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ギターやエフェクター間に相性がある本当の理由とは?

こんにちは!
GT SOUND LABのTAKUYAです!!

あるギターでは好みの音が出せるエフェクターがあるのに、他のギターに使うとあまり良い音が作れない。 このような経験をした人は少なくないでしょう。これを一般的に“相性”と呼びます。

この“相性”の正体について皆さんはご存じでしょうか?

正体その1[レベルによる相性]

ある機材がどれくらいのレベル (信号の大きさ=音量)を出力するか、 次のエフェクターがどれくらいのレベルを受け取れるかによって相性が生じます。ここで説明するレベルの話の中には、周波数特性も含まれます。
エフェクターにはそれぞれの個体が持つ周波数特性があり、周波数の違いによって回路に入力されるレベルと出力するレベルが異なります
この周波数特性も相性を生む要素のひとつです。
歪み系のエフェクターを例に説明します。


歪み系のエフェクターでは、“クリッピング・ポイント”が重要です。
クリッピング・ポイントとは歪み始めるレベルのことで、設計者がこれを設定しています。
クリップというのは波形を歪ませる手段のひとつで、 あるレベル以上の信
号が出力されないようにすることで、波形の上下をカットした形にし “歪んだ” 音を作ります。
余談になりますが、 クリッピングの方法には大きく分けて2種類あります。

上下の信号の変化が同じになるよう波形をカットする手法が“対称ク
リッピング
”、上下で違う波形になるのが “非対称クリッピング” です。
対称クリッピングの場合は奇数次倍音が多く、 非対称クリッピングの場合は偶数次倍音が多くなります。

どういうことかというと、対称クリッピングは、歪み方が深く感じられ、 ディストーションに分類されるエフェクターによく用いられます。
非対称は比較的ソフトな歪み方になり、オーバードライブなどに用いられます。
話を戻すと、このようなクリッピングの方式や、クリップが始まるレベルは、エフェクターによってさまざまです。
そのため、高いレベルを入力した時と低いレベルを入力した時では、同じエフェクターでも違った音色になります。
また周波数によって入力レベルが異なった場合も同様に違った音色になります。 同じ出力レベルになるまでエフェクターのゲインを上げても、同じ音色にはなりません
こうして、機器のレベルや周波数特性、 クリッピング・ポイントの差によって “相性”が生まれます。

続きのページでは「機材同士の“相性”の正体」の続きから「エフェクター試奏で失敗しないためのポイント」、そして「プロギタリストも採用している相性の良い組み合わせ」の紹介とそのメカニズムについて解説していますので、よかったらチェックしてみてください。
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