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ファミリーキャリアって? -いまこそ、家族のキャリア戦略を考えよう-【イベントレポート】

グロービス・ワーキングペアレンツ・クラブ幹事の大池(2019期オンライン校)です。5月20日(金)に実施した「ファミリーキャリアって? -いまこそ、家族のキャリア戦略を考えよう-」のイベントレポートをお届けします。

本イベントは、昨年の7月に開催したイベントの第2弾!
家族も自分も状況は変わっていきます。定期的に開催していこうと、また来年も開催を計画中です。今回参加を逃した方も、第3弾をお楽しみに!

さて、ファミリーキャリアについておさらいです。

ファミリーキャリアとは、人生における「家族としてのキャリア」のことで、ハーバードビジネスレビューに2018年に掲載された考え方です。
共働き夫婦が、どちらか一方の機会を犠牲にせず、双方の人生とキャリアを充実させるには、夫婦共同で「家族としてのキャリア」を臨機応変に組み立てていくことが必要で、その形には少なくとも5つの夫婦のモデルがあると紹介されています。
(ハーバードビジネスレビュー:共働き夫婦の人生を充実させるには、「家族としてのキャリア」計画が必要である より)


ファミリーキャリアの5つのモデル

ハーバードビジネスレビューの上記記事を元に、日本の会社における「あるある」の具体的事例を交えながら、クラブ代表の佐治さんより、それぞれのメリット、デメリットとともに、説明がありました。
みなさんのご家庭は、どれに当てはまりますか?将来どうありたいですか?是非ご自身の未来をイメージして考えてみてください。

シングルキャリア(専業主婦・主夫)
夫婦の1人が、すべてを決定づけるキャリアを持っていて、配偶者と子どもはそのキャリアに従う。

リードキャリア(夫は正社員、妻はパート等)
シングル・キャリアから派生したモデル。一方のキャリアが明らかに支配的で、夫婦の生活の場所や、転居先を決定づける。パートナーは、パートタイムや融通のきくフリーランス、あるいは教職やオンライン作業などのキャリアを持っている。

並行型キャリア(夫も妻もバリバリ働く)
それぞれが似たような、非常に有力なキャリアを持つ夫婦で、「パワー・カップル」と呼ばれることもある。互いに補強し合う職業的ネットワークと知識を持ち、互いのキャリアを強化し合っていることが多い。

交替型キャリア(今は夫がMBA。卒業したら妻が取得等)
それぞれが次の昇進や地理的な移動に対する優先権を持ち、パートナーは役割の調整に合意する。

補完型キャリア(夫は夜勤。妻は日勤等)
仕事の性質、キャリアフェーズ、繁忙期、時間帯など、多様性のある夫婦のキャリアにおける年間あるいは人生の段階において、両者の大変な時期が重ならない。

夫婦のキャリアは夫婦で作る。
だけど女性がキャリアを抑えるのが当たり前の風潮はまだまだ消えません。
この機会に夫婦で今後どうしたいのか話し合ってみませんか?

という投げかけのもと、続いて3名の方のパネルディスカッションへ。


キャリアは夫婦それぞれ、話し合いをしお互いに納得することが重要

夫婦のキャリアを多様化!家族の成長過程で全員にとってベストなバランスを追及

トップバッターは、グロビ卒業と同時に脱サラ→起業した、JimoKids代表の畑川さん。
通信キャリアに勤めるパートナーと、長男(中2)次男(小4)のお子さんがいらっしゃいます。
ご夫婦そろって、グロービス生。パートナーは、2013年に入学。卒業と入れ替わりで畑川さんが、2016年にグロービスに入学されました。グロービスでの学びを機に、パートナーは社内転職。畑川さんは、退職し、育児をしながら起業経験を積むという選択をし、自宅近くの築60年の蔵をリノベーションし、コワーキングスペースを運営。

共働き時代の並行型キャリアから、グロービス生時代の交換型キャリアへ。現在は補完型キャリアで、お子様の成長に併せ、並行型キャリアにシフト予定。パートナーが退職して、お子様が大きくなったら、また別のことができるよね。と話し合いながら、キャリアを選択されているというお話が印象的でした。


北区滝野川にある築60年の蔵を改装してオープンした、大人と子どもの”サードプレイス”JimoKids。→ホームページはこちら

ライフイベントと折り合いをつけながら、対等なパートナーシップを模索中!

