見出し画像

白熱の甲子園2023夏 決勝「慶応vs仙台育英」どこから応援に駆けつけた?~【第1回】「もしも応援団員がGISを使えたら」~

こんにちは。
技研商事インターナショナル アライアンスビジネス部の池畑です。

note連載「もしGIS」シリーズがはじまったと思ったら、いきなり番狂わせ発生です。前回予告していた孫子編とは別に、ど~~しても分析したいテーマが出てきてしまいました。

急遽ではございますが、今回は予定を変更して、目下気になっている話題について、人流分析をやってまいります。

その話題というのがこちら。

<高校野球 慶応 107年ぶり優勝 仙台育英 連覇ならず>

昨年に白河の関越えの快挙を成し遂げて連覇を賭ける仙台育英と、1世紀ぶり以上の優勝を賭ける慶応の熱い戦い。どちらに転んでも甲子園史上に残る一戦に、序盤から目が離せませんでした。

特に仙台出身の私としては、地元・仙台育英の連覇を祈っていたのですが、残念ながら連覇には一歩届かず…。普段はそれほど野球を観ないにわかファンではありますが、地元高校連覇への期待が膨らんでいただけに、少し悔しかったのも正直なところでした。

さらにその悔しさに追い打ちをかけたのがこちら。

「声出し応援」が解禁された今夏、その象徴となった大応援団の声援にも後押しされ、「KEIO日本一」の合言葉を掲げたナインが、全国3486チーム(3744校)が参加した第105回記念大会の頂点に立った。~~中略~~ なお、この決勝戦の観客数は、”今大会最多4万2100人”を記録した。

出典:高校野球ニュース https://www.xn--8wv97xz6xo7h.online/natsukoshien-2023-report/

慶応義塾高校が107年ぶりの優勝に沸いたわけですが、3塁アルプス席に駆けつけた応援団、OBたちにも注目が集まったのです。NHKによるとアルプス席には3000人以上が詰めかけ、伝統の応援歌「若き血」を歌うなどしたとのこと。

「でも、いったいなんでこれが悔しいの…?」

じつは私、高校時代は応援団員を務めていたこともあり、慶応高校の応援攻勢にむくむくと対抗心が沸き上がったものの、仙台育英の応援に何ら寄与できなかったわけで、己の不甲斐なさに忸怩(じくじ)たる思いを抱いたのでございます(「だからどうした?」という声が方々から聞こえてきそうですが…)。

ということで、もはや後の祭り、かつ卒業生でも何でもないわけでございますが、仙台育英の応援団の皆様に成り代わり、今後のリベンジを期すためにも、ライバル校応援団の分析を(勝手に)行ってみたいと思います。


①夏の全国高校野球・観客はどこから来ている?(大会通期)

まずは前提として、今大会を通じての来場者がどこから来ているのか?
GPS位置情報分析システムの「KDDI Location Analyzer」を使って、大会期間中に甲子園球場に来た人がどの都道府県から来たのか、ベスト5を集計してみました。

<集計方法>
・調査期間:夏の全国高校野球2023 大会全期間(2023年8月6日~8月23日)
・調査場所:阪神甲子園球場 観客席(全席)
・調査方法:都道府県別の来訪者数、上位5都道府県を抽出

内野席、アルプス席、外野席を含む全観客席で集計
来訪者数の多い都道府県を濃い赤色で表示

さて、集計結果がこちらです! ドドン!

やはり大会の全期間を通じてとなると、地元である兵庫県、そして大阪府からの来場数が圧倒的です。日ユニークで集計しているので、大会中に何日も観戦に来ている地元のヘビーファンの方の存在も大きいかもしれません。

②決勝戦の観客はどこから来ている?

では、決勝戦の来場者はどこから来ているのか?
まずは球場全体から見ていきましょう!

<集計方法>
・調査期間:夏の全国高校野球2023 決勝戦(8月23日12:00~18:00)
・調査場所:阪神甲子園球場 観客席(全席)
・調査方法:都道府県別の来訪者数、上位5都道府県を抽出

先ほどの大会期間全体と比べると、慶応高校のある神奈川県、そして仙台育英高校のある宮城県からの来訪が多いことがわかります。地元から多くの関係者やファンが駆けつけていることがうかがえます。また2位の東京都には、慶応高校関係者も多く居住されていると推測されます。

③慶応高校サイドの応援にはどこから来た?

