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日本語試験に合格した先生

語学学校で継続して学ぶためには、カリキュラムと料金と、そして自分に合う講師と出会えるかが鍵であると思う。

私が利用しているフランス語学校には、カリキュラムはなく、無料のオリジナル教材がたくさん用意されていて自分でカリキュラムを組むことができる。料金は50分マンツーマンレッスンとしてはちょうど良いもので、私はこの学校がとても気に入っている。

講師との相性について、こればかりは実際に受講してみないとわからない。お試しレッスンでもなかなかわかりにくいものだ。
何人か、そして何度か受講してみて、はじめて講師との相性がわかる。
私もこれまでそれなりの人数の講師のレッスンを受講してみて、どの講師もそれぞれ個性があり、熱心で、レッスンが楽しいことには変わりないが、やはり何かしら感じるところはある。


その中に、入校してまもなくからずっとレッスンをしていただいている男性講師がいる。
彼はフランスの職業高校と大学で教員をしていた経験があり、理知的で、穏やかな講師である。非常にまじめではある反面、時々茶目っ気のあることを言う。黒澤映画に魅せられて、剣道を習っているそうだ。


彼は日本に在住しており、多少日本語ができる。レッスンはほぼフランス語で行われるものの、場合によっては日本語で説明してくれる。その日本語がまだたどたどしく(私のフランス語よりマシだが)、一生懸命日本語を話してくれる様子がとても愛おしい。

先日、レッスンの手始めに「最近どう?」と尋ねると、ニコニコして「日本語の試験に合格したよ!」と彼が言った。聞き取りが間違っていないか確認すると確かに合格したという。私は我がことのように嬉しくて、何度もおめでとうを言った。


言語の学びやすさというのは、母語と相手言語との距離感にあるという。たとえば、日本語話者にとって中国語・韓国語は、欧米の言語に比べて学びやすいことは直感で理解できる。日本語とフランス語では言語体系が全く異なるので、お互いに難しいと感じるのは当たり前だ。日本人にとっても難しい漢字は、彼にとっては尚更難しいだろう。
講師と生徒ではあっても、お互いの言葉を学ぶ同士、試験に合格した彼に私は拍手を送りたい。

彼もまた、外国語を学んでいる一人なのだ。


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