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プロギタリストの方に共通していた「短時間でイメージ通りの音」を作るための手順とは?

こんにちは!
GT SOUND LABのTAKUYAです!!

今回のテーマは「ギター&ベースの音作り手順」になります。
音作りというと人によって様々なアプローチがありますので、プロならこうするという統一された手法はありませんが、プロギタリストの方のローディーをさせていただく中で多くの方々に共通していた音作りの手順についてお伝えしたいと思います。

この共通手順さえ覚えておけば、短時間で迷いなく目指している音が作れるようになります。
例えば転換時間の短いライブやスタジオでのバンド練習、お店でのジャムセッションなどでセッティングに時間が掛かってしまって周囲から迷惑がられてしまったり、納得のいかない音のままモヤモヤしたままライブ本番を迎えてしまうことを防ぐだけでなく、バンドアンサンブル上で使える実戦的な音を短時間で作ることができるようになります。

[到達点のイメージを持つ]

一番最初に行うステップとしては「到達するべき音のイメージをなるべく具体化する」ことです。
おすすめの方法としては頭の中にある音のイメージを紙に書き出すことです。
紙に書き出して文章化することによって、ボンヤリと抽象的だった音像から自分にとって必要な音色や目指している音色は何なのかを具体化することができます。
例えば
音色1:「コーラスと薄っすらとコンプが掛かったクリーン」
音色2:「バッキング時に使うVox系アンプを彷彿させるクランチ」
音色3:「リード時に使うMarshallアンプをフルアップさせたようなドライブ」
といった具合に書きだしてみましょう。
このステップを最初に行うことで、必要のなかった機材への浪費を防ぐだけでなく、明確なゴールを設定することができます。

[個々の機材の個性を知る]

まずは機材選びの面から考えてみましょう。
エレクトリック・ギター/ベースなどの電気楽器では、楽器本体、エフェクター、ケーブル、アンプなどのさまざまな機材が相互に作用して、ひとつの音色を作っています。
最初からすべてをひとまとまりに考えるのではなく、各機材の音を個別に聴いて特徴をつかむことが音作り上達のための第一歩です。

音作りに悩んでいる人に多いのが、次々に機材を買い足したり、入れ替えたりしたため、“このエフェクターは単独ではどんな音なのか?
どこまでの能力をもっているのか? ” ということがわからないでいるケースです。
個々の調味料の味を知らなければ料理の完成予想ができないのと同じく、各機材の音を知らなければ音作りの方向性を定めることができません

スピーカーひとつ取ってみても、アンプの音量を大きくした時にどんな鳴り方をするか、 逆に小さくするとどうなるか、キャビネットを傾けるとどう聴こえるか、といった実験をしてみましょう。

アンプのEQもノブのセンターから合わせ始めるだけではなく、MIDを10にして他を0にしたらどんな音になるか、 そこにTREBLEやBASSを足していったら音がどう変化するか、逆にMIDを0にしたらどう聴こえるか...... など、普段はやらないようなセッティングでも積極的に追求してみましょう。

よく雑誌などでアンプのツマミをすべて10にしている機材の写真を見て、“ミュージシャンはフルテンで演奏しているんだ”と思ってしまう人もいるようですが、実際にはフルテンではなく、ツマミの位置をずらして付け替えることで10に見えるようにしているだけの場合もあります。

プロギタリストの谷川史郎さんの現行Marshalアンプのセッティング
つまみ左からベース2、ミドル2、トレブル0に設定されている。
スタジオに常設されていることが多いJCM900やJCM2000などの現行品Marshallはつまみをオール5の状態からセッティングを開始するとドンシャリぎみの音になってしまう場合が多い。
トレブル0からのセッティングをぜひ試してもらいたい。

こうした経験を積んでおくと、例えばリハーサルをしてみたら高域が強すぎて耳障りだった時など、 どの機材をどうやって操作すれば解消できるのかという見当がつけられるようになります。
“ここまではこの場で調整できるけど、これ以上は、今は無理だから諦めよう”という判断も素早く行なえます。
最初からすべての機材をつなげた状態での音作りしか知らないと、ちょっとした違和感を解消するのに、どこをどう調整したら良いかわからなくなってしまいます。
大切なのは最初に「到達点のイメージを持つこと」そして「各機材の音を個別に聴いて、特徴をつかむ」ことにより、方向性を見失って様々な機材を買い集めた挙句に理想の音から自ら遠ざかってしまうという事態を回避することができます。

続きのページではエフェクター設定のコツや良い音かどうかの判断方法など、プロの方が実際に行っている手法を詳しく解説してますのでよかったらチェックしてみてください。なお、10部販売したら値上げします。

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