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辛いならTwitterから逃げろ

あまりに痛ましい放火事件が発生した。たった一人の凶行で未来ある33人もの人命が喪われた事実に、胸を裂くような悲しみに襲われた人はあまりにも多い。僕自身、怒りや嘆きが混ぜこぜになったヘドロのような感情が湧き出てくるのを感じる。

だからこそ、今は可能な限りSNS、とりわけTwitterに触れるべきではないのだろう。不特定多数とつながる事が出来るのがSNSの利点だが、今現在はこの特色がデメリットになってしまっている。この事件に悲しむ人があの場にいたら、きっと際限なくストレスを抱える事になる。

主観ではあるが、Twitterは不安を煽る内容が山のように流れてくる。将来を憂いたりする呟きが頻繁に"バズる"傾向にあるのだ。例え自分から検索しなくても、何の前触れもなく悲観的な呟きがリツイートで流れてくる事なんて日常茶飯事である。

例えば、いわゆる「無敵の人」による犯罪が起きると、「今後もこうした犯罪は増える」と将来を悲観する呟きが出てくる。そしてそれがバズり、多くのユーザーの不安を煽り立てるのだ。犯罪に限らず、労働や経済の話でも不安を煽ってやっぱりバズってしまう。

他にも、トレンドに暗い話題に関するワードが出てきた事など数えきれない程あった。昔はトレンドの調査対象を日本から別の国に変えれば良かったのだが、今では画面の上部にデカデカとニュースが載るようになってしまっている。最悪な改変だ、勘弁してほしい。

少なくとも、Twitterにいると否応がなしに辛いニュースや不安を煽る呟きを目にする羽目になるのは確かだ。人間は暗い話題ばかり見ているとより暗い話題を求めたがる傾向があるらしいので、ドツボにはまると体調まで崩しかねないし、実際崩す。

参考:暗いニュースばかり見ていると更なる悲劇を求め不幸のサイクルにはまり込む(米研究) 

業界の未来を憂う気持ちも、事件の全貌を知りたい思いも理解できる。僕自身、昔は陰惨な事件についてつい深追いしてしまった事があった。その結果、無駄な時間を使った挙句、精神までむやみに疲弊する羽目になったのだが。

だから、陰惨な情報ばかり流れてきてあまりに辛いなら、SNSから逃げるべきだ。スマホからアプリを消し、ブックマークからリンクを取り除くべきだ。別にそれが今生の別れになる訳じゃない。ほとぼりが冷め、自分の感情を落ち着かせたのなら、もう一回アプリをインストールし直せばいいだけの話だ。

小説やスポーツ、映画に筋トレ。しばらくの間集中して取り組めるものなら、どんなものだっていい。なんならエロ本を読んでたって構わない。とにかく、別の作業に没頭する事で、辛い出来事から無理にでも自分を切り離さないといけない。

事件から目を背ける事に罪悪感を覚える人も、少なからずいるだろう。けれど、そのせいで精神を疲弊しては本末転倒だ。どれだけ感情を乱しても、終わってしまった事はもう変えようがない。どうにもならない事象から逃げるのは、時として罪ではないのだ

余談だが、この事件を受けて「アニメ業界は衰退する」と嘆くのもどうかと思う。なにもアニメを作っているのは今回被害に遭った場所だけではない。例えば、昨日公開された「天気の子」を作ったのはコミックス・ウェーブ・フィルムだし、大ヒットした「プロメア」はトリガーの製作だ。

あまりにも悲痛な事件である事は間違いないし、喪われた命も道具も何一つ戻ってはこない。けれども、ネガティブな感情で業界の破滅を憂うのは早計だし、他の制作会社への冒涜だ。第一、そんな事を考えてるのは精神が病みかけている証拠なのだから、早急に自分を休ませてあげた方がいいだろう。

明日は「天気の子」を観に行こうと思う。晴れているのを祈ろう。

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