気分的極短編「光をかき鳴らせ」
最後の一音が鳴りやみ、ライブハウスの薄暗闇に明るい希望が満ちた。
先輩たちの演奏は本当にカッコいい。
だけど、そんな先輩たちは今日、さっきの音と共に引退してしまう。引退してしまった。
点滅する青、緑、ピンク、赤、オレンジの光。
イントロが静かならうっすら青い光。
明るい曲なら緑色。
お洒落ならピンク色も。
盛り上がるところで赤やオレンジ。
激しいところではストロボ。
あくまでも瞬間的なフラッシュバックの中だが、先輩たちは感情高ぶる光を乗りこなしていた。
次は俺たちの代。
先輩