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社員が個人情報を漏洩!責任(損害賠償)を取らせることはできる?

皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今日のテーマですけれども、社員が個人情報を漏洩!その社員に責任(損害賠償など)を取らせることはできる?というお話をしたいと思います。

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社員が個人情報を漏洩してしまった場合は誰が責任を負うの?

これはよくあるケースですが、社員が個人情報を漏洩してしまった場合、対外的には当然、社長なり経営陣が責任を取ります。しかし、実際に漏洩したのは社員なので何かしらの責任を取らせたいと考えた時に社内的な処罰はあるかもしれませんが、何か責任を取らせる方法はあるのかということでご説明したいと思います。

まず対外的な対応としては、個人情報漏洩の場合、会社としては個人情報保護委員会に報告をする必要があります。速やかに報告をしなければ行政指導、勧告、公表となってしまうので、これは必ず行ってください。そのほかには個人情報を漏洩されたユーザー側から損害賠償請求をされる可能性があります。さらに個人情報保護法には刑事罰があるため刑事罰になる可能性もあります。これは対外的なところなのできちんと個人情報保護委員会に報告をすると刑事罰になることはないと思います。しかし、仮に隠蔽などをすると悪質性があるされ刑事事件になるかもしれません。

社内に損害賠償請求ができる?

では次に対内的に社員に損害賠償請求ができるのかというお話です。これは個人情報の漏洩に限った話ではありません。備品を壊した、取引先に何らかの迷惑をかけたなどの場合に社員にその分の責任、会社側が被った損害を請求できるのかというと、請求はできます。ただし、全額の損害賠償は無理だと考えてください。やはり社員の責任も含めて経営陣の責任とするのが基本的な裁判の考え方となっているため全額は認められていません。経営陣が完全に整えた状況下で社員が重大なミスを起こした場合やその悪質性から半分が認められた例もありますが、これまでの裁判例では全損害の4分の1が相場かと思います

このように社員が個人情報漏洩などをしてしまった場合、その社員に損害賠償請求はできますが全額は難しいというところです。また、個人情報の漏洩についてはかなりセンシティブな問題となっているため、とくに対外的な対応はきちんと行う必要があるかと思います。

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