では、今日の議題を発表します」 学級委員長のフウマくんの号令とともに、書記であるカナちゃんが黒板の向かって右端に、大きくチョークを走らせた。 彼女が書き終えたのを確認した後で、フウマくんはみんなの方へ向き直った。 「はい。今日は『なんで宿題をやってこなければいけないのか』についてです」 不定期で開かれる、僕たちが日頃疑問に思っていることについて考える会議、通称『ナンデ会議』は、「なんで地球は回っているのに僕たちは目が回らないのか」という大きな議題から、「なんで買い食い

          ナンデ会議(短編小説)

          コイツがクイズを思い出しているときに考えていたこと。(短編小説)

          「ねえ、ちょっとこのクイズ答えてみて」 「どうしたん? いきなり」 *** 1泊1部屋3万円のホテルに3人で泊まったら1人1万円です。 フロントマンが、3人分の3万円を受け取りました。 そこへ支配人がきて「1000円割引してやれ」と言いました。でも1000円は3人で割り切れないため、フロントマンはとりあえず1人300円ずつ渡しました。 そして残った100円は自分のポッケに入れました。 結局客は1人9700円払ったことになりますね。300円足せば1万円になるし、3人合わせ

          コイツがクイズを思い出しているときに考えていたこと。(短編小説)

          エースとタマゴ(短編小説)

          仕事が思うようにいかず難航しているときに俺は、玉子の甘いオムライスを食べたくなる。 「君は、なんというか。オムライスみたいだね」 小4の頃の友達に言われた何気ない比喩が思い出される。 ***** 「どういうこと?」 それを言われたのは、僕らは2人でお弁当を食べていたときだ。 少年野球チームに所属していた僕とその友達ヒロアキは、土曜日の練習試合のお昼休憩の時間に、互いにユニフォーム姿だった。 ヒロアキは僕の持つ、お母さんが持たせてくれたオムライスと僕自身を見比べるよ

          エースとタマゴ(短編小説)