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知り合い以上友達未満

父は生前、私に訪問客や迎えの人が来たり、あるいは出先で誰かと会ったりすると、「あの人はアンタの何?」と尋ねてきた。「何?」というのはもちろん関係性のことを言っている。
親として、特に父親として娘のことが心配なのはよくわかる。まして体が不自由な娘にもしものことがあったら…というのは、自分の子がいない私にだってヒシヒシとわかる。
しかし、正直ウザいと思っていた。

父が子供~青年期の時代はおそらく、血縁・地縁・学縁・社縁・趣縁の5つだっただろう。そんな父からしたらネットを介して繋がる関係なんて理解できるわけがない。
父に尋ねられた時は面倒なのでたいてい「仕事関係」か「友達」と説明した。

よくよく考えてみると、人間関係をカテゴライズするのはなかなか難しい。
子供の頃なら「友達」「先生」「親戚」などと、きっちりカテゴライズできたものの、大人になるとカテゴライズできないあやふやな関係もできてくる。

たとえば、知り合いというよりは知っているし、友達とハッキリ言いにくい関係。
「これが友達の証」という目に見えるものなどないし、「友達になりましょう!」と宣言することはあっても、どこかフワフワしている感じがする。 
そこには時間や”事件”が必要で、長年付き合っていて気がついたら仲良くなっていたとか、何かをきっかけに急速に仲良くなったとか、そんなときにはじめて「この人は友達である」と認識できるものだ。

私は、知り合い以上友達未満というその立ち位置にもどかしさを感じながらも、日々ミリ単位で進んでいく関係にちょっとした喜びも感じている。
大切にしたいという気持ちを投げかければ、きちんと同等かそれ以上のものが返ってくる。
そんな安心感が、私の心を満たしている。


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