【遊郭跡地・歴史とつながる街】ヨコハマ部街歩きVol.4 横浜橋通商店街街歩き

今回はヨコハマ部街歩き企画4回目!舞台は「横浜橋通商店街」です。
名前は聞いたことのあるけど行ったことがない、、という人も多いのではないでしょうか?こちらは故歌丸師匠の出身の真金町と隣接しており、非常に活気のある商店街となっております。(故歌丸師匠は横浜橋通商店街の永久名誉顧問)
この横浜橋通商店街の近くには、過去に永真遊郭が栄え、いまも痕跡を確認することが出来ます。また、若者が更なる商店街発展のためにむけて、まちづくりに取り組んでいることをご存じでしょうか?

本稿では、あなたの知らない横浜橋通商店街を知るお散歩の様子をご紹介します。

第一部 お散歩編 14:00-15:00

お散歩コースは以下の通りです。

  • 大通公園

  • 永真遊郭跡地(大門、 銭湯、美容室、タバコ屋)

  • 金刀比羅神社

  • 横浜橋商店街付近(象の旅→南吉田小→浅見治療院)

  • 黄金町(シネマジャック&ベティ・旧ちょんの間エリア)

  • Tiny’s 

まだまだ日差しが強く照らしていた8月末、
大通公園に続々と参加者が集まります。

雨予報も出ていましたがお散歩日和な空に!

今回の散歩案内人はヨコハマ部サポーターの小松さん、下町編集室OKASHIの共同代表を務める小林さん、長縄さんの3名体制で行われました。
前半は横浜橋通商店街周辺の歴史に詳しい小松さんがお散歩案内人です。

ヨコハマ部サポーターの小松さん

はじめの寄り道は現在の真金町・永楽町にあるとされた、かつての永真遊郭の大門入口です。
江戸時代末期に現在の横浜公園辺りに港崎遊郭が開業しました。その後、大火による消失や都市計画に伴い、何度か移転して明治23年(1889年)に永真遊郭が作られることとなりました。
かつての写真と見返しても、道幅や区画に名残があります。

長島橋 駿河町と永楽町に架かる 明治の横浜手彩色写真絵葉書
引用: https://yokohamapostcardclub.blogspot.com/search?q=%E6%B0%B8%E6%A5%BD

上記の写真は、集合場所の明治時代の頃です。右側に塀で囲まれているエリアが永真遊郭です。遊郭の出入り口には必ず門があり、関内側に大門がありました。

大門を軸に一行は、永楽湯(リンク先:はまれぽ)や美容室、煙草屋を見て、金刀比羅大鷲神社を訪れました。
毎年11月酉の日に開かれる「酉の市」が有名な神社です。ここには「遊郭」と刻まれた石塀があります。遊郭の存在を”目”で確認できる疑いようのない痕跡です。

並びに歌丸師匠の名前も刻まれています

神社からほどなくして横浜橋商店街に到着です。
ここで案内人を交代し、下町編集室OKASHIの小林さん・長縄さんにバトンタッチです。

商店街が大好きなんです!と語る小林さん

普段お二人は横浜の下町「関内・関外(旧吉田新田)エリア」を中心に. 「場づくり」と「アーカイブ」をおこなう有志の若者によるプラットフォームを運営されています。
長く伸びる一本道の商店街を歩きながら、案内人の方が色々なお店を紹介していきます。

いくつか抜粋します。

こちらは横浜橋通商店街から少し入った場所にある「本屋 象の旅」さん。
2022年11月にオープンした本屋さんで、「自分がいいと思った本や、信頼している人がすすめている本」を販売する地元密着側の本屋さんです。

本屋 象の旅

こちらは浅見治療院。建物の外観が歴史を物語ります。

浅見治療院

こちらの浅見治療院は、戦後の永真遊郭の写真に電柱広告として名前が確認できます。

浅見医院の電柱広告 (横浜市史資料室所蔵秌場英家資料)
引用: https://hamarepo.com/story.php?page_no=2&story_id=7002

まだまだお散歩は続きます!
商店街内は多国籍なお店が多く、掲げられている看板も多言語対応しています。近くには横浜市立南吉田小学校という様々なバックグラウンドを持った子どもたちが通っている学校もあります。

横浜商店街通り

横浜橋商店街を抜けて、次は黄金町駅方面に歩いていきました。
曙町はかつて親不孝通りと呼ばれた、文字通りの歓楽街があり、現在も怪しげな雰囲気を漂わせていました。
永真遊郭跡地よりも当時の雰囲気を感じられます。

シネマ・ジャック&ベティや黄金町スタジオ、旧ちょんの間(2005年バイバイ作戦により営業停止)を歩きながら、街全体のこれまでの歩みと、これからの歩みについて考えながら、参加者はワークショップの会場であるTiny'sを目指しました。
横浜・黄金町地区「売春店撲滅」宣言から10年】(神奈川新聞2015年記事)に詳細が記されています。


第二部 ワークショップ編15:00~17:00

ツアーの後は、Tiny'sさんにて改めてお散歩案内人たちによる歴史・活動紹介後、参加者の皆様でワークショップを行いました。
テーマを2つ設けワークショップを進めていきます。

まず1つ目は「今日のお散歩で感じたこと」をテーマにポストイットに書いていきます。
「遊郭には日本の文化が集まっている」「多文化共生のポテンシャルがある」「観光化されていないのがいい」という意見の他、「商店街にカフェなどゆっくりできる所がほしい」「歴史が知れる資料館のような場所があったらおもしろそう」という意見も出ました!

2つ目のテーマは「自由ディスカッション」
小松さんより「負の歴史をまちづくりに活かすことができるのか?」「新しい取り組みは地元民にとって必要?」など様々な側面での議論ができるのではないかと補足いただき、皆さんで話し合います。
参加者の皆さんからは「遊郭跡地を隠したいものとするのではなく、どうやって魅力的に見えできるか考えたい」「地元の人はこの町をどんな町だと思っている、もしくはしていきたいのか気になるので、地元の人の意見をもっと聞きたい」といった声が挙がりました。


今回のヨコハマ部お散歩企画「横浜橋通商店街ツアー」はこれにて。
実はこのお散歩コースは1時間で約4キロのコースとなっています。
ぜひ涼しくなってきた今の時期に気になった方は実際に足を運んでみてください!

ご協力いただいたみなさん

横浜ハブサポーター 小松晃典さん
下町編集室OKASHI 共同代表 小林さん、長縄さん
Tiny'sさん

この記事を書いた人

Global Shapers 横浜ハブ  ひさえ

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