外国人に難しい日本語12
外国人に難しい日本語シリーズという名を始めて、今回で12回目。
今回も国際交流や日本語ボランティア、日本語学校の授業見学を通じて日本語を学ぶ学習者に難しい日本語を紹介していきます。
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数字:特殊な読み方
鳥は1羽
ワシ🦅が1羽
ハト🕊️が1羽
ペンギン🐧が1羽
ウサギ🐇が1羽
→ウサギは鳥ではないよ?
コーヒー☕️は1杯
お茶🍵が1杯
イカ🦑が1杯
→イカは食べ物!!
紙は1枚
ハガキが1枚
板チョコ🍫が1枚
→チョコレートは食べ物!!
銃🔫は1丁
斧🪓も1丁
豆腐も1丁
→「日本の豆腐は危険な食べ物なの?」
ペンは1本
バットが1本
ろうそく🕯️が1本
お箸が1本🥢
お箸は2本で1膳になる
→「は??なんで1膳なの?」
ナイフは1丁
フォーク1本
でも、それぞれ合わせれば「1組」
日本語の数詞は本当に難しい。
え?待って?
よく若い女性が話し言葉で使う「え?待って?」。
外国人からしてみれば、「何を待って欲しいの?」と勘違いしてしまう、この表現。
実は、この表現「え?待って?」は英語でいう『Wow』や『What(は?)』と同じで感嘆詞と呼ばれるもの。
日本語を学ぶ外国人にとって難しいのも理解できる。
『寿司』と『お寿司』は何が違う?
外国人にとって難しい日本語に、「お寿司」と「寿司」といった、指しているものは同じなのに何が違うの?というものがある。
この「寿司」と「お寿司」の違いを説明すると、基本的に「お寿司」のように「お」がつくものは美化語と呼ばれるものです。
美化語は室町時代に由来する女房言葉に多く、天皇や貴族などに仕える女性が使った言葉のことで、その仕事にかかわる言葉(炊事・洗濯・掃除その他)に多く取り入れられました。
つまり、「お寿司」と「寿司」の違いは女性により近い食べ物に「お」がつく美化語であるかどうかが違いの一つと言えます。
美化語は外来語にはつけないため、日本独自の言葉とも言えるかもしれませんね。
いずれにせよ、外国人学習者が混乱する要因の一つとして挙げられます。
『〜しました』と『〜たことがある』
「〜しました」は過去に自分あるいは他者が行なった行動を言う際に使いますが、「〜たことがある」は行動という面では共通していますが2つの制約が絡むので学習者には難しいです。
①そのことが当たり前のことではない
②ある一定の期間を経過していること
例えば、『私は風邪を引いたことがある』や『私は先週、ディズニーランドに行きました』という文があるとしたら、日本人である皆さんは、ん?ってなるはずです。
これは上記2つの制約に関わる条件を例として述べたものですが、当たり前のこと、すなわち誰もが知っていることや比較的、時間が経っていないことには『〜たことがある』は使えないよということです。
〜らしい
『〜らしい』という文法表現も外国人学習者には難しいです。
『〜らしい』は基本的に伝聞・推量・典型と3つの意味があります。
伝聞は人から聞いたもの。
『ねぇねぇ、山田さんが田中さんに告白したらしいよ。』のように人から聞いた話を誰かに伝える時に言いがちですね。
推量は話し手の想像や判断が含まれます。『山田は田中さんのことを諦めたらしい。』(=ようだ)に言い換え可能。
このように、「〜らしい」という表現だけでも沢山の意味があるように文脈で判断しないと区別がつきにくいのが難しいところです。
〜といった
ここでいう「〜といった」は「言った」や「行った」などの動詞ではない表現が日本語には多数ありますが
「〜といった」や「そういった」などの『前後の名詞や例をまとめる機能」を表すことが多いのが特徴ですが、
これも、なかなか難しいです。
どんだけ読み方あるん?
皆さんは、次の漢字を読む際、どう読みますか?
「何人」
恐らく、多くの人は、「なにじん」と「なんにん」と読む人が多いのではないでしょうか?
辞書を引くと、『なにびと』や『なんぴと』と読むこともあります。前者は分かりますが、後者は「人」が「ぴと」であるため、どこか違和感を感じます。
では、「どこへ行きますか?」と「どこに行きますか?」と「どこを行きますか?」の場合、恐らく殆ど日本人は「どこを行きますか?」は違和感を感じ、「に」と「へ」は、どっちでも意味としては理解に支障はないと答えると思います。
ただ、若い世代では「どこ行くん?」と使うため、この表現を教えろと思う外国人も多いはずです。
気が狂ってる日本語助数詞
気が狂ってるとしか思えない日本語の助数詞。
1本の箸は1本
2本の箸は1膳
紙は1枚
ホチキスで留めると1部
ペンは1本✒️
本は1冊📕
冊子は1部
人は1人
犬は1匹
車は1台
→数字の読み方が変わる。
拳銃🔫は1丁
ナイフ🍴も1丁
豆腐も1丁
→豆腐は危なくないのに?
パンツ🩳を1枚だけ着用している状態はパンツ1丁
→確かに危ない
牛は🐮1頭
馬も🐎1頭
蝶も🦋1頭
キャベツ🥬は1玉
メロン🍈も1玉
生麺も1玉
下着は1枚
上着🧥は1着
かけ蕎麦は1杯
ざる蕎麦は1枚
生麺は1玉
乾麺は1束
ボート🚣は1艇
中型船は1艘
大型船は1隻
軍艦は1艦
ラーメン🍜を頼むときはラーメン1つ
ラーメンが出る時はラーメン1丁
食べたラーメンは1杯のラーメン
人は1人
偉い人になったら1名
亡くなったら1体
助数詞はまだまだありますが、それにしても、ここまで複雑なのは外国人にとっては頭を悩ませるものです。
何時
「何時にする?」→なんじ
この場合は、「なんじ」と読むが、例えば次のような文章の場合、
A:今度遊びに行こう
B:おっけー!何時空いてる?
「なんじ」と読みたくなるが、「いつ」と読むのが自然な読み方である。
何時?と書いているから時間を表すかと思いきや日程や日にちを意味するため、これは外国人学習者にとって悩ましいもの。
ただ、「何時」という漢字が「なんじ」と「いつ」という読み方があるのは分かったとして、次のような場合、どう読むか?
何時何時までに→いつなんじまでに
⇒正解は、いついつまでに
何時何時、事故に遭うか分からない
⇒この場合は「いついつ」ではなく「いつなんどき」。
これらは本当に難しい。
今日は以上です。
最後まで読んで頂き有難う御座いました。
今後とも宜しくお願いします。
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