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人口減の街は、今後どう変化する?~相関分析から見た減衰マップ大公開~

皆さん、こんにちは!
技研商事インターナショナル カスタマーサクセスチームです。

政府が異次元の少子化対策を政策に掲げるほど、少子高齢化が社会問題化している中、令和4年には、現役世代が2.0人で65歳以上の人、1人を支えるほど深刻化してきています。
高齢者が多い街のイメージ、開発されてニューファミリー層が多い街のイメージなど、各街のイメージは皆様それぞれお持ちだと思いますが、街は人口や商業施設の増減に伴って変化していきます。
今回は過去の傾向から街の変化を人口の減少を軸に探ってみようと思います。


■人口が減少した街の変化とは


街の変化と一言で言っても、その定義は人それぞれです。
人口減少や商業力の低下など、要素は様々あります。
ただ、人なくして街の変化はないとも言えますので、今回は2010年から2020年で人口が減ってしまった街=変化した街と定義し分析をしていきます。

■2010年から2020年にかけて人口が減ってしまった街の特徴



ではこの10年間で人口が減ってしまった街はどんな特徴があるのでしょうか?
特徴を探る方法として、今回は統計解析の手法の1つである相関分析※を活用していきます。

※相関分析とは
2つのデータの関係性の強さを表す指標(相関係数)を計算し、数値化する分析手法です。相関係数は1に近づくほど正の相関(正比例)の関係が強くなり、-1に近づくと負の相関(反比例)の関係が強くなります。また、0に近づくほど無関係になります。

関係性を図るデータとしては、国勢調査をはじめとする各エリアの年齢別人口や世帯年収などの2010年時点の構成比の数値を採用します。

2010年から2020年の人口増減数と各データの2010年時点の構成比の数値との相関分析をすることで、正の相関が出た場合には、「2010年時点で〇〇の構成比が少ないところは2020年時点に人口が減っている(2010年時点で〇〇の構成比が多いところは2020年時点に人口が増えている)」ということがいえます。

◯相関分析の結果

上記結果より、この10年間で人口が減ったエリアの特徴が下記のとおりであることが予想されます。

■今後、変化してしまう街って?


では今後減衰してしまう可能性が高い街はどこなのでしょうか。
相関分析で得られた結果を参考に、同様の傾向が見られる地域を「今後減衰してしまう可能性がある街」として定義し、そのリスク度合いを可視化してみました。

相関係数が高かった項目の2020年時点の構成比を偏差値にし、各項目の偏差値を合計して傾向を確認しています。

結果をみると、東京23区や各地方都市は安全圏ですが、それ以外の地域は今後減衰の可能性が高い傾向にあることがわかります。

一都三県の減衰危険度マップ

他のエリアは下記リンクから参照できます。https://gsistorage.giken.co.jp/document/decline_map.pdf


■まとめ


全国的に人口が減り、かつ少子高齢化も進む現代において、国や各行政が減衰しない施策をしていくことが重要であると気付かされます。
小売業や飲食業を出店する際もその街の今後を考えて出店することが求められそうです。