さて、いよいよ話題となった3塁アルプス席を含む慶応高校サイドの観客席には、どこから訪れたのか? 見ていきましょう!

<集計方法>
・調査期間:夏の全国高校野球2023 決勝戦(8月23日12:00~18:00)
・調査場所:阪神甲子園球場 慶応高校側スタンド(3塁内野席+3塁アルプス席+レフト外野席)
・調査方法:都道府県別の来訪者数、上位5都道府県を抽出

慶応側スタンド(3塁内野席+3塁アルプス席+レフト外野席)に絞って集計
全国から来ていることが分かりますが、やはり多いのは…

こちらが慶応サイドの集計結果です。

東京都がダントツの1位、そして3位には高校のある神奈川県が入りました。
在校生の保護者や学校関係者などで東京・神奈川在住の方が多いのはもちろんですが、OBの存在も無視できなさそうです。

慶応OBといえば、NHKの記事にも「野球界だけでなく、政治や経済などの各界でOBが活躍」とあるように、卒業後に各界で活躍する方が多いですが、中でも特に東京で働く方が多いのかもしれません。

④仙台育英高校サイドの応援にはどこから来た?

続いて、仙台育英高校サイドの観客席には、どこから訪れたのでしょうか?

<集計方法>
・調査期間:夏の全国高校野球2023 決勝戦(8月23日12:00~18:00)
・調査場所:阪神甲子園球場 仙台育英高校側スタンド(1塁内野席+1塁アルプス席+ライト外野席)
・調査方法:都道府県別の来訪者数、上位5都道府県を抽出

仙台育英側スタンド(1塁内野席+1塁アルプス席+ライト外野席)に絞って集計
同じく全国から来ていますが、地元宮城県の比率がより高いことが分かります

仙台育英サイドの集計結果はこちら。

4位に宮城県がランクイン! 仙台から甲子園球場までは直線距離でも600km以上離れておりますが、遠路をものともせず応援に駆けつけた方が多くいらっしゃったかと思うと、胸が熱くなります。

一方で東京にいながらロクに応援へ貢献ができなかった私。もう出直すほかありません。嗚呼。

決勝に進んだ二校はもちろん、各校の選手たちの懸命なプレーに、血沸き肉躍る夏となりました。

そしてまた来年こそ、仙台育英をはじめ宮城県勢の優勝を、と願わずにはいられません…!



というわけで、夏の全国高校野球2023・決勝の来場者について分析してみましたが、いかがでしょうか?

「遠方からもたくさん来場しているなんて、さすが甲子園!」
「北海道や沖縄県の高校のときは、どうだったんだろう…」
「大会全体を見ると、けっこう愛知県の人も多いなぁ」…etc.

それぞれ様々なご感想をお持ちなのではないかと思います。

もし面白いと感じたり、何かのお役に立ちましたら、「スキ!」ボタンを押していただけますとうれしいです。

また、テーマや「こんなこと、こんな場所を分析してみてほしい」などご要望ございましたら、お気軽にコメント欄にお寄せください。可能な限りお応えしていければと思います。

次回こそは、当初予定通り「もしも孫子がGISを使えたら…」というテーマでお届けできれば…!

<今回使用したGIS>
KDDI Location Analyzer

*無料トライアルもできます。
 会社で人流分析ツール導入ご検討の際はぜひご利用くださいませ。


<関連記事>

<プロフィール>
池畑索季(いけはた・もとき)
営業歴10年、ではあるが、今夏まったくの異業種から転職してきたばかりで、地図情報システム、商圏分析はいずれも初心者、必死に勉強中。世界史とSFとパデルと登山が好き。一周遅れてサウナにハマっている(「技研サウナ同好会」なるものにも所属)。高校時代は、学校から宮城球場までの市街地を、団旗や太鼓を積んだリヤカーを引いて疾走した暑苦しい思い出も。