お二人目の登壇者は、グロービス・ワーキングペアレンツ・クラブの幹事でもある2019期の原田妙子さん。パートナーと2歳のお子さんのファミリー構成。

なんとなく自分は、並行型キャリアでバリバリ働くんだろうなーと思っていたが、結婚と同時にパートナーの海外転勤が決まり、休職をして渡米することを選択されました。
渡米前からグロービスの入学は決まっていたため、オンラインで学びながら、在学中、出産・育児というライフイベントも経験。
グロービスはインプットよりアウトプット重視型の学びで、実践で活かすには?を考えていきます。休職中の原田さんは、実務と離れていたため、成長実感を感じられず、一方で、大きなプロジェクトで海外でメキメキキャリアを積んでいるパートナーを見て、もやもやする毎日だったそうです。
そんな中、キャリアを長期目線で考えるというアドバイスをもらい、次は私の番!と頭を切り替えることができたといいます。
現在は、グロービスも卒業し、パートナーも海外転勤から帰任。次は、原田さんがアクセルを踏むリードキャリアへのシフトを。と夫婦で合意。原田さんがアクセルを踏むのは比較的簡単な一方、パートナーが緩めるのが難しいと感じながら、対等なパートナーシップを模索しているとのことでした。
夫婦がお互いに納得してキャリアを選択しても、企業側が男性のアクセルを緩めることを認める文化ではないという場合もあります。とはいえ、夫婦で継続してキャリアの話をしていくことの大切さを原田さんのお話を聞いて学びました。

ファミリーキャリア = 家族全員の「やりたい」を応援して、理想に近づける生き方
続いての登壇者は、2020期東京校の佐藤正幸さん。昨年お子様が生まれ、今年の5月にパートナーは復職。

結婚後は並行型キャリアで、お互いが納得してやれていればいいよねという考え方で、ふたりともバリバリ働く毎日。そんな中、お子様の誕生で、お二人のキャリアは転換期を迎えます。佐藤さんは、出産後に1ヶ月の育児休暇を取得。法改正もあり、男性の育児休暇は後押しされている風潮にあるものの、実際に取得してみると、ネガティブなことも言われたりと、まだまだ慣習として浸透していないと感じたそうです。
そして、1ヶ月の育児期間中に色々と手伝う中で、「こんなに大変なんだ。」「こういうことを分け合えるといいんだ。」ということがわかったと言います。パートナーは育児期間中に資格を取得したいということで、佐藤さんと勉強時間を分け合いながら、夫のリード型キャリアの中でも、次の並行型キャリアに向けての準備をされています。
日系の日用品メーカーで研究職だった佐藤さん。今年の1月から全く違う職種へ転職。
パートナーも復職し、キャリアというものは長期で見るものだと思いつつも、日々の忙しさ、大変さに追われる毎日とのこと。
ネットスーパーの活用、祖父母のヘルプ等色々と工面しながらの毎日とのことですが、夫婦でキャリアについて話しているからこその安心感、協力につながっているのだなと感じました。


夫婦で話し合うことの大切さを実感

パネルディスカッションの後は、記入したファミリーキャリアシートをお互いに見せ合いながらグループディスカッション。
参加者の皆さんから頂いたコメント・感想をご紹介します。

  • 今回のイベントを機に夫婦で相談。書き出してみると思いの他、まだ人生いっぱいあるじゃんと思った

  • キャリアを選択するタイミングでもう少し相談すればよかった

  • フルタイムに戻ったら交換型キャリアにシフトしたい

  • 家庭のことを考えて時短を選択していたが、どうしても仕事がサポーティブになってしまう。並行型キャリアに向けてどう準備をするといいかの参考になった

  • お金が必要な時期も入れておくと、キャリアの選択に参考になりそう

  • 子供がいても夫が多忙でも工夫次第でキャリアを築けることが改めて分かった

夫婦だから、いつでも話せると思っていると、なかなか話せずに日々が過ぎてしまうということもあると思います。お盆と正月、目標を立てるタイミングで、夫婦で今後のキャリアについても話し合ってみるのはいかがでしょうか。


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