政府を株式会社として考えることの意味

私は政府の国債が負債計上されていることを考えてたら、あることがわかった。誰も政府を株式会社として考えたことがないということである。細かいところまで検証していないので、おおまかなアイディアだけ述べる。というか既に実際されているようである。政府の資金調達方法をデット(負債)勘定ではなくエクイティ(株主資本)勘定で考えることである。政府にとっての資金調達方法を国債というデットファイナンス(借入)ではなく、これをエクイティファイナンス(株主資本調達)にする。そうすると、考え方が180%変わる。ファイナンス主体は、元本は返す必要がない。利益が出たら配当金を払う。これは極端な例だ。しかし、国債をデット(負債)勘定からエクイティ(株主資本)勘定へ移動することで、国債は政府にとっての純資産になる。負債から資産に代わるのである。ここがポイントである。政府は、エクイティ(株主資本)勘定として国債を発行する。それは、日銀が買い取った段階で、日銀当座預金に代わる。これは日銀による通貨発行を意味する(ただし決済用資金)。したがって、政府は国債を返さない、政府も日銀に償還金を払わない。そうすると政府と日銀のバランスシートは膨れ上がっていく。しかしこれでいい。株式会社のバランスシートを膨れ上がらせるということは、会社が成長していることを表している。ただし、デットファイナンス(借入)でバランスシートが膨れ上がるのと、エクイティファイナンス(株主資本調達)でバランスシートが膨れ上がるのとでは意味が違う。前者は債務超過を来しうるが、後者は一応は健全な会社の成長度を表す。

 日銀の保有国債の行方を追って行って、そう考えるに至った。日銀保有の国債が増えていけば、当然日銀のバランスシートは膨れ上がる。しかし、資産が膨れ上がっているので、日銀の成長を表している。(断っておくが厳密性に欠く表現ではあるかもしれない)。同じように政府も、国債がエクイティ(株主資本)勘定であれば、これが積み上がり、バランスシートが膨れ上がることは、政府の成長を意味する。

財務省は会社の経理部である。経営企画部ではない。だから、バランスシートが成長することの意味を体感できないのだろう。せっかく政府の国債が日銀に保有されることで日銀当座預金が増えるというのに、これを政府は国債整理基金特別会計で償還してしまっている。なんともったいないことを・・・!通貨を減らしているのだ!。償還すべきでない国債という資産を償還してしまっているのである。財務省は政府の経理部にすぎないという分をわきまえて欲しい。経理部に経営ができるはずがない。

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