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ちょっとした驚きをこの一皿で。 ー「とろとろキッチン」石川さんに聞く、“とろっ” “ぴりっ”の秘密

時間をかけてゆっくりと煮込まれた牛すじやスペアリブで一度食べた人を離さない「とろとろキッチン」。20年以上のTVディレクターのキャリアから転身し当店を営業する石川さんに、「とろとろ」にこめる独自の想いをうかがいました。



石川北二さん
「とろとろキッチン」代表。大学卒業後テレビ番組のディレクターとして活動し、 「情熱大陸」やEテレの子ども番組など数多くの制作に携わる。 2023年よりgrow up commonsに出店

TVディレクターから料理の世界へ

—これまではどういったご経歴を歩まれていたのですか?

石川さん:
大学を卒業以来ずっとテレビのディレクターをやってまして、バラエティ番組からドキュメンタリー、ドラマなど色々な作品を作ってきました。子供ができてからは、子供番組の制作にも携わり始めて、そういった映像業界でずっと仕事をしていましたね。

—私が観ていた番組のクレジットに石川さんのお名前もあったかもしれないですね…!

石川さん:
自分が結構凝り性なので、番組を作る時も世界観を描いていく作業が好きでしたね。この表現はイラストが良いのか、はたまた写真か。このナレーションは日本語じゃなくてフランス語の方が良いんじゃないかとか。一度見て終わりではなく、作品と呼べるものを作りたいとずっと思っていました。

そういった絵や文字の世界で仕事をしてきたので、こうして飲食店をやる時も看板やポップには拘っていて、料理と絵がリンクした雰囲気を楽しんでもらえたら嬉しいですね。

—テレビ業界にいた頃から飲食業には関心があったのですか?

石川さん:
もともとそこまで料理に興味があったわけではなかったのですが、あるドキュメンタリー番組の撮影が今にすごく影響を与えてくれました。とある番組で料理人や農家の方を取材する機会があって、そこで聞いた彼らの考え方にシンプルながら感銘を受けて。例えば、鹿肉の料理を作るときに、何と合わせたら1番美味しいかというと、その鹿のいる山で育った食材なんです。何か特異な組み合わせをするのではなく、繋がりがある中で料理ができていることを知った時に、すごく素敵で、かっこよくて、そして自分もやりたいと。それが15年くらい前の話です。

得意料理からはじまった「とろとろ」へのこだわり

—とろとろキッチンとして本格的に料理の道に進まれたのはいつ頃からだったんですか?

石川さん:
ちょうどコロナ禍の頃に犬を飼い始めたんですよ。犬の面倒を見る時間ができて、一緒に散歩に出たりして。その時に同じ犬仲間のコミュニティに出会ったんです。彼らと散歩がてら話していたら、 結構同世代の人が面白いことやってるんですね。それこそシェアキッチンを借りてラーメン屋さんやおにぎり屋さんをやっていたり。 僕もずっと料理が好きだったので彼らのお手伝いでイベントに参加したりしていて、それがいつの間にかエスカレートして「料理を仕事にできないかな」「いつか自分のお店が持てたらいいな」と思うようになり、grow up commonsで試験的な営業を始めるようになりました。

—今実際に取り扱ってるカレーやスペアリブ、プリンとどれも美味しそうですが、こういった商品で始めようと思われたのは何か理由はあったんですか。

石川さん:
スペアリブは家でかれこれ15年以上作り続けてきた、いわば得意料理ですね。記念日には絶対作るような僕にとってのスペシャルメニュー。

他に何が作れるかという時に、僕はよく圧力鍋を使って料理をしていたので、とろとろのものなら上手に作れると思ったんです。とろとろに限定すれば自分にもできるし、"とろとろ"って引きがあるキーワードじゃないかなと思って、時間をかけて煮込んだ牛すじのカレーも始めてみました。

—先ほどカレーを食べさせていただきましたが、舌の上で自然とほどけるような食感に驚きでした。なのに肉の旨味はぎゅっと詰まっていて、美味しかったです。

石川さん:
良かったです。ちなみに付け合わせにもこだわっていて、コールスローにカルダモンを入れたり、煮卵も3日間じっくり味を染み込ませたり、まさにちょっとした驚きを感じられるものにしたいと思っています。あとは、写真に撮った時に映えるような見た目ということを意識してますね。

—あの爽やかな風味はカルダモンだったんですね!

石川さん:
4種類揃えているプリンはよりスパイスを楽しめるようにしていますよ。最初はソースの味がして、段々と優しい甘さが口の中に広がる。最後にピリピリっと後味が来るような、味の変化を楽しんでいただけたら。元々自分が癖のあるスパイスが好きだったので、作るのもすごく楽しいです。

—石川さんの好きなものが融合した料理が揃っていますね。

—石川さんにとって理想の「とろとろ」はありますか?

石川さん:
ちょっと優しく落ち着くような、幸せな気持ちになるような、そういう料理だったらいいなと思います。 とろとろという言葉自体が優しさを感じるキーワードだと思うので。

あとは、ちょっと癖になってまた食べてみたいと思ってもらえるものを作っていくことが理想です。

ここでしか食べられない、オリジナルの料理と出会う

—お住まいはたまプラーザのお近くですか?

石川さん:
そうですね。結婚してから20年ぐらいはずっとたまプラーザに住んでいます。最近はどんどんおしゃれになってきていますが、ちょっと駅から離れたら畑があったり、山があったり、のどかな雰囲気が大好きです。

—家の近くにあるというのも一つ大きな理由かとは思うのですが、それ以外にgrow up commonsで今現在テスト営業されている背景はありますか?

石川さん:
まずは自分の足元からやろうと思ったからですかね。たまプラーザだからこそ、こういうものだったら好まれるかなとか、住んでいる方の特徴や嗜好がイメージしやすいんですよね。これは感覚的な話になりますが、たまプラーザには生活を楽しんでいて、人生に楽しみを見つけるのが上手な人たちが多く住んでいる気がします。心にゆとりのある方がうちにもよく来てくださる印象です。

—1番初めにご自身のお店を持ちたいというお話がありましたが、具体的な展望はあったりしますか。

石川さん:
具体的に言うと、たまプラーザか青葉台でお店を持ちたいと思っています。ただの道楽に終わらせず、これで食べていける生活にしていきたいですね。テレビの仕事は若い人たちに任せて、今は自分が楽しく個性を出せる仕事をしたい。周りに過度に気を遣わず、好きなことがやれて、自分を解放できる、これはとろとろキッチンだからこそできることです。

今年中か遅くても来年にはお店を立ち上げられるように。それが本当にできるのかを検証するためのテスト営業なので、今はその思いで結果を出したいと思ってます。

—ぜひgrow up commonsにいらっしゃる皆様へ一言いただきたいです。

石川さん:
オリジナルの料理を食べてもらいたいと思っている方たちが毎日出店されているので、すごく面白い場所だと思っていますし、美味しいものに出会える場所だと思っています。自分のお店だけではなくて、ぜひ別の日にも足を運んでみてほしいです。逆に他のお店が美味しかったら、次はうちにも来てみてくださいね。


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grow up commonsアクセス
東急田園都市線「たまプラーザ駅」から徒歩5分!